レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

SLやまぐち号と2つの特急列車に乗車する山口・島根乗り鉄旅(1)

 (1)僕は2020年6月から7月にかけて約10日間、尿路結石と腎盂腎炎で入院したことがあります。それ以来、二度と再発しないよう、医師の助言にしたがって人並み以上に水分補給するなど気を付けてきましたが、7月上旬になって下腹部に嫌な痛みを感じるようになりました。初めのうちは「気のせいかな?」くらいに思っていましたが、日に日に痛みが強くなり、ついには微熱症状も出始めたことから、「これは腎盂腎炎の再発じゃないか😭」との自己診断をもとに、久しぶりに泌尿器科に行きました。以前と同じように、レントゲン撮影と尿検査を行いましたが、尿路結石や腎盂腎炎らしき兆候は見られないとのことで、さらに追加でCT撮影や血液検査を行ったところ、どうやら腸に原因があるのではないかということになり、消化器内科を紹介されました。翌日に消化器内科を受診したところ、やはり腸に原因があると言うことで、下行結腸憩室炎と診断されました。何でも僕の腸壁には憩室という小さな袋状のものができており、そこに細菌が増殖して炎症が起こっているんだそうです。痛みだけなら何とか我慢のしようもあるのですが、血液検査による炎症反応を示す数値がよくなく、医師からは入院もあり得ると言われてしまいました😢 しかし4年前の入院生活では、テンションが思いっきり下がり、気分的にも滅入ってしまったので、何とか入院を回避したいとの思いから服薬治療で様子を見ることにしました。

 幸いにも処方された抗生物質がよく効いてくれたようで、数日で痛みは嘘のように消え、1週間後の血液検査で炎症数値も大きく改善したまではよかったのですが、医師からは大腸内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)を勧められ、結局、8月下旬に検査を行うことになりました。正直言って、お尻からカメラを入れるということに対する恐怖心はありますが、僕は以前の入院の際に膀胱鏡検査を経験しており、この恐怖心から比べればまだ我慢できるかなと自分に言い聞かせつつ、不安で心配な日々を過ごしているところです。

 さて、つまらない近況報告はこれくらいにして、このブログの本題である乗り鉄旅についてお話しさせてもらいます。前回の記事の最後では、「7月の乗り鉄旅に向けた準備を進めている」とお知らせしましたが、今回、その乗り鉄旅に行ってきました。内容としては、タイトルにもあるとおり、山口線を走る「SLやまぐち号」に乗車し、さらに「スーパーおき」「やくも」の2つの特急列車にも乗車する乗り鉄旅です。

 今回の乗り鉄旅のメインは当然、「SLやまぐち号」に乗車することですが、2つの特急形車両に乗車するのも楽しみにしています。このうち特急「やくも」は、これまでにも何度か乗車したことがありますが、今年4月にはこれまでの381系に代わる新型車両273系がデビューしました。僕はまだ273系に乗車したことがなく、機会をみて乗車したいと思っていたので、今回の乗り鉄旅で乗車することにしたものです。また、「スーパーおき」で使用されているキハ187系気動車には、以前に「スーパーいなば」として乗車して以来で、「スーパーおき」として乗車するのは初めてとなります。

 日帰り旅の中で、色々な列車に乗車することになり、久しぶりの本格的な乗り鉄に徹した旅となります。鉄道に乗車することを最優先にした旅行であり、現地での観光などの要素は一切ありません。そんな鉄分補給旅の行程は次のとおりです。

 名古屋駅からは東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で一気に新山口駅まで移動します。ちょうどいい時間に新山口駅に停車する「のぞみ」があるので、スムーズに乗り換えることができます。おそらく「SLやまぐち号」の新山口駅発車時間にあわせて「のぞみ」が停車するようダイヤが組まれており、東京駅からでも前泊なしで「SLやまぐち号」に乗車することができるよう配慮されているんだと思います。そして終点の津和野駅から出雲市駅までは特急「スーパーおき」に、出雲市駅から岡山駅までは273系の特急「やくも」に乗車します。岡山駅からは東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で名古屋駅に戻り、今回の旅を終える行程となっています。それでは、どうぞ旅の様子をご覧ください。

 

 

名古屋駅から東海道・山陽新幹線に乗車

 それでは、名古屋駅に到着したところからお伝えします。当初は上の行程表のとおり、金山駅からJR線に乗車する予定でしたが、名古屋駅までは名鉄線を利用したため、ここからJR線に乗り換えます。いつもの見慣れた名古屋駅ですが、いよいよ本格的な夏休みシーズンということもあってか、家族連れやツアー客などでいつも以上に混雑している印象です。太閤通口側には、これからバス旅行に行かれる方が添乗員さんのところに集まって、説明を聞いている光景があちこちで見られました。

 新幹線改札口も押し合うほどの混雑は見られませんが、通常の週末よりも人が多いような気がします。皆さんはどちらに行かれるのでしょうか?

 僕が乗車する「のぞみ」3号の発車時刻にはまだ余裕がありますが、他にすることもないので改札を通ってホームに上がりました。ちょうど16番線ホームには、「のぞみ」3号よりも前に発車する名古屋始発の広島行き「ひかり」号が入線するところだったので、記念に写真撮影しました。下り列車には、多少の遅れが発生していましたが、「のぞみ」3号はほぼ定刻で名古屋駅に到着しました。

東海道・山陽新幹線で活躍しているN700系名古屋駅 2024/7/20

 無事に「のぞみ」号に乗車し、一路、新山口を目指します。これまでの乗り鉄旅で山陽新幹線の終着である博多まで乗車したことはありますが、途中の新山口で下車するのは初めてです。そして今回の旅で一番心配されるのは天気です。東海地方はすでに梅雨明けし、少なくとも今日は雨の心配はなさそうですが、中国地方は梅雨明けしておらず、山口や山陰方面では一時的に大雨🌧の予報となっています。さらにJR西日本のWebページで発表された情報によると、今朝方の雨の影響で山口線山陰本線の一部区間で徐行運転が行われており、さらに今後の状況によっては山陰本線で運休や行き先変更が発生する可能性があるとのことでした。僕の日頃の行いが悪いせいか、最近は乗り鉄旅で雨に見舞われることがあります。大きな運行トラブルに巻き込まれることなく、何とか予定どおりの行程で乗り鉄旅ができることを祈るばかりです。

 名古屋駅から約2時間40分乗車し、「のぞみ」3号は定刻どおりに新山口駅に到着しました。新幹線を下車して一旦改札を出た後、連絡通路を渡って在来線側に移動します。そして気になる天気ですが、想定外に少し陽が差しています。山口県内全域という訳でなく、一部地域での局地的な雨だったんでしょうか?

 そして新山口駅では、在来線への乗り換え時間にあまり余裕はありませんが、初めて訪れる駅ということで、改札外からも写真を撮影してみました。なかなかデザイン性に富んだお洒落な外観で、駅というよりも文化施設のような印象です。

 ちなみに駅名の「新山口駅」ですが、僕が子どもの頃に買ってもらった電車の本では、「小郡駅」となっていました。その時の印象が強く残っているため、僕は今でも「小郡駅」という名前が思い浮かぶのですが、2003年に現在の駅名に改称されたんだそうです。「新山口駅」となってすでに20年以上が経過しているということにちょっと驚きました。

 

新山口駅からSLやまぐち号に乗車

 早速、改札口を通って「SLやまぐち号」が発着する1番線ホームに向かいます。発車標には「臨時快速SLやまぐち号」と表示されていました。

 ではここで、簡単に「SLやまぐち号」について紹介したいと思います。「SLやまぐち号」は山口線新山口-津和野間を結ぶ列車で、その歴史は非常に古く、1979年(昭和54年)の運行開始から今年で45年を迎えます。「SLやまぐち号」を牽引する蒸気機関車と言えば、やはりC57形蒸気機関車が有名で、「貴婦人」の愛称で呼ばれることもあるSLですが、残念なことにC57形1号機は2020年に不具合が発生し、長期にわたって運用から離脱しています。さらに2022年にはもう一つの牽引機であるD51蒸気機関車も炭水車の修理が必要となったため、それ以降はDD51ディーゼル機関車を使用した「DLやまぐち号」として運行されていました。そして2024年、ついに修理を終えたD51蒸気機関車による「SLやまぐち号」が2年ぶりに運転されることになり、僕も今回、乗車できることとなった訳です。

 そして「SLやまぐち号」には、牽引するSLだけでなくその客車にも大きな特徴があり、現在は35系という「SLやまぐち号」専用の車両が使われています。35系客車の見た目はレトロ感あふれる旧型客車そのものですが、実は最新の機能を備えた新造車両となっています。ここまで忠実に旧型客車の雰囲気を再現していることには驚くばかりです。そんな35系客車の先頭と最後尾には、往年の一等車を彷彿とさせる展望デッキがあり、これも「SLやまぐち号」の魅力の一つとなっています。

 そんな「SLやまぐち号」は、冬季を除く土休日を中心に1日1往復運行されていますが、僕が乗車する往路の運行ダイヤは次のとおりです。

 山陽新幹線の停車駅である新山口駅を発車した「SLやまぐち号」は、津和野駅を目指して山口線を北上します。いくつかの停車駅がありますが、地福駅では14分の停車時間が設けられています。乗降が少ないと思われる停車駅がありますが、運転停車の都度、客扱いも行うということでしょうか。終点の津和野駅まで約2時間10分の旅となります。

 さて話を戻して、新山口駅での発車前の様子をお伝えします。僕がホームに到着した時にはすでに「SLやまぐち号」は入線済みで、ホーム上ではD51蒸気機関車や客車の撮影をされている方や手旗を持って発車の見送りを待つ方、そして早々と列車に乗車して車内の様子を見学する方々など、皆さん思い思いに出発前の時間を過ごしていました。僕もホーム上をあちこち行き来しながら、何枚か写真撮影しました。

SLやまぐち号の牽引機であるD51蒸気機関車新山口駅 2024/7/20

SLやまぐち号の35系客車:新山口駅 2024/7/20
 1番線ホームには、「SLやまぐち号」の顔出しパネルがありました。C57形とD51形の重連が描かれています。また、バス乗り場との間に設けられたガラスの壁面にも大きくSLが描かれており、ホーム上はSL一色といった感じでした。

 あれこれと撮影していると発車予定時刻が近づいてきたため、乗り遅れることがないよう僕も車内に入りました。ちなみに僕が今回乗車するのは編成の最後尾にあるグリーン車です。これから先「SLやまぐち号」に乗車できる機会は多くないと思うので、ちょっと贅沢をしてグリーン車にしました。グリーン車には展望デッキがありますが、この展望デッキで発車を待っておられる方もおられます。確かに展望デッキに出て、見送りしてくださる方に手を振りながら新山口駅を出発するというのもいいですね。僕も発車前に展望デッキに行ってみました。

 確かに気持ちよさそうでしたが、混み合ってきたため早々に自分の座席に戻りました。発車予定時刻となりましたが、大雨の影響により遅れている対向列車の待ち合わせを行うとのことで、「SLやまぐち号」は新山口駅を10分くらい遅れての発車となりました。新幹線の車内では、大幅な遅延という最悪の事態も想定されましたが、10分程度の遅れで出発できて本当によかったです。
 列車が無事に発車したところで、次に車内設備を紹介したいと思います。

グリーン車

 「SLやまぐち号」で使用されている35系客車は全5両編成で、津和野行きの場合は5号車が先頭で、最後尾がグリーン車の1号車です。グリーン車の車内は1+2配置で重厚なリクライニング座席が並んでいますが、2号車寄りの車端部には2人用と4人用のボックスシートが用意されています。それぞれ1区画しかないため、指定券の確保は相当困難だと思います。また最後尾には、先ほどお話ししたとおり展望デッキがあり、さらに客室と展望デッキの間には、座席と同じ色柄のソファが置かれた展望室が用意されています。どこもかしこもグリーン車らしい贅沢でゆったりとした空間となっており、昔の一等車に乗車したような気分になり、まるで時代をタイムスリップしたかのようです。

  

 ちなみにグリーン車内に立ち入ることができるのは、グリーン券を所持する乗客に限られるため、展望デッキと展望室もグリーン車の乗客専用となります。5月に「SLばんえつ物語号」に乗車した際もそうでしたが、普通車の乗客が当たり前のようにグリーン車内に立ち入って、展望デッキで写真撮影していく姿を見かけました。ルールを無視して写真撮影して一体どうしたいのでしょうかね。短時間だからといって許されるものではないと思います。

普通車

 続いて2号車から5号車までの普通車です。グリーン車は基本的に1+2配置のリクライニング座席となっていますが、普通車は客車らしく4人掛けのボックスシートとなっています。車内の様子を見渡すとかなりの乗車率で、ボックスごと空席になっているところはありませんでした。やはり2年ぶりのSLによる牽引の復活ということで、特に人気が高まっているのかもしれません。ということで、走行中は他の乗客の方の迷惑とならないよう、普通車客室内の様子を撮影することを控えましたが、終点の津和野駅に到着した際、乗客がほとんど降車した後に2号車の車内を撮影することができました。昔ながらの紺色で直角の座席を見ると旧型客車そのもので、これが新造車両だと言われなければ気が付かない方もいるのではないかと思う程です。

 なお、展望デッキを備えた5号車については、緑色の座面と木製の背もたれのボックスシートとなっており、他の号車とは車内の様子が少し違うようですが、今回は5号車に立ち入っていないので、写真はありません。また、往路では5号車がSLの直後に連結される客車となりますが、安全面から展望デッキに出ることはできないようです。

フリースペースとミニゲームコーナー

 5両編成の客車の中央に当たる3号車には、蒸気機関車の歴史などを紹介する年表や、実際に使用されていた備品や模型などが展示されており、さらに販売カウンターやフリースペースが設置されています。

 このうちフリースペースの一角には、SLの機関士を体験できる運転シミュレータと石炭をくべる缶焚きゲームがあります。このうち運転シミュレータは復路での運行時にのみ利用できるようで、往路では写真撮影ができる程度ですが、小さなお子さんがハンドルを握ってその感触を楽しんでいました。また、缶焚きゲームは往路でも利用でき、備え付けのスコップを持って画面に映し出される窯の中に石炭を放り込むゲームで遊んでいるお子さんもいました。なかなか面白そうなゲームでちょっとプレイしてみたかったのですが、さすがにいい年齢のおっさんが子供の列に並ぶのは恥ずかしいので、止めておきました。

 販売カウンターでは、飲み物や乗車記念グッズ、地域の特産品などを販売していました。実は今回、「SLやまぐち号」に乗車する前に「SLやまぐち弁当」を駅で購入しようと決めていたのですが、新山口駅での乗り換えの際、写真撮影に夢中になって購入するのをすっかり失念していました😓 車内でお弁当を販売していたら購入したいと思い、販売カウンターの方に聞いてみましたが、残念ながらお弁当類は販売していないそうです。その代わりといっては何ですが、石炭をイメージした真っ黒なワッフルと、源氏巻という津和野の銘菓を購入しました。

 いろいろと車内探検もしながら、せっかくなので列車後方の風景を眺めようと、もう一度、展望デッキに出てみました。「SLばんえつ物語号」の客車とは違い、ガラスで遮られることのない開放的なデッキのため、外の気温や風の流れ、石炭が燃焼する独特の匂いなどが直に感じられ、とても気持ちがいいです。区間によっては山深い箇所もあり、美しい緑と雲の合間からかすかに見える空が自然の心地よさを感じさせてくれました。

 列車は新山口駅での発車の遅れがあり、さらに途中区間で遅れが拡大してしまいました。そのため、本来は地福駅で14分の停車時間が設定されているのですが、これ以上の遅延を拡大させないよう、今日は停車後すぐの発車となることが案内されました。地福駅での写真撮影を楽しみにしていたのでちょっと残念ですが、仕方ありませんね。

 そして「SLやまぐち号」は津和野駅に到着しました。地福駅での停車時間を短縮させたことで、津和野駅到着は予定よりも7分ほどの遅れになりました。新山口駅でもD51形と35系客車を撮影しましたが、津和野駅でも色々な場所から「SLやまぐち号」の各所をカメラに収めました。

 津和野駅にあった駅名標です。確か新山口駅にも小郡駅と書かれた木製の駅名標があったので、「SLやまぐち号」が運転されることにちなんで、山口駅のいくつかの駅でこうしたレトロな駅名標が使用されているのかもしれません。一瞬、「乃わつ」って何?と思ってしまいました。

 3番線に入線して客扱いを終えた列車は、入れ替え作業のため一旦、益田方面へと向かいます。

 そして僕は津和野駅の改札を出ました。「SLやまぐち号」の終着なので当然に駅員の配置された友人駅だと思っていたのですが、無人駅なんですね。もちろん、みどりの窓口もなく、話せる券売機も設置されていませんが、地元の観光協会によってJR線の各種きっぷの販売が行われています。特急券や指定券も発売されているようですが、どのような端末が置かれているのか気になるところです。

 津和野駅の横には、列車の発着風景を俯瞰できる展望デッキがありました。床面を見るとかなり濡れて水たまりができているので、朝方には強い雨が降ったのだと思います。展望デッキに上がると、ちょうど入れ替え作業の中の「SLやまぐち号」が見えました。35系客車の屋根上がよく見えます。

 そして津和野駅前の広場にも、静態保存されたD51形の姿がありました。とにかく今日はSLづくしの旅とになったなと思いながら、こちらも記念にパシャリ📸

 「SLやまぐち号」の紹介の最後に、車内でいただいた乗車記念証をお見せしたいと思います。1枚は車内でアセンダントさんから直接いただいたものです。驚いたことに日付までが印刷されており、今日の運転でのみ配布されるものとなっていました。運転日ごとに日付入りの乗車記念証を用意しているとすれば、大変なことですよね。
 そして2枚目は、車内に備え付けられているもので、裏面に「SLやまぐち号」のスタンプを押印できるようになっています。なかなかきれいに押印できたのですが、持ち帰りのカバンの中でインクが周辺に広がってしまい、輪郭が少し汚れてしまいましたが、これも旅のいい思い出です。

■1枚目

■2枚目

 ここから先も山口線乗り鉄旅が続きますが、いつものように長くなってきましたので、続きは後半の記事で紹介したいと思います。後半では273系による新型「やくも」も紹介しますので、よろしければご覧ください。