レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「SL冬の湿原号」に乗車する道東乗り鉄旅(1)

 お久しぶりです。前回の乗り鉄旅は昨年の12月29日だったので、それからちょうど2か月が経過してしまいました。前回の記事の最後に「来年1月の乗り鉄旅に向けて計画を進めている。」とお知らせしていましたが、事情があって延期せざるを得ないこととなり、結果としてこの2か月間は全く乗り鉄旅に出かけていません。

 実は昨年末の時点では、1月25日から27日までの2泊3日の予定で北海道旅行を計画して準備を進めていました。中にはピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、その最大の目的は、1月下旬から3月中旬にかけて釧網本線を走る「SL冬の湿原号」に乗車するというものです。せっかく乗車するならば少しでもいい座席を確保したいということで、乗車日の1か月前に“10時打ち”して指定券を確保し、当日を心待ちにしていたのですが、出発日の前週になって例の感染症に罹患してしまいました😰。国内で新型コロナウイルスの感染が初めて確認されてからちょうど4年で、その間に世間では感染拡大期間が何度かありましたが、僕は幸運にも感染することはありませんでした。しかし、ここヘきて遂にヤラれました。1月になってから、自分としても外出時などに油断していたという気もないのですが、ちょうど週末に倦怠感や関節の痛みなどの症状があり、風邪かなと思って近くのクリニックを受診したところ陽性でした。どういった経路で感染したのか全く思い当たるものはなく、まさか自分が感染しているとは思ってもいなかったので、気分的にも落ち込みました😥。幸いにも症状は軽く、発熱もありませんでしたが、なかなか体調が思うように戻らず、何とか翌週から仕事に復帰したものの、あまり本調子ではありませんでした。こんな具合のまま北海道旅行に行くのはさすがに自分自身でも心配だったため、直前になってキャンセルすることにしたという経緯です。

 ちなみに当初の計画では、1月26日に「SL冬の湿原号」に乗車する予定でしたが、事後に知ったところによると、その日は暴風雪のため釧網本線が不通となっており、翌日も道内各地で積雪の影響による運休や遅延が発生したようなので、結果としては旅行を延期することにして正解でした。

 その後、今回計画した北海道旅行のプランについて、今期中にもう一度再挑戦しようか、はたまた来シーズンに見送ろうか迷いましたが、仕事の合間となる2月下旬から3月上旬にかけて2泊3日の日程が確保できそうな日があったため、思い切ってこの時期にリベンジすることにしました。そうと決めたら早速「SL冬の湿原号」の指定席券を再び確保しようと、もう一度、乗車日1か月前に“10時打ち”して希望の座席を確保したという訳です。

 そんな紆余曲折を経て、今回は久しぶりの3日間にわたる乗り鉄旅に出かけることにしましたので、その内容を紹介させていただきます。よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

中部国際空港から新千歳空港まで航空機に搭乗

 今回も北海道までの往復には航空機を利用します。前回の北海道旅行の際の記事でも触れたとおり、僕は航空機があまり好きではありません。乗り鉄的には是非とも北海道新幹線を利用して渡道したいところですが、2泊3日という限られた時間の中では、北海道までの往復にあまり時間を割くことができません。ということで、今回も中部国際空港から新千歳空港まで、航空機を利用することとしました。まあ、そうと決めたら頑張るしかありません。

名鉄ミュースカイで使用されている2000系:中部国際空港駅 2024/2/29

 前回の北海道旅行の際と同様、中部国際空港までは 名鉄線を利用します。神宮前駅から中部国際空港駅までの間では、2000系「ミュースカイ」に乗車しました。そういえば最近、名鉄は人身事故の影響により運転見合わせとなることが非常に多く、通勤で利用する際に運休や遅延に巻き込まれたことがあります。普段であれば、ただ単に遅刻で済むのですが、今回はそうは行きません。万一、予定の航空機に間に合わないことになると、その後の行程がすべて崩壊してしまいます。絶対に運休や遅延がないよう祈っていましたが、そのおかげか予定どおりの時間に到着することができました。

 中部国際空港駅で撮影した写真です。あらためて見ると、昨年6月の北海道旅行の際の写真とほぼ同じものですね。旅行行程の一部が前回と重なっているため、どうしても同じような写真になってしまいます。

 中部国際空港 到着後、今回も出発前にスカイデッキに行ってみました。駐機場にはいろいろな航空会社の機体が並んでいます。この時間帯は各地への出発便が多いようで、JALANAだけでなく、SKYMARKやPeach、遠くにはFDAの機体も見えます。ちなみに今日の天候は曇りで夕方からは雨の予報です。北海道内の一部には雪の予報もあったことから、運航への影響も心配されましたが、フライトは予定どおりということで安心しました。ちなみに僕は今回もJALを利用します。搭乗前ということで、何だか変に緊張してきました。とにかく無事に新千歳空港に到着することを祈るばかりです。

 保安検査を無事に通過しました。いつも思うのですが、中部国際空港の国内線の保安検査は、何故にあんなに混むんでしょうかね? 混み合う時間帯であることは承知していますが、それにしてもひどい混雑です。僕はかなり時間に余裕を持って保安検査場に向かいましたが、列がなかなか進まず、かなり焦りました。何とか改善してほしいものです。

 さて、無事に機内に着席しました。座席は今回も窓側座席です。別に通路側でも問題はなかったのですが、鉄ヲタのクセが身についており、つい窓側座席を選んでしまいます。機内では特にやることもなかったので、窓から見える外の景色を撮影したりしました。

 こうした風景を眺めていると、自分が雲の上にいることがよく分かります。今日から3日間、このような青空が続くと嬉しいのですが、こればかりはどうしようもありません。機内ではちょくちょくJR北海道の運行情報をチェックしましたが、少なくともその時点で運休などの発表はされていませんでした。それにしても、やはり航空機は何となく落ち着きません😞。僕に空の旅は向いていないようです。

 

新千歳空港から快速エアポートに乗車

 ほぼ定刻に新千歳空港に着陸しました。窓の外には雪景色が広がっています。北海道に来たことをあらためて実感した瞬間です。

 航空機を降りたらそこは北海道ということで、これまで経験のないような寒さを覚悟していましたが、気合を入れて厚着をしていったことが功を奏して、震えるような寒さは感じませんでした。

 新千歳空港駅では、今回の乗り鉄旅で使用する乗車券類を引き換えておきます。ちなみに利用するのはJALダイナミックパッケージと同時に購入した「ひがし&きた北海道キャンペーンオプションパス」です。このオプションパスは、フリーエリア内の特急・快速・普通列車の指定席と自由席が乗り放題となります。なお、指定席の利用は、パス引換後に空きがある場合に限り指定券(SL冬の湿原号を除く。)の交付を受けることができます。僕もパスの引き換えと同時に、これから乗車する列車の指定券を発券してもらいました。

快速エアポートで使用されている733系:新千歳空港駅・札幌駅 2024/2/29

 そして新千歳空港駅から札幌駅まで乗車するのは、もちろん快速エアポートです。今回はオプションパスを利用するため、追加料金なしで指定席を利用できることから、もちろん下の写真にある4号車の指定席「uシート」を利用します。車両は733系です。快速エアポートには733系の他に721系が使用されていますが、733系による更新が進んでいるようで、721系はかなり数を減らしている印象です。

 車内はこんな感じです。昨年6月の北海道旅行の際の記事にも似たような写真を掲載していましたね。733系の自由席はロングシートですが、指定席の「uシート」は特急列車並みのリクライニングシートとなっています。ウイークデーの日中ということもあり、僕が乗車した快速エアポート107号の指定席利用者はまばらでした。時期によっては満席になることもあるかもしれませんが、新千歳空港駅から札幌駅までは40分弱なので、中にはロングシートの自由席で十分だという方もいらっしゃると思います。

 

札幌駅周辺を散策

 札幌駅に到着です。意外にも札幌市内は晴れていました☀。僕が札幌を訪れるのは、2019年6月と昨年6月に続き3回目ですが、実は札幌駅周辺を観光したことはなく、いつも乗り換えでの利用ばかりです。今回は、次に乗車する特急「おおぞら」の発車時刻まで3時間くらい余裕があるので、駅周辺を少し散策してみることにしました。

インゾーネテーブル(inZONE TABLE)でランチ

 まずは腹ごしらえということで、札幌ステラプレイス6階にあるインゾーネテーブル(inZONE TABLE)さんにやってきました。

 Webページの情報によると、道産牛ロースト肉を細粒塩や山わさび、オリジナルソースでいただけるということで期待大です。お肉の部位も選ぶことができるそうで、僕はリブロースを注文しました。

 店内は実にスタイリッシュで、デザイン性の高い雰囲気まではよかったのですが、好みから言わせてもらうと、料理については正直言って、僕が期待していたものではありませんでした。1回しか利用していないお店を初見だけで酷評してはいけないかもしれませんが、肝心のロースト肉がいま一つで、とても噛み切れないような粗悪な部位が混ざっていました。これにはガッカリです。たまたま運悪く僕に提供されただけかもしれませんが、期待が大きかっただけに残念でした😥。

札幌市時計台を見学

 食事を終え、気を取り直して、駅から少し外を歩いてみました。歩道の多くは除雪されているものの、交差点などには多くの雪が残っています。中には雪がシャーベット状になっている所もあるため、ひっくり返らないよう慎重かつゆっくりと歩くようにしました。

 そして駅から歩いて10分くらいのところに、あの有名な札幌市時計台があります。テレビなどでは何度も見ていますが、実物を見るのはこれが初めてです。

 この建物は、旧札幌農学校の兵式訓練や入学式・卒業式などを行う中央講堂として1878年明治11年)に建設されたものなんだそうです。旧札幌農学校と言えば、“Boys,Be Ambitious「少年よ、大志を抱け」”の言葉で有名なクラーク博士ですよね。というか、僕にはそれくらいの知識しかありません。入館料を支払えば建物内を見学することができますが、時間も限られているので、僕は外観だけにしました。

六花亭でスイーツタイム

 北海道土産の定番と言えば、やはり「白い恋人」ですよね。僕も大好きなお菓子の一つです。その「白い恋人」と並んで北海道を代表するお菓子が、六花亭の「マルセイバターサンド」です。オリジナルの花柄の包装紙はあまりに有名で、あの花柄を見れば誰しも六花亭を思い浮かべる程だと思います。そんな六花亭の本社は帯広にあるそうですが、札幌駅近くに直営店舗があり、喫茶スペースもあると聞いたので行ってみることにしました。

 六花亭札幌本店は大きなビルで、1階がお菓子やお土産の販売店舗、2階が喫茶室です。喫茶室は平日にも関わらず満席で、すぐには利用できそうにありませんでしたが、喫茶室前にスタンディングのイートインコーナーもあり、こちらであればすぐに利用可能とのことだったので、こちらでホットチョコレートとアイスサンドをいただきました。

 ホットチョコレートは非常に濃厚で、冷えた身体が温まります。これと一緒にいただくアイスサンドもバターサンドのような風味があり、とても美味しかったです。幸せなひと時を過ごすことができました。やはり、甘いものはいいですね😊。

 

札幌駅から特急おおぞらに乗車

 再び札幌駅に戻ってきました。昨年6月に撮影した写真とはちょっと異なるアングルから駅をパシャリ📸

 明日はいよいよ「SL冬の湿原号」に乗車するのですが、その始発駅である釧路駅まで今日中に移動します。その方が明日の朝ゆっくりできますからね。実は2019年6月にも同じルートで釧路に行きましたが、その時は途中の帯広で下車して宿泊したため、札幌駅からは特急「スーパーとかち」に乗車しました。今回は終点の釧路駅まで一気に移動するので、特急「おおぞら」に乗車します。

おおぞら号で使用されているキハ261系1000番台:札幌駅 2024/2/29

 現在、特急「おおぞら」はキハ261系1000番台の気動車で運行されています。所定は4両編成となっていますが、僕が乗車した7号は6両編成で、グリーン車が1両、普通車指定席が3両(所定は2両)、普通車自由席が2両(所定は1両)となっていました。最近、北海道内はインバウンドによる外国人観光客による需要が非常に多いようで、僕が乗車する列車の指定席もほぼ満席とのことでした。一方の自由席はというと、かなり余裕があり、指定席ほどの混雑はありません。これならば明らかに自由席の方が快適です。

 普通車の車内の様子です。全体的に明るく清潔感があり、特急列車に相応しい内装となっています。座席幅も広めで上下可動式の枕もあり、普通席にしては贅沢な座席となっているため、ちょっとしたアップグレード感が伝わってきます。長時間の乗車でも快適に過ごすことができるよう座席周りや車内設備も工夫されているようですが、モバイルコンセントがない点はちょっと残念でした。

対向列車待ち合わせ中のキハ261系1000番台:トマム駅 2024/2/29

 上の写真は、途中駅であるトマム駅での停車時間を利用して撮影したものです。実はこの時点で定刻よりも10分くらい遅延しており、ここトマム駅で列車の行き違いを行うこととなったようです。ちなみにトマム駅では多くの乗降がありました。

 夕陽を浴びるキハ261系1000番台もなかなかカッコイイですね。ラベンダーやライラックの花をイメージした紫色と、菜の花畑をイメージした黄色の組み合わせはオリジナル感に溢れるカラーリングで、北海道らしさが感じられます。

札幌からの長旅を終えたキハ261系1000番台:釧路駅 2024/2/29

 途中は車窓からの風景を撮影するなどしていましたが、後から確認してみると、ほとんどまともに写っていませんでした。やはり走行中の車内から撮影するのは難しいですね。

 そうこうしているうちに、終着の釧路に到着しました。札幌駅からは約350kmで約4時間20分の乗車です。久しぶりに長時間にわたる乗車を楽しむことができましたが、これこそが北海道の乗り鉄旅の醍醐味というものです。大満足です😃。

 今日の乗り鉄旅はここまでです。明日は再び釧路駅から釧網本線に乗車します。最新の天気予報によると明日は午後から雪のようで、「SL冬の湿原号」が無事に運行されるか気になるところですが、ひとまずホテルで休息を取り、明日の乗り鉄旅に備えたいと思います。

>>(2)に続く

大阪“グルメ”旅に行ってきました(今年4回目)

 今年も残すところ、残り2日となりました。毎年この時期になると思うことですが、1年という月日が過ぎるのは実に早いものです。学生時代には1年という期間が長く感じられましたが、就職して社会人になってからはあっという間に1年が過ぎていきます。インターネットで調べてみると、「ジャネーの法則」というものがあるそうで、何でも「人生のある時期に感じる時間の長さは、年齢の逆数に比例する」んだそうです。つまり人生の残り時間が少なくなればなるほど、1年が短く感じられるという法則で、これが正しいとすれば、僕が今後の人生で過ごす時間は、体感的にさらに早く感じられるということになります。ちょっと恐ろしいですね。実際、5年後、10年後にはどうなっているのでしょうか… あまり考えたくありません。

 さて、そんな今年1年を振り返ると、いろいろなことがありました。仕事面では4月から3年ぶりに新しい職場での勤務となりましたが、出勤早々に原因不明の体調不良となり、周囲の方にご迷惑をおかけしたことは、今でも申し訳なく思っています。体調管理には常に気をつけなければならないことを、改めて思い知らされました。

 一方で、プライベート面では大きなトラブルもなく、充実した日々を送ることができたと思います。乗り鉄旅を思い起こすと、“10時打ち”で確保し、念願だったウエストエクスプレス銀河のファーストシートに乗車することができましたし、季節限定で運転される急行「花たびそうや」にも乗車することができました。また、9月に会津若松を往復した際には、運行を開始したばかりの東武鉄道スペーシアXにも乗車し、コックピットラウンジでの乗り鉄旅を楽しむことができました。北は北海道稚内駅から南は鹿児島県指宿駅まで、様々な地域を訪れることができた1年だったと言えます。

 ところで僕は、今日から年末年始の長期休暇が始まります。昨年は家庭の事情で旅行はできませんでしたが、今年はどこかに行こうと考えたところ、ヤフオク!に出品されていた近鉄株主優待乗車証(沿線招待乗車券?)の2枚セットが目に入りました。この時期になると、利用期限が12月末の乗車証が多数出品されており、いつもより安価な値段で落札することができます。この乗車証は、区間や距離に関係なく1回の片道乗車(途中下車は不可)に利用することができるため、2枚あれば近鉄名古屋大阪難波間を往復することができる訳です。特に近鉄は今年4月に運賃改定を実施しており、近鉄名古屋大阪難波間の運賃は片道2,860円(往復5,720円)となりました。しかし12月中旬になると、乗車証の落札相場は1枚1,000円くらいになるため、これを使えば2,000円くらいで大阪まで往復できることになります。もちろん、特急列車を利用する場合には別途、特急料金が必要になりますが、それでも安価な乗車証が入手できるこのタイミングを逃すのはもったいないと思い、今年4回目となる大阪乗り鉄旅に行ってみることにしました。
 それでは早速、今回の旅行を紹介したいと思います。

 

 

近鉄名古屋駅から特急アーバンライナーに乗車

 近鉄名古屋駅にやって来ました。実は数日前に特急券を購入しようと、近鉄のインターネット予約・発売サービスで列車の空席状況を確認したのですが、名阪特急は午前出発便を中心にほぼ満席となっており、特に「ひのとり」のプレミアムシートは満席でした。まあ、人出が増える年末ですので当然と言えば当然です。僕はと言えば、今回は特に車両にこだわりもなかったので、甲特急は早々に諦めて乙特急である「アーバンライナー」を利用することにしました。「アーバンライナー」もレギュラーシートよりも先にデラックスシートの方が埋まりつつあり、最初に確認した時点ではレギュラーシートにしか空席がない状態でした。という訳でレギュラーシートに乗車するつもりでしたが、その後にキャンセルが発生したようで、結果的にはデラックスシートの1人掛け座席を予約することができました。

 そんな状況から、当日は名古屋駅も相当混雑しているのではないかと想像していましたが、実際には改札口付近に目立った混雑はありませんでした。特急券チケットレス化が進み、また交通系ICカードの利用が増えることで、行列を生じさせないスムーズな移動が実現しているのだと思います。

 大阪難波行きの「アーバンライナー」は5番線から発車します。僕が駅に到着した際には、すでに21000系の「アーバンライナー」が入線済みで、折り返し運転のため車内清掃が行われている最中でした。最繁忙期ということで、今日は8両編成です。名古屋駅の5番線ホームで8両編成の車両を撮影しようとすると、大阪難波方の先頭車両はホーム端ギリギリって感じですね。

名阪乙特急で活躍している21000系アーバンライナー近鉄名古屋駅 2023/12/29

 乙特急は名古屋を発車すると、桑名、四日市と停車していきます。途中の津では乗務員交代のため、他の駅よりも停車時間が長かったので、ちょっとホームに降りて車両を撮影してみました。津駅で写真撮影したのは初めてかも知れません。

 僕は進行方向最後尾となる1号車に乗車しており、その他の号車の車内の様子までは分かりませんが、明らかにいつもより乗客は多く、ほぼ満席です。当初はレギュラーシートで予定していたものをデラックスシートに変更しましたが、やはりデラックスシートはいいですね。しかも1人掛け座席なので、満席に近い車内であっても隣の席の方が気になることはありません。さらに一番後ろの座席だったので、リクライニングも気にせず利用することができ、優雅に乗り鉄旅を楽しむことができました。

 そして「アーバンライナー」のデラックスシートに気持ちよく揺られること約2時間20分、大阪難波駅に到着しました。記念にホーム端からパシャリ📸

 

かに道楽道頓堀本店でかに御膳

 せっかく難波に来ましたので、道頓堀に行ってみることにしました。今日は晴天とは言えませんが、屋外を歩いていてもそれほど寒く🥶は感じません。あまりに寒かったり、雨が降ったりしていると、それだけでテンションが下がってしまうので、そうならずよかったです。ちょっと昼前の早い時間ですが、せっかくなのでここでランチをいただくことにしました。

 以前の大阪旅行の際には、大阪名物の串カツをいただいたことがあります。今回も大阪らしいものがいいなと思いながら戎橋界隈をぶらぶらしていると、大きなカニ🦀の立体看板が見えてきました。もちろんあの有名な「かに道楽」です。

 大阪を代表する飲食店と言えば、やはり老舗ふぐ料理店「づぼらや」とこの「かに道楽」ですが、「ずぼらや」は数年前に閉店してしまったそうです。やはり新型コロナウイルス感染症拡大による自粛要請の影響なのでしょうか。一方で「かに道楽」の道頓堀本店は今でも営業を続けてくれています。年末になると、人はなぜかカニが食べたくなるものです。そこで今回は「かに道楽」さんでランチをいただくことにしました。

 いつものとおり食レポはありませんが、僕としては、かにシューマイとかに釜飯が特に美味しかったです。特にかに釜飯はお茶碗2膳分あり、1杯目はそのまま釜飯としていただき、2杯目は薬味を入れてお茶漬けとしていただくことができました。3,960円のコース料理で、ネットの評価では「ちょっと物足りない」という声もあるようですが、僕にはちょうどいい量で、値段相応の十分に満足できるものでした。ちなみに今回は、2階のお座敷席に案内されましたので、道頓堀川に面した座席から大阪らしい賑やかな風景を眺めながらランチを楽しむことができた点もグッド👍でした。

 

メルカパーラーでフルーツたっぷりのミルクレープ

 道頓堀で食事を終えた後は、地下鉄を利用して梅田に移動しました。難波周辺もそうですが、梅田周辺も人出が多く賑わっています。(下の写真は御堂筋線梅田駅の改札内ですが、これはたまたま混雑しているようには見えませんけどね…)

 梅田では、僕がいつもお世話になっているMくんに会い、お互いに近況を話したりしながら楽しい時間を過ごしました。ちなみにMくんは僕より年下ですが、頑張り屋さんのしっかり者で、なかなか殊勝な人物です。知り合って以来、年に2〜3回くらい顔を合わせていますが、最近は仕事だけでなく、趣味の面でも精力的に活動されているようなので、僕も負けないように頑張らないといけません。

 そしてMくんと分かれた後、大阪駅にやって来ました。実はこの後、期間限定で開催されている「御堂筋イルミネーション」を鑑賞するため、2階建てのオープンデッキバスに乗車するツアーに参加するのですが、そのバスが大阪駅から発車するため、バス乗り場に向かうという訳です。しかし、発車時刻までまだ余裕があり、ちょっと小腹がすいたので、ルクア大阪の地下にあるメルカパーラーに行ってみることにしました。

 メルカパーラーは、各種フルーツやスイーツを提供する人気店で、時間帯によってはフルーツ食べ放題のビュッフェなどもあります。今回は気になっていたミルクレープをいただくことにしました。メルカパーラーの店内はなかなかお洒落で雰囲気がよさげということで期待していたのですが、この時間は予約の方で満席ということでした😭 今回は席が空くのを待つ時間もないため、店舗前にあるフリースペースを利用しました。フリースペースにはちょうど空きがあったのでラッキーでした😊

 ミルクレープには、使用されているフルーツによっていつくかの種類があるようですが、夕方ということで2種類しか残っておらず、その中からドラゴンフルーツのミルクレープを選びました。思った以上にボリュームがありましたが、クリームはあっさりしててしつこい甘さではありません。僕はドラゴンフルーツを初めて食べましたが、どのフルーツ🍓🍌🥝🍇も美味しかったです。

 

「御堂筋イルミネーション」を楽しむオープンデッキバス OSAKA SKY VISTAに乗車

 ここからいよいよ「御堂筋イルミネーション」を鑑賞するため、オープンデッキバス OSAKA SKY VISTAに乗車します。大阪・光の饗宴2023の開催期間中、1日3便運行されており、僕は今回、16時50分に発車する第1便に乗車します。数日前にインターネットで座席を予約しましたが、すでに残り1席となっており、人気ぶりが伺えます。大阪駅の高速バス乗り場で待つこと数分、2階建ての赤い大きなバスがやって来ました。

 そう言えば以前、クリスマス時期に東京都内のイルミネーションスポットを巡るオープンデッキバスに乗車したことがありますが、大阪でイルミネーションを鑑賞するのは初めてのことです。大阪駅出発直後はまだ日が暮れておらず大丈夫かなと心配しましたが、ガイドさんによるアナウンスもあり、オープンデッキバスからはイルミネーション以外の車窓も大パノラマで楽しむことができました。走行中のバスからは、なかなかうまく写真撮影できませんでしたが、今回のツアーで鑑賞したイルミネーションの一部を紹介したいと思います。

 難波方面から梅田に戻る途中の阪神高速道路上には、御堂筋のイルミネーションを上から眺められる絶好の撮影スポットがありましたが、走行中のバスの車内から見ることができるのはほんの一瞬だったため、残念ながら写真に収めることができませんでした。バスは途中の交通渋滞によって少し遅くなり、予定よりも15分くらい遅れて大阪駅の高速バス乗り場に帰って来ました。

 

大阪難波駅から特急ひのとりに乗車

 再び大阪難波駅に戻り、ここからは帰路につきます。実は旅行計画当初、18時30分発の「アーバンライナー」に乗車する予定でしたが、バスの到着がが少し遅れた上に、難波での買い物にも手間取ってしまったため、急遽、19時発の「ひのとり」に変更することにしました。インターネット予約・発売サービスを利用すれば、こうした列車変更もスマホひとつで簡単にできるので、とても便利です。直前の変更でしたが、レギュラーシートに多少の空席があって本当に助かりました。

 乗車する「ひのとり」は1番線から発車します。奈良方面に行く列車も同じホームのため、大阪難波駅の1・2番線は3〜4分おきに列車が発着しています。行き先が異なる多くの列車が頻繁に行き来しており、何となく名鉄名古屋駅に似ています。

名阪甲特急で活躍している80000系ひのとり:大阪難波駅 2023/12/29

 思いがけず「ひのとり」に乗車することになりましたが、やはりカッコイイですね。つい見惚れてしまいます。実車を見ると、プレミアムシートに惹かれてしまいますが、今回はレギュラーシートに空席があっただけでもラッキーな状況なので、贅沢を言ってはいけません。僕は5号車の通路側座席を利用します。

 上の写真は、僕が着席した座席から車両前方を撮影したものです。「ひのとり」のレギュラーシートと言えば、後方に気兼ねなくリクライニングが利用できるバックシェルを備えた座席が最大の特徴ですが、その他にも様々な充実した機能があります。例えばテーブルには、バックシェルの背面に装備されているテーブルと肘かけに装備されたテーブルの2種類があり、用途によって使い分けることができます。もちろん 各座席にはモバイル用コンセントがあり、高さ調整機能付きのフットレストも完備しています。また、2人掛け座席の中央には肘掛けがありますが、各座席ごとで独立したものとなっているのも大きな特徴のひとつと言えます。こうした車内設備の充実ぶりは、やはり最新型特急ならではと言えます。

 車内では、発車早々にお弁当をいただくことにしました。大阪土産と言えば、551蓬莱の豚まんが有名ですが、551蓬莱では一部店舗でお弁当の販売も行っており、大阪難波駅近くにあるなんばウォーク店でも、いろいろな中華のお弁当を購入することができます。を僕は天津飯が好きなので、今回は天津飯弁当をチョイスしました。たっぷりあんのかかった天津飯のほか、鶏の唐揚げ、小エビ天、甘酢団子、焼売そしてエビ焼売といった人気惣菜が一同に介したお弁当です。出来たてということもあり、天津飯の卵がふわふわで、おかずも種類豊富で大満足のお弁当です。ちなみに飲食の際には、周囲の乗客の方に迷惑とならないよう、気を付けながらいただくようにしました🙇

 食後は名古屋までの車窓を眺めたいところですが、今回は通路側座席ですし、外はすでに真っ暗です。車内では今日撮影した写真の整理をするなどして残りの時間を過ごし、予定どおりに名古屋駅に到着しました。

 

乗車券類の紹介

 それでは最後に、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類を紹介します。とは言っても、株主優待乗車証は手元に残していないため、往路と復路の特急券しかありません。

 いつものとおり、乗車前に駅の窓口で発券していただきました。「アーバンライナー」ではデラックスシート利用時の特別車両料金520円が、「ひのとり」ではレギュラーシート利用時の特別車両料金200円がそれぞれ加算されています。他社の料金体系を見ると、レギュラーシートに特別車両料金が必要となるケースは珍しいものと言えますが、「ひのとり」の充実した車内設備を踏まえれば、200円程度の負担は当然と言えるかもしれません。

 今回の大阪旅行は以上のとおりです。今年は例年よりも大阪を訪問する機会が多く、近鉄特急には何度もお世話になりました。今年の乗り鉄旅は今日が最後となりますが、実はすでに来年1月の乗り鉄旅に向けて計画を進めているところです。久しぶりの大きな乗り鉄旅となりますので、今からすでにドキドキ🤩ワクワク😃しています。来年も乗り鉄旅をグログを通じて紹介させてもらいますので、引き続きよろしくお願いします。今年1年、ありがとうございました🙇

SL「D51復活35周年水上」に乗車する水上往復乗り鉄旅

 国内には、動態保存されている蒸気機関車(SL)がいくつかあります。日本の最初期のSLは、今から約150年前の1872年に新橋―横浜間の開業に使用されたもので、これはイギリスから輸入されたんだそうです。その後、国内において次々と鉄道網が整備されていき、各地で旅客用や貨物用としてSLが運用されるようになった訳ですが、時代は動力近代化へと進み、電気機関車ディーゼル機関車に置き換えられる形で、次第に淘汰されることとなり、現在では復活を成し遂げた一部のSLがその姿を残すのみとなりました。

 全国的に有名なSLとしては、山口線新山口-津和野間)を走る「SLやまぐち号」や磐越西線(新津-会津若松間)を走る「SLばんえつ物語号」などがあり、JR北海道が冬季に釧網本線(釧路-標茶間)で運行する「SL冬の湿原号」や、JR九州肥薩線(熊本-人吉間。ただし、肥薩線の一部区間不通の影響により現在は鹿児島本線鳥栖-熊本間)で運行する「SL人吉」なども人気を集めています。

 僕が住んでいる愛知県内には、残念ながらSLが運行されている路線はありませんが、お隣の静岡県にある大井川鐡道は40年以上も昔からSLの動態保存に取り組んでおり、週末を中心に多くの列車を運行しています。特に2014年7月から運行を開始した「きかんしゃトーマス号」は爆発的なヒットとなり、一時期は指定席券を確保するのが困難となるほどの人気列車となりました。僕も一度は乗ってみようと思い、2018年に初めて「きかんしゃトーマス号」に乗車しています。

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 大井川鐡道では、「きかんしゃトーマス号」のC11形の他に、貴重なC10形やC56形も活躍しており、全国各地から多くの鉄道ファンを集めています。SL人気で不動の地位を確立したと思われた大井川鐡道ですが、2020年春には新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いSL急行の運休を余儀なくされ、さらに2022年9月には台風15号による土砂災害の影響で大井川本線は大きなダメージを受けて、現在でも川根温泉笹間渡-千頭間では運休(SLは新金谷-家山または川根温泉笹間渡間でのみ運行)が続いている状況です。

 また、関西方面に目を向けると、北陸本線米原木ノ本間)では以前から「SL北びわこ号」が運行されてきましたが、こちらも新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年春季から運転を休止し、客車の老朽化などの事情もあって、2021年5月に運行終了が発表されています。

 さらに今年度になってからは、釜石線で活躍していた「SL銀河」が6月に定期運行を終了しており、また、先に紹介した「SL人吉」も2024年3月に引退することが発表されています。僕は「SL銀河」「SL人吉」のどちらにも乗車したことがありますが、どちらもSLの醍醐味が感じられる素晴らしい列車で、大人も子供もすべての年代が楽しめる魅力的なものでした。もし時間を戻すことができるのであれば、もう一度と言わず何度でも乗車してみたいと思うほどです。

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 そんな感じで、観光資源としてのポテンシャルは高いものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響や車両(客車)の老朽化、また、鉄道会社によっては自然災害の影響などもあり、SLを取り巻く環境は、今まで以上に厳しさを増しているような気がします。また、SLを維持・管理するためには、通常の電車や気動車よりも多くの人手と費用が必要になるでしょうから、動態保存されているSLがこの先どこまで維持されるものか、その動向を不安視する声が聞こえてくるのも無理のないことです。

 しかしその一方で、ちょっと明るい話題があるのも事実です。一つ目は東武鉄道が2017年に約50年ぶりにSLの運行を復活させたことです。大手私鉄としてはおそらく初の試みで、この取り組みが他の大手私鉄にも波及するとは思いませんが、「SL大樹」は人気を博しており、鬼怒川線下今市鬼怒川温泉間)の利用促進や鬼怒川地区への集客に大きく貢献しているようです。そして二つ目はJR東日本保有するD51形498号機が、今年で復活から35周年を迎えるということです。もともとD51形498号機は戦前の1940年に落成された機関車で、その後は一度引退したものの、1988年に復籍しています。D51形は「デゴイチ」の愛称で親しまれており、SLの代名詞的存在でもあります。JR東日本では、これまでも復活からの節目の年に記念列車を運行してきましたが、今年も「D51復活35周年水上号」が運転されることとなりました。

 そして今回は、この「D51復活35周年水上号」に乗車する乗り鉄旅に行ってみることにしました。この列車の運転日は11月3・5・18・19日の計4日間で、運転区間はいずれも上越線(高崎―水上間)です。また、客車は高崎車両センター所属の旧型客車6両編成となります。本来であれば、乗車日の1つ月前の指定券発売日までに旅行行程などを準備しておけばよかったのですが、あいにく手配が遅れてしまったため、出発日は最後の運転日である11月19日としました。ちなみに「D51復活35周年水上号」には往復とも乗車するつもりです。そうと決めたら早速、指定券を確保しなければなりません。できれば往復とも進行方向の窓側座席を確保したいと思い、空席状況を確認しましたが、やはり窓側座席はほぼ埋まっていました😰 こまめに「えきねっと」で探っていると、たまに空席が見つかり、何とか往復とも希望の窓側座席を確保することができました。これで一安心です😊

 

今回の旅行概要

 では早速、今回の旅行行程を紹介したいと思います。

 「D51復活35周年水上号」は高崎9時56分発なので、これに間に合うよう、豊橋を朝一番に発車する「ひかり」に乗車して東京に向かいます。東京からは8時44分発の「はくたか」に乗車して高崎に行き、高崎から終点の水上まで「D51復活35周年水上号」に乗車します。水上では昼食や入浴を楽しんだ後、再び水上15時15分発の「D51復活35周年水上号」に乗車して高崎に戻り、さらに高崎からは「とき」に乗車して東京に向かい、東京から「こだま」に乗車するものです。メインはもちろん「D51復活35周年水上号」ですが、「ひかり」「はくたか」「とき」「こだま」と4つの新幹線にも乗車することになります。

 「D51復活35周年水上号」の乗車区間は上記のとおりですが、詳細なダイヤは次のとおりです。

 高崎―水上間は約2時間ですが、途中の渋川や沼田で8分から20分から停車するため、この時間を利用して写真撮影などを楽しむことができそうです。乗車日に向けて、日に日に期待が高まっていたのですが、前日の18日、たまたま鉄道関係のニュースを見ていると、次のような記事が目に飛び込んできました。

不具合で快速「D51復活35周年水上」の上下2本が運休 JR東日本高崎支社によると、18日午前8時半ごろ、上越線高崎駅構内でSL「D51復活35周年水上」の入れ替え作業中にD51蒸気機関車の保安装置に不具合が確認され、高崎発水上行き下り快速「D51復活35周年水上」と水上発高崎行き上り快速「D51復活35周年水上」が運休した。

 えー😭、まさかという感じです。こんなことがあるんですね。どうやら発車直前に不具合が判明したようで代替の機関車が手配できず、やむを得ず運休になってしまったようです。「D51復活35周年水上号」に乗車するため、すでに高崎で待ち構えていた方もいらっしゃると思いますので、実にお気の毒なことです。しかし、保安装置に不具合が発生したとのことですので、残念ですが仕方ありません。僕が乗車する19日の運行は大丈夫なのかと気になり、JR東日本のWebサイトを見てみましたが、これに関して特にお知らせはありません。果たしてどうなるのか、やや不安な思いを抱いたまま出発の日を迎えました。

 

豊橋駅から東海道新幹線に乗車

 予定どおり、豊橋から東海道新幹線に乗車します。朝一番の上り「ひかり630号」に乗車するのは久しぶりです。名鉄線から一旦、改札を出て新幹線改札口に向かうと、何やら人だかりがあります。どうやらこれから新幹線に乗車する団体旅行の方のようです。秋の行楽シーズン真っ只中ということで、ツアー客も多いのでしょうか? 記念に改札口付近をパシャリ📸

 豊橋駅では車両を撮影する時間がありませんので、終点の東京駅で撮影しました。この場所から新幹線を撮影するのは、最近の定番になりつつあります。手前が今回乗車したN700系のG編成で、隣にはN700SのJ編成が停車していました。

東海道新幹線の主役であるN700系とN700S:東京駅 2023/11/19

 そう言えば、東海道新幹線では10月末をもってワゴンによる車内販売が終了しました。これまで「のぞみ」や「ひかり」に長時間乗車した際には、何度かワゴンサービスを利用してアイスクリームを購入したことがありますが、もう利用できないと思うとちょっと残念な気持ちになります。グリーン車の乗客向けには、新たなモバイルオーダーサービスが開始され、今後も引き続き、食事や飲み物を注文することができるようですので、また機会があれば利用してみたいと思います。ちなみに今回は、いつも以上に早起きしたため、乗車早々に寝落ちしてしまい、モバイルオーダーサービスは利用しませんでした。

 

東京駅から北陸新幹線に乗車

 東京駅からは「はくたか555号」で高崎に向かいます。見出しを上越新幹線とすべきか北陸新幹線とすべきか迷いましたが、乗車したのが「はくたか」だったので、北陸新幹線としました。

 東京駅23番線の発車標です。折り返し運転のため車内清掃が行われているのですが、なかなか乗車開始の案内がなく、やっと乗車できたのは発車直前です。ホームで乗車開始を待つ間の時間を利用して、発車前の車両を撮影しました。

上越新幹線北陸新幹線の主役であるE7/W7系:東京駅 2023/11/19

 車両はもちろんE7/W7系です。営業運転されているJR東日本の新幹線車両の系列としては、最も新しいのがこのE7系です。東海道新幹線N700系は、白地に青いラインという伝統を継承したカラーリングで、安定感とスピード感に溢れるデザインとなっていますが、E7系の鮮やかで大胆な青色の配色と、これを縁取るかのような銅色のラインが引かれた先頭車両もまた、どことなく“和”の雰囲気が漂うカッコいいデザインです。

 ちなみに北陸新幹線は、皆様もご存知のとおり、来年3月16日に金沢―敦賀間が開業し、小松駅加賀温泉駅芦原温泉駅福井駅、越前たけふ駅、そして終点の敦賀駅が新たに新幹線停車駅となります。福井県にとっては待望の新幹線延伸開業であり、東京から福井県内まで乗り換えなしでアクセスできるようになるということで、大きな期待が寄せられているようです。僕も敦賀まで延伸した際には、一度はこの区間を乗車してみたいと思っています。

 今回は、高崎まで約45分の短い乗車でした。車内放送によると、指定席はすべて発売済とのことでした。僕は普通車指定席に乗車しましたが、おそらく自由席も相当混雑していたと思います。やはりこうした時期に旅行する際には、指定席を確保しておいた方が安心ですね。

 

高崎駅からD51復活35周年水上号(下り)に乗車

 高崎駅には予定どおりに到着しました。早速「D51復活35周年水上号」が発車する2番線に向かいます。発車標には乗車番線の案内が表示されているため、とりあえず運休はなさそうでホッとしました🤗

 ホームには、ちゃんと旧型客車が停車しています。今日は天候も良く、「D51復活35周年水上号」の最終日ということもあってか非常に賑わっています。

 そして気になるSLですが、やはりD51の不具合は解消されていないようで、C61形20号蒸気機関車がピンチヒッターとして牽引機を務めることになりました。C61形がD51形498号蒸気機関車の復活を記念する列車を牽引するというのは、確かに本来の姿ではありませんが、困ったときはお互い様ということで、こうしたイレギュラーな運用もありだと思います。

 早速、ホーム上を進んで先頭のSL付近に行ってみると、写真撮影する方でごった返していました。皆様が順序よく撮影できるよう、撮影を終えた方から場所を空けていただけるといいのですが、長時間に渡って場所を陣取っている方も多く、後から来た方はなかなか撮影できません。SLを撮影されたい思いはみんな一緒のはずですので、もう少しお互いを思いやる気持ちが欲しいですね。

D51復活35周年水上号を牽引するC61形蒸気機関車高崎駅 2023/11/19

 僕も、隙を狙って何とか撮影しましたが、ひどい逆光のため、先頭部は思うような写真とはなりませんでした😭 SLの撮影は他の車両よりも特に難しい感じがします。そしてヘッドマークには「D51復活35周年水上号」専用のものが掲げられています。C61形もまさか自分がこのヘッドマークを掲げることになるとは、思ってもいなかったでしょうね。

 客車は6両編成となっており、うち4号車にはフリースペースとして乗客が利用できるラウンジカーが組み込まれています。僕が往路で乗車するのは1号車で、進行方向最後尾の号車となります。ちなみに高崎車両センターの旧型客車は、昭和27年から29年頃に製造された客車ということで、70年近く昔の昭和レトロ感が漂う車両となっています。外観は茶色(ぶどう色2号)となっていますが、6号車のみ青色となっていました。上の写真は1号車ですが、半分が客室、もう半分が荷物室という変わった構造の車両です。

 続いて1号車の車内の紹介です。ご覧のとおり、座席はすべてボックスシートとなっており、ニス塗りされた木目が艶々しく輝いています。当然、冷房装置などなく天井に扇風機が設置されており、ひとたび車内に入って座席に座ると、昭和時代にタイムスリップしたかのような感じが味わえます。ちなみに僕は、ボックス内の進行方向の窓側座席でしたが、運よく同じボックス内に他の乗客はおらず、広々とボックス座席を利用することができました。

 高崎駅発車後は、新前橋、渋川、沼田と停車していきますが、停車時間に余裕があったので、各駅でC61形を撮影してみました。どの駅でも写真撮影する方が多くいらっしゃいました。

新前橋駅

渋川駅


沼田駅

 そして終点の水上駅には、若干の遅れで到着しました。途中には紅葉の美しい山々が見られる区間もあり、秋らしい風景を楽しむことができました。また、旧型客車は自分で窓を開けることができるため、トンネル以外の区間では、心地よい風を感じつつノスタルジックな乗り鉄旅を満喫できました。水上駅到着後、編成全体をカメラに収めたいと思い、向かい側のホームから撮影してみましたが、う〜ん、今ひとつの写真ですね😰

 ちなみにSLは復路での運行に備えるため、水上駅の先にある転車台で方向転換します。駅から3分くらい歩いたところにSL転車台広場があり、間近で転車風景を見ることができるため、下車後、僕も転車の様子を見学することにしました。

 

SL転車台広場で転車風景を見学

 SL転車台広場に着きました。さすがに水上はちょっと寒いですね。そんな中でも、転車台周りには転車風景を見ようという方が多くいらっしゃいました。また、人工芝が敷かれた空間には、D51形745号蒸気機関車が静態保存されていますが、このSLにも「D51復活35周年水上号」のヘッドマークが取り付けられていました。

 そしていよいよ転車風景を観察することにします。転車台付近に移動してちょっと待っていると、C61形がゆっくりと転車台に向かって後退してきました。転車台上で停車したSLは時計回りで回転し、進行方向を変えます。

 巨大なSLが転車台の上でグルグルと回転する様子は、なかなか面白いものです。車両の方向転換には欠かせない装置ですが、実際に使用されているところを見られる場所は限られています。日本国内の例を見ると、やはりSL用として使用されている例が多いようですね。

 

手打ちそば処「やぶそば」で山菜天せいろ

 ここでそろそろ昼食をいただくことにしました。今回は事前に水上駅周辺の飲食店の情報を調べておき、手打ちそば処「やぶそば」さんを訪れようと決めていました。駅から少し離れた路地裏のような場所にあるお店ですが、美空ひばりさんをはじめ、多くの芸能人が足を運んだそば処だそうで、服部料理専門学校の校長で料理研究家である服部幸應氏からも「日本でも三本の指に入る」と評価された知る人ぞ知る名店なんだそうです。

 僕は、うどんもパスタもラーメンも、麺類はどれも好きですが、その中でも一番好きなのがお蕎麦です。お店に入ると店員さんから、山菜天せいろをオススメしてもらいましたので、これをいただくことにしました。

 実際にいただいた天せいろです。食レポは苦手なので丁寧な感想は省略させてもらいますが、麺は細目で歯ごたえがあり、風味豊かな香り高いお蕎麦です。さらに山菜の天ぷらは揚げたてで、最高に美味しいです。この天ぷらであれば、いくらでも食べられそうなくらいです。素朴ながら味わい深くまた、食べごたえもあり、大満足の昼食になりました。

 

水上館 坐山みなかみで日帰り入浴

 水上と言えば、やはり温泉♨です。利根川を見下ろし、谷川岳を見上げることができる温泉地で、水上駅周辺に位置しています。確かに利根川沿いを中心にいくつか温泉旅館が軒を連ねていますが、東京近郊から日帰り圏内に位置しているにも関わらず、何だか寂しく感じるところもあります。どこの温泉街もそうですが、団体旅行客の減少や旅行客のニーズの変化に伴い、やはり活気が失われつつあるのでしょうか。

 そんな中でも、いくつかの温泉旅館では日帰り入浴のサービスを行っており、気軽に水上温泉を楽しむことができるのはありがたいことです。僕は今回、復路での「D51復活35周年水上号」の発車時刻までの時間を利用して、水上館 坐山みなかみで日帰り入浴を楽しむことにしました。

 フロントで手続きを済ませて、浴場に向かいます。男湯は「水晶風呂」という施設で、奥利根ひばの風呂や樽型露天風呂もあるとのことでした。大浴場好きの僕にとっては期待が高まります。

 脱衣場から先はさすがに写真撮影できませんが、結構多くの方が利用しており、なかなかの人気ぶりが伺えます。僕は身体を洗ってまずは内湯である水晶風呂に入りましたが、思ったよりも熱かったです🥵 せっかくなので、ひばの風呂と露天風呂も利用しました。今日はここまで歩き疲れた感もあったのですが、お湯に浸かって身体も温まり、気分的にもサッパリしました。やはり温泉はいいですね。

 

水上駅からD51復活35周年水上号(上り)に乗車

 さて、水上駅に戻ってきました。ちなみに水上駅の外観はこんな感じです。駅前には飲食店やお土産物屋さんが数軒あります。僕もここで、家族へのお土産としてかりんとう饅頭を購入しました。

 改札を通ってホームに向かう跨線橋を渡っていると、ちょうどSLの付け替え作業を行っていました。湯檜曽方から来たC61形が1番線を通過して一旦、上牧方に移動し、転線してバックしながら2番線に入線してきます。ここで客車と連結し、出発準備が完了します。ホーム上には、SLと客車との連結作業を一目見ようという方が大勢いらっしゃいました(僕もその一人です)。ここでも記念にパシャリ📸

D51復活35周年水上号を牽引するC61形蒸気機関車水上駅 2023/11/19

 そして乗車開始時間になると、ホーム上の方が次々と乗車していきます。上り列車は、1号車を先頭にして高崎を目指します。ちなみに僕は3号車に乗車しました。

 もちろん3号車も旧型客車で、すべての座席がボックスシートですが、車内の様子を見ると、往路で利用した1号車とは若干、内装が異なっています。1号車は座席が青色でしたが、3号車の車両は緑色です。そして、窓側には小さなテーブルもあります。荷棚や窓枠も1号車とは微妙に違っており、復路はまた違った気分で乗り鉄旅を楽しむことができそうです。そして15時15分、定刻どおりに水上駅を発車しました。

 僕の隣の通路側は空席でしたが、向かい側には小学校低学年のお兄ちゃんとその妹さん、それにおふたりのお母さんが3人で乗車されていました。聞こえてくる話し声から、どうやら往路は親戚の方と一緒に高速道路で水上まで来て、その親戚の方を水上に残して3人で「D51復活35周年水上号」に乗車したようです。お兄ちゃんはSLに乗車したことが相当嬉しかったようで、終始はしゃいでいました。お兄ちゃん、きっと将来は乗り鉄ですね。

 上り列車も往路の下り列車と同様、後閑、沼田、渋川、新前橋に途中停車しますが、このうち沼田と渋川では数分の停車時間があります。往路でも撮影したところですが、復路でもC61形を撮影してみました。

沼田駅

渋川駅

 そう言えば、まだ4号車にあるラウンジカーを紹介していませんでしたので、ここで車内の様子をお伝えしたいと思います。ラウンジカーは主に物販用スペースとフリースペースに分かれており、物販カウンターではお菓子やドリンク、SLグッズが販売されています。フリースペースにはカウンター席と広めのボックス席があり、どちらもテーブルが設置されているため、お弁当を食べたりする際には利用したいですね。

 復路の車内では、ちょうどアイスクリームの車内販売があったので購入しました。スジャータ製のバニラアイス、つまりはあの“シンカンセンスゴイカタイアイス”です。フタを開けて食べようとすると、予想を裏切らず、非常に固いです。スプーンを折らないよう気をつけながらチビチビ食べました。向かいの席のお兄ちゃんの視線がやや気になりました。

 高崎駅に到着しました。もう辺りは真っ暗です。D51形に代わり急遽、ピンチヒッターとして記念列車を牽引したC61形には大感謝です。最後の最後にもう一度、C61形を撮影しました。前照灯を点灯させた姿もカッコイイですね。

 

高崎駅から上越新幹線に乗車

 高崎からは、上越新幹線「とき334号」に乗車して東京に行きます。

 上越新幹線には現在「とき」「たにがわ」の2種類の列車があり、このうち「たにがわ」は主に東京−越後湯沢間の各駅停車としての役割を担っており、「とき」は東京−新潟間を中心に運用されています。上越新幹線が開通した頃、「とき」は速達タイプで、「あさひ」が各駅停車タイプとして運行されていましたが、いつしか「あさひ」はなくなり、上越新幹線区間を通して運転されるのは「とき」のみとなりました。ややこしいのは「とき」であってもすべての駅に停車する列車から大宮以外は無停車の列車まであることです。あまり列車名ばかり増やしてもかえって混乱するということも考えられますが、愛称に区別があってもいいのかなと個人的には思っています。ちなみに今回乗車した「とき334号」は各駅停車タイプでした。

上越新幹線の主役であるE7系:東京駅 2023/11/19

 高崎駅での停車時間はわずかで写真撮影できませんでしたので、東京駅到着後に撮影しました。ちなみに僕は、まだE7/W7系グランクラスに乗車したことがありませんので、いつかは乗車してみたいと思っています。

 

東京駅から東海道新幹線に乗車

 東京駅からは「こだま751号」に乗車しました。ちなみに東京駅18時33分発の「ひかり」は豊橋に停車するため、この「ひかり」号に乗車できると都合がいいのですが、時間的に無理でした。

 乗車する車両は久しぶりのN700Sです。最近は車両全体に占めるN700Sの割合も増えていると思うのですが、僕はめぐり合わせが良くないのか、あまり乗車する機会がありません。

こだま号としての運用に就くN700S:東京駅 2023/11/19

 車内に入ると、早速お弁当タイムです。東京駅での乗り換え時間が17分しかない行程としたため、お弁当は高崎駅で購入しておきました。高崎駅ではSLをイメージした駅弁(SLロクイチ物語・上州D51弁当)が販売されており、僕がお弁当を買いに立ち寄った時点でもまだ在庫がありましたが、今回は普通に「しらす弁当」にしました。“何も高崎で湘南鎌倉を代表するような駅弁を買わなくても…”と後から思いましたが、まあ気にしません。

 今回の乗り鉄旅では、豊橋―東京間の東海道新幹線区間グリーン車を利用しました。「こだま」号のグリーン車は比較的空いているイメージがありますが、今回乗車した「こだま」号もそのとおりで余裕がありました。ということで、車内の座席をパシャリ📸 やはりグリーン車の座席は重厚感がありますね。

 快適なグリーン車での乗り鉄旅を楽しむこと約2時間、豊橋に到着です。振り返ると「D51復活35周年水上号」の牽引機が急遽変更されるという想定外の事態はあったものの、計画した旅行行程どおりに今回の旅を終えることができ、ホッと一安心といった感じです。

 

乗車券類の紹介

 いつものとおり、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類をまとめて紹介します。

 豊橋↔東京間はJR東海ツアーズの乗車票です。片道あたり900円を追加すればグリーン車を利用できるため、ついつい贅沢をしてグリーン車に乗車してしまいます。東京→高崎と高崎→東京は、新幹線eチケットを利用し、高崎↔水上間は往復乗車券を購入しました。どちらでもいいようなことですが、東京―水上間の場合、高崎など途中駅で分割した方が運賃が安くなるようです。

 SL車内では、車掌さんが検札を実施されており、券面に専用のチケッターを押印してくださいました。今回はC61形が牽引機を務めたため、チケッターもC61用のものになっています。「D51復活35周年水上号」にC61専用のチケッターの押印は、貴重な組み合わせになったと思います。

 今回も長々と乗り鉄旅を紹介しました。季節はいよいよ冬になります。気温も下がって風も冷たい時期となりますが、寒さに負けず、仕事も乗り鉄旅も頑張っていこうと思っています。

VISONに行ってきました

 僕はこれまでの乗り鉄旅で、鉄道に乗車するだけでなく、お目当てのお店でのランチやスイーツなどを旅行行程に組み入れたグルメ旅も楽しんでいますが、そのほかに温泉などの入浴施設を利用することも好きです。過去には、289系「こうのとり」に乗車して城崎温泉に、HC85系「ひだ」に乗車して下呂温泉、681系「しらさぎ」に乗車して芦原温泉に、そして651系草津」に乗車して草津温泉に立ち寄るなど、日本でも有数の温泉地をいくつか訪問しています。中には、昼間から入浴するのは苦手だという方もいらっしゃるようですが、夏場であれば汗を流してさっぱりできますし、冬場であれば身体の芯まで温まってホカホカしながら過ごすことができるため、僕は日中に入浴することも旅先での楽しみのひとつとしています。

 最近は温泉地に限らず、街中にも大型スパ施設があったり、郊外の商業リゾート施設に併設されていたりと、様々な形で入浴を楽しむことができる施設が増えてきました。そんな中、僕が以前から行ってみたいと思っていたのが、三重県にあるVISONです。VISONは2021年4月にオープンした日本最大級とも言われている商業施設で、産直市場やホテルなどの宿泊施設、ランチからディナーまで幅広く堪能できるレストランなどがあり、さらには、木や森をテーマにした体験・体感型施設や薬草湯を体験できる入浴施設などもあります。遊びや癒し、そしてグルメがすべて集結した一大商業施設で、その敷地面積は何と東京ドーム24個分にも相当するという巨大なものです。

 実は愛知県からVISONに行く場合、名古屋(名鉄バスセンター)から新宮行きの高速バスを利用すれば、約1時間40分で到着できます。また、VISONはETC専用のスマートICと直結しているため、自家用車での移動も便利です。しかし僕はやはり乗り鉄なので、あえて鉄道を利用することにしました。鉄道を利用する場合、JR紀勢本線の栃原駅が最寄り駅となりますが、この駅は普通列車しか停車しない上に運転本数も非常に少なく、現実的ではありません。また、栃原駅からVISONまでは徒歩で30分以上かかりますし、VISONに行くための路線バスもありません。一方、松阪駅であれば、VISON行きの路線バスが発着しており、快速「みえ」や特急「南紀」、また賢島や伊勢方面に向かう近鉄特急も停車します。そこで今回は、名古屋―松阪間で鉄道を利用し、松阪―VISON間で路線バスを利用することにしました。後は鉄道区間でJR線を利用するか近鉄線を利用するかですが、ちょうど近鉄に「VISON往復きっぷ」という企画乗車券があり、路線バスも含めておトクに利用できそうだったので、近鉄を利用することにしました。

 それでは、VISON初訪問となる今回の旅を紹介していきたいと思います。

 

 

近鉄名古屋駅から伊勢志摩ライナーに乗車

 早速ですが、今回の旅の始まりとなる近鉄名古屋駅です。近鉄名古屋駅頭端式ホームの4面5線構造で、1番線は普通、2番線は準急、3番線は急行、4番線と5番線は特急となっています。僕が乗車する特急列車は5番線から発車するため、改札を通って5番線ホームに向かいました。ホーム上には、観光列車を含む現役の近鉄特急を描いたパネルが掲出されていました。

 こうして見ると、僕は一応、パネルに描かれている9種類の車両にはすべて乗車しています。ただし、16200系「青の交響曲(シンフォニー)」と26000系「さくらライナー」には1回だけしか乗車したことがないので、もう一度乗車してみたいところです。

 ところで今回は、松阪駅まで近鉄特急に乗車するわけですが、近鉄名古屋―伊勢志摩を結ぶ特急は『名伊特急』と呼ばれており、その車両は、いわゆる汎用特急のほか、アーバンライナービスタカー伊勢志摩ライナーなどが充当されています。僕は今回、時間的にちょうど都合がよい、近鉄名古屋駅を9時10分に発車する特急を利用することにしました。車両は23000系「伊勢志摩ライナー」で賢島行きです。

伊勢志摩ライナーの愛称で呼ばれている23000系:近鉄名古屋駅 2023/10/27

 僕が乗車する「伊勢志摩ライナー」が5番線に入線する直前には、隣の4番線に名古屋止まりの「伊勢志摩ライナー」が到着しました。ほどなくして5番線に賢島行きの「伊勢志摩ライナー」が到着すると、両番線に同じ赤色の「伊勢志摩ライナー」が並ぶこととなり、僕以外にもその様子を写真に収めている方がいました。

 近鉄名古屋発の「伊勢志摩ライナー」は、6号車を先頭にして3号車までがレギュラーシート、2号車がグループ利用のサロンシート、そして最後尾の1号車がデラックスシートになります。レギュラーシートかデラックスシートどちらにしようか少し悩みましたが、1人掛け座席にちょうど空席があったので、デラックスシートにしました。今日は平日で、しかも名古屋を9時台に発車する特急ということで、それほど混雑しないかと思いきや、レギュラーシートやサロンシートも含めて、車内はほぼ満席でした。これにはちょっとビックリです。指定された座席に座って車内を見渡すと、乗客の多くは観光客のようです。気候もいい時期となったので、旅行で伊勢や鳥羽に行かれる方が多いんでしょうか? そんなことを考えていると、列車は定刻に名古屋駅を発車しました。『名伊特急』は近鉄名古屋大阪難波間を結ぶ『名阪特急』と比べると停車駅が多く、桑名、四日市、白子と三重県内の主要駅に次々と停車しながら一路南下して行きます。三重県の県庁所在地である津に停車したあとは伊勢中川で、その次に停車するのは僕が下車する松阪です。名古屋から約1時間ということで、遠すぎず近すぎず、乗り鉄気分を味わうことができる乗車時間です。

 久しぶりに「伊勢志摩ライナー」に乗車したので、ちょっと車内探検をしがてら写真を撮影してみました。

 「伊勢志摩ライナー」の先頭車両は「アーバンライナー」と同様、パノラマデッキを備えており、運転席越しに前面展望を楽しむことができるようになっています。ただし、パノラマデッキという名称のとおり、前面展望を楽しむことができるのはデッキからで、「ひのとり」や「しまかぜ」のように座席に着席しながら展望を楽しむことはできません。僕は最後尾の1号車に乗車したので、少しの間、後方展望を楽しもうとデッキに移動しましたが、車掌さんが仕事をされているのをジロジロ見ていると思われるのも嫌だったので、長居はしませんでした。

 「伊勢志摩ライナー」の車内には、Sea Side Cafe(シーサイドカフェ)というスペースがあります。カウンターがあり、ひょっとしたら以前はここでドリンクやお弁当などを販売していたのかもしれませんが、現在は特に使用されていないようです。パノラマデッキ同様、ちょっとした気分転換の際に車窓を眺めながら過ごすのもいいかもしれません。

 ちなみに僕が利用した座席と、その座席から見た車内の様子はこんな感じです。モケット柄はベージュ色で、デラックスシートらしい落ち着きのある車内空間となっています。座席はもちろんリクライニングシートで、フットレストやモバイルコンセントも用意されています。1人掛け座席だと相席になることがなく、隣の方が気になることもないため、松阪まで快適な乗り鉄旅を楽しむことができました。

 上の写真は、松阪駅到着時に撮影した「伊勢志摩ライナー」です。僕の中で「伊勢志摩ライナー」のイメージカラーは黄色ですが、赤色は数ある近鉄特急の中でも新鮮な感じがしますし、なかなかカッコいいですね。

 

VISONを訪問

 松阪駅で賢島行きの「伊勢志摩ライナー」を見送り、改札を出て駅前にあるバス乗り場に向かいます。松阪駅には、近鉄側改札のある北口と、JR側改札のある南口があり、一瞬、どちらの改札に向かえばいいのか迷ってしまいました😰 初めて利用する駅でバスに乗車する際には、事前にバス停の位置と最寄りの改札口を調べておくべきですね。ちょっと焦っちゃいました。無事に改札口を出たところで、バスの発車時刻まで少し余裕があったため、松阪駅の駅舎をパシャリ📸

 ここから三重交通のバスに乗車してVISONに行きます。松阪駅前↔VISON間の移動は路線バス乗車を利用しておよそ40分で、なかなか乗りごたえがあります。電車に乗車する40分はあっという間ですが、路線バスだと長く感じるのは、なぜでしょうか? 乗車したバスは平日ということで乗客が少なく、VISONで下車したのは僕一人だけでした。

 VISONのバス停で下車してから少し歩くと、真正面にHOTEL VISONの特徴的な建物が見えてきました。バス停のあるエリア(アトリエヴィソン/スウィーツヴィレッジ)からHOTEL VISON側に移動するためには、まほろ橋と呼ばれる歩道橋を渡ることになりますが、橋の上からスウィーツ前広場を眺めると、まるで絨毯のような美しい緑が広がっています。

 VISONの園内を歩いていると、ペットを連れた方や車イスを利用されている方をよく見かけます。どうやらVISONの敷地内はペットがOKのようで、犬を散歩させながら園内の散策を楽しまれている方もいるようです。また、敷地内には一部に段差や高低差があるものの、緩やかなスロープ状の通路が整備された箇所もあるため、車イスでも比較的利用しやすいようになっています。また、健常者にとってもありがたいことに、高台にある本草エリアに向かう際には、屋外に設置されているエスカレータを利用することができるため、僕のような体力のない人間でも、ラクに移動することができるようになっていました。

笠庵 賛否両論で昼食

 さて、バス停から本草エリアまで移動してきた訳ですが、何故ここに来たのかと言えば、「笠庵 賛否両論」という日本料理のお店で昼食をいただくためです。「笠庵 賛否両論」は和食の笠原将弘シェフがプロデュースする日本料理レストランで、僕も以前からその名前くらいは聞いたことがありました。VISONを訪問しようと計画した際、どこか昼食にいいお店はないかとインターネットで調べたところ、「笠庵 賛否両論」が出店していることを知り、一度食べてみたいと思っていたので、今回利用することにしたものです。

 ちなみに「笠庵 賛否両論」は本草エリアにある本草湯が入った建物の中にあり、初見ではどこに店舗があるのか、とてもわかりにくいです。僕もここでいいのか?と迷ってしまいました。

 上の写真にある建物の右端部分が「笠庵 賛否両論」です。ちなみにこの建物は土足禁止となっているため、建物入口でまずは靴を脱がなくてはいけません。そして建物内を進むと、「笠庵」と書かれた暖簾が見えてきます。

 平日の少し早い時間ということで、待ち時間なく入店することができました。しかし、12時くらいになると観光バスで来た40人近い団体客の利用があったため、店内は一気に賑やかになりました。と言ってもまだ空席があったので、やはり平日であれば利用しやすいようです。

 入店後、メニューを見ながら何を注文しようかとちょっと悩みましたが、店員さんがおすすめする1日限定10食の『東紀州御膳』を注文しました。限定という言葉にはめっぽう弱い方です…

 見た目にも美しい御膳で、どれも美味しそうなものばかりです。色々な種類の料理が少しずつ何種類もいただけるのがいいですね。メインの焼八寸、揚物、蒸物、小鉢3種、鯛めしや赤だしの食事と、みかんを使ったゼリーもあります。使われている食材は東紀州産にこだわっているのでしょうかね。焼八寸の切り身魚も美味しい味付けでしたが、揚物の海老真丈が絶品でした。時間的にも余裕があり、ゆっくり時間をかけていただくことができ、今回も大満足の昼食となりました。

本草湯で入浴

 お腹を満たしたところで、次は同じ建物内にある本草湯で入浴を楽しむことにしました。ちなみに、本草湯ではレンタルでタオルの貸出しを行っているため、手ぶらでも入浴可能です。僕も今回は、事前にタオル類を用意していなかったので、貸出しのタオルを利用することにしました。

 受付で料金を支払ってタオルを受け取り入場すると、上の写真のような、とてつもなく広い湯上がりスペースが現れます。しかも竹をモチーフにしたようなオブジェが天井近くまで高くそびえており、まるで竹林の中に身体を置いているような感覚になります。小上がりの床は畳敷きで、ここで寝っ転がれば気持ちいいこと間違いありません。まさに癒やしの空間です。とは言ってもまだ入浴前なので、ここは素通りしてそのまま脱衣場に向かいました。

 男湯の暖簾をくぐると、脱衣場だけでなく、内湯も外湯も誰もおらず、僕だけの貸切状態でした。これだけ大きな浴場を独り占めできるのはもちろんうれしいですが、人がいなさすぎてかえって落ち着かないような気もします。本草湯には2種類の湯(水鏡の湯と光陰の湯)があり、それぞれに外湯と内湯があります。この「水鏡の湯」と「光陰の湯」は毎日男女が入れ替わりになっているようで、この日は「水鏡の湯」が男湯でした。薬草湯ということですが、それほどクセのある感じはなく、マイルドでやわらかなお湯といった感じです。外湯と内湯、ともに新しくて清潔感もあり、特に外湯は緑の山々を眺めながら入浴することができて気持ちいいものでした。普段は、どちらかといえば入浴時間が短めの僕ですが、内湯→外湯→内湯→外湯とはしごしてしまい、ついつい長湯してしまいました。

 入浴後は、先ほどの湯上がりスペースでぼーっとしながらひと休みです。広くて静かな空間に一人で佇んでいると、時間の流れが止まってしまったかのような不思議な感じがしてきます。何も考えずにただそこにいるだけで、心が落ち着いて来るのが分かります。本草湯では、本当に素敵な時間を過ごすことができました。

Confiture H (コンフィチュール アッシュ)でスイーツ

 本草湯を後にして、せっかくなのでVISONの敷地内を色々と散策しました。地図を見ると、さらに進んだところにオーガニック農園などの施設があるようですが、かなり距離がありそうだったので、サンセバスチャン通りや和ヴィソンエリアなどを見て回りました。

 先ほど下車したバス停側にもいつくかお店があるようだったので、まほろ橋を渡ってマルシェヴィソンエリアも見学しました。

 そしていつものように、VISONでもスイーツをいただくことにしました。ちょうどスウィーツヴィレッジと呼ばれるエリアにチョコレートやケーキを取扱うお店があり、今回はこれらの中からスイーツカフェの「Confiture H(コンフィチュール アッシュ)」を利用することにしました。ちなみにお店の外観は、こんな感じです。

 見た目では、スイーツカフェらしい感じがしませんが、正真正銘のカフェです。そしてこのお店は、パティシエとして有名な辻口博啓氏のパティスリーということで、味だけでなく、地産地消にこだわりを持った素材を使用しているのだそうです。また、見た目の美しさやその香りに至るまで、厳選された魅力あふれるスイーツ類が提供されるということで、自ずと期待も膨らみます。

 入店してショーケースの中に置かれたケーキを見ていると、その一つ一つが芸術作品のようで、どれにしようか本当に迷いました。迷い抜いた結果、プランセスというカシスのケーキに決めました。

 ご覧のとおり、見るからに美味しそうなケーキです。せっかくなので、一緒にりんごジュースも注文しましたが、ケーキとドリンクがよく合います。食レポは苦手な僕なので、詳細な表現はできませんが、上品でありながら味は濃厚でバランスがよく、このまま何個でも食べられるような感じです。贅沢してるな〜と自分でも感じながら、至福のひとときを過ごすことができました。

 この後は往路と同じく、路線バスに乗車して松阪駅に戻りました。帰りのバスも乗客が少なく、始発のVISONから乗車したのは僕一人でした。前のところで、VISONはペット連れの方も多いと書きましたが、そもそもVISONに来られる方の大半は自家用車なんでしょうね。

 

伊勢中川駅から汎用特急に乗車

 乗車した路線バスはほぼ定刻に松阪駅に到着しました。ここからは再び近鉄線を利用して名古屋に戻る訳ですが、ちょっと訳あって、松阪から伊勢中川までは急行列車を利用し、伊勢中川から近鉄名古屋まで特急を利用します。もちろん、松阪駅から特急に乗車することもできるのですが、たまたま近鉄のインターネット予約・発売サービス内のポイントが約1,200ポイントあり、これを特急券に交換して乗車しようと考えたからです。僕が保有していた約1,200ポイントでは、松阪―近鉄名古屋間の特急券に交換することはできませんが、これよりも距離が短い伊勢中川―近鉄名古屋間であれば、特急乗車区間が80km以内となり、ポイントの範囲内で特急券に交換することができるという訳です。一部のポイントが失効してしまう前に利用できてよかったです。

 ということで、まずは松阪から伊勢中川に移動します。改札を入ってホームに向かうと、ちょうど大阪難波行きの急行列車が入線してきたところでした。これに乗車して、特急乗車駅である伊勢中川に移動しました。伊勢中川駅で特急列車の到着を待っていると、名古屋行きの汎用特急が入線してきました。

近鉄の汎用特急である12400系:伊勢中川駅 2023/10/27

 僕としては、ACE(22000系)かAce(22600系)に乗車したいなと思っていましたが、結果としては12400系となりました。以前の汎用特急やビスタカーは、オレンジと紺の2色で塗装されており、これが近鉄特急を代表するカラーリングとして親しまれてきましたが、現在の新しい塗装は、クリスタルホワイトを基調としてブライトイエローが配され、ゴールドのラインが引かれたものとなっています。

 乗車中の車内の様子です。伊勢中川発車時点では、多くの窓側座席が埋まるくらいの乗車率でした。この後、津、白子、近鉄四日市、桑名、近鉄名古屋の順に停車していきますが、このうち津駅でたくさんの乗車があり、通路側座席もほとんどが埋まるくらいとなりました。乗客の方を見ると、往路とは異なりスーツ姿の方が多く、ビジネスでの利用と思われる方が目立ちました。そしてちょっと驚いたのが、近鉄四日市駅でも多くの乗車があったことです。自分が近鉄特急を利用するのは主に旅行時で、普段使いしていないため知らなかったのですが、時間帯によっては、短区間での利用がそれなりにあるんですね。

 12400系は車齢を重ねた車両ということで、正直に言って車内設備もACEやAceと比べると見劣りしてしまいますが、清掃などのメンテナンスが行き届いているようで、清潔感に欠けるようなことは全くありません。さすがは近鉄特急です。さらに座席のモケットは鮮やかなブルーで、車内も明るい感じにまとめられています。ちなみにこの座席、小田急ロマンスカーと同じで座席間に肘掛けがありません。座席幅が広く感じられるメリットもありますが、他の乗客と相席になる場合には、肘掛けで座席を区切りたい場合もあると思います。僕としても、どちらかといえば肘掛けがあった方がありがたいですね。

 往路と同じく約1時間の乗車で、無事に近鉄名古屋駅に到着しました。先頭車両の行先表示幕は、すでに回送になっています。今回は往復で異なるタイプの特急列車に乗車でき、充実した楽しい乗り鉄旅となりました。

 

乗車券類の紹介

 それでは、今日の乗り鉄旅で使用した乗車券類を紹介します。まずは発車直前に近鉄名古屋駅の窓口で購入した「VISON往復きっぷ」です。

 実際には往復乗車券のほか、松阪駅前↔VISONのバス乗車券、VISONの対象施設で利用できる10%割引券(3枚)、本草湯の入浴割引券がセットになっています。なお、この企画乗車券には特急料金は含まれていないので、特急列車を利用するには別に特急券を購入する必要があります。

 往路で「伊勢志摩ライナー」に乗車した際の特急券です。いつものようにインターネット予約・購入サービスを利用して手配したものを駅の窓口で換券してもらいました。そして復路では汎用特急に乗車しましたが、こちらはポイントを交換して利用したため、紙の特急券はありません。

 今回は、VISONを訪れる乗り鉄旅の様子を紹介させてもらいました。食事も入浴もスイーツもすべて楽しめる施設で、さらに近鉄特急にも乗車するという、僕にとっては理想的なお出かけとなりました。気づけば早いもので、今年も残すところ約2か月です。引き続き、楽しい乗り鉄旅を計画していきたいと思います。

大阪“グルメ”旅に行ってきました(今年3回目)

 最近はようやく残暑も収まり、朝夕は涼しく過ごしやすくなりました。一般的には、秋に向けて徐々に暑さが和らいでいくものだと思うのですが、今年はわずか数日のうちに気温が急激に低下したような印象があります。10日前まで暑さに閉口していたにも関わらず、最近はこたつがあってもいいかなと思う日もある程です。日本では、日常生活の中で春夏秋冬を感じることは当たり前のことだと考えがちですが、近年はこうした四季の移ろいが感じにくくなったような気がします。

 前置きはこれくらいにして、今回は秋の乗り鉄旅第1弾ということで、今年3回目となる大阪“グルメ”旅に行ってきました。最近は、自分でも大阪に行く機会が多いなと思っていますが、3連休を利用してどこかに出かけようと思ったときに、僕の中で大阪が思いついたということで、あまり深い意味はありません。そして前々回と前回の大阪旅行に続き、今回もグルメ中心の旅を計画しました。健康診断の結果、コレストロール値が気になるところですが、まあ何とかなるでしょう。食欲の秋ということで、観光だけでなくグルメも楽しんできましたので、いつものようにその内容を紹介したいと思います。

 

 

名古屋駅から東海道新幹線に乗車

 いつものように名古屋までは名鉄線を利用し、名古屋駅から東海道新幹線に乗車します。9月下旬に九州乗り鉄旅に出かけたところですので、約2週間ぶりになります。今日は天気もよく気候も穏やかで、絶好の乗り鉄日和です。天気予報によると、3連休のうち日曜日と月曜日は雨の可能性があるようなので、出発日として土曜日を選んで正解でした。名古屋駅にはちょっと早めに到着しましたので、旅のスタートに桜通口側から見た駅舎をパシャリ📸

 そのまま中央コンコースを抜けて新幹線改札口に向かいますが、3連休初日ということもあってか、名古屋駅は非常に混雑しています。高島屋側にある金時計は、名古屋駅での定番の待ち合わせ場所となっていますが、多くの方々で賑わっていました。そして名古屋駅にはもう一つ、有名な待ち合わせ場所として知られている銀時計がありますが、この付近も人が多く、学生さんと思われる団体やツアー旅行に出かけられるであろうグループの方が出発を待っておられました。

 少し早いですが、新大阪方面の下り線ホームに移動しました。改札口の前と比べるとホームはそれほど混雑していませんが、大きなキャリーケースを持った方が多くいらっしゃいます。3連休ということで、九州など遠方に出かけられる方が多いのかもしれません。

 僕は今回、新大阪行きの「ひかり」に乗車します。「ひかり」ではありますが、名古屋から新大阪までの各駅に停車するため、実質的には「こだま」と変わりありません。新大阪までの乗車時間は約1時間10分で、50分を切る「のぞみ」と比較すると時間がかかりますが、特に時間を気にする旅ではないので、まったく気になりません。

東海道新幹線で活躍しているN700系名古屋駅 2023/10/7

 16番線に停車中の車両と入線中の車両をそれぞれ撮影しました。上の写真は僕が実際に乗車した「ひかり」ですが、下の写真はひとつ前に発車した「のぞみ」です。名古屋駅での撮影は、どうしてもホームの安全柵が被ってしまいますが、雰囲気ということでご理解ください。

 「ひかり」631号は後続の「のぞみ」5号に先を譲り、名古屋駅を発車しました。次の停車駅である岐阜羽島で6分停車して後続の「のぞみ」に追い越され、さらに米原でも9分停車して「のぞみ」に先を譲ります。こうして各駅停車の新幹線に乗車していると、「のぞみ」の運転本数の多さをあらためて感じるとともに、東京―新大阪間の膨大の輸送量にも驚かされるばかりです。

 今回はグリーン車を利用しました。これまで東海道新幹線に乗車した際、東京や新横浜まで乗車するときにはグリーン車を利用したことがありますが、名古屋―新大阪という比較的短区間グリーン車を利用するのは初めてです。新大阪行きの「ひかり」のグリーン車ということで乗客は多くなく、静かな落ち着いた空間で乗り鉄旅を楽しむことができました。やっぱりグリーン車には、追加料金を支払うだけの十分な価値があります。

水陸両用バスに乗車する「大阪ダックツアー」に参加

 東海道新幹線を新大阪で下車し、大阪メトロ御堂筋線谷町線を乗り継いで、天満橋に向かいます。大阪には「○○橋」という名前の地名がたくさんあり、僕のような慌てん坊は気を付けないと間違えてしまいそうです。天満橋駅から歩いてすぐのところに「川の駅はちけんや」という施設があり、今回はここから水陸両用バスに乗車する「大阪ダックツアー」に参加します。

 水陸両用バスを使用したダックツアーは日本各地にあり、僕も以前、お台場や横浜で同様のツアーに参加したことがあります。ときにはバスとして公道を走行し、そしてときには船舶として川や海上を航行するという、何とも珍しい乗り物です。どうしてバスのような重量のある乗り物が水に浮くのか、なぜエンジンや車内に水が入り込まないのか、僕の小さな頭では到底理解できませんが、とにかくスゴイ乗り物だということは分かります。そして乗客は、陸上を走行していたバスがそのまま海や川に入っていくという、まるでテーマパークのアトラクションのような感覚も楽しむことができるわけですが、そんな水陸両用バスに乗車できるダックツアーが大阪にもあることを最近知り、今回の旅行で乗車してみることにしました。

 上の写真は、大阪ダックツアーが発着する「川の駅はちけんや」です。「道の駅」という施設は最近よく聞きますが、「川の駅」というのは初めて知りました。この「はちけんや」は、水都大阪の交流拠点として誕生した、関西初の常設となる川の駅なんだそうです。

 僕は今回、10:45発の第2便に乗車します。僕は事前にWebページから予約しておいたのですが、「はちけんや」の階下にある窓口で受付を済ますと、すでに2便は満席となっていました。最近は訪日外国人も徐々に増加し、インバウンド需要も順調に回復してきているようですので、そういった影響があるのかもしれませんね。

 こちらが今回乗車する水陸両用バスです。見た目はかなりゴツイ印象で、バスにも船にも見える外観です。迷彩色に塗装すれば、自衛隊の車両にもなりそうな感じです。車体には、大阪観光シンボルキャラクターである「関ジャニ∞」が大きく描かれています。例の問題でジャニーズのタレント起用には色々と意見があるようですが、大阪府の吉村知事は、大阪・関西万博のPRに引き続き「関ジャニ∞」を起用する方針のようですね。

 そして車内は、青色のベンチタイプの座席がずらりと並んでいます。座席幅は通常の路線バスと同じくらいで、シートピッチも決して余裕があるとは言えません。まあ、乗り心地や快適さを追求したバスではありませんからね。

 ちなみに車内の座席はすべて指定されており、乗客側から座席位置を希望することもできません。前の方になるのか後ろの方になるのか、そして窓側になるのか通路側になるのかもすべて運次第です。せっかくなので景色を見やすい窓側に当たることを期待しつつ乗車すると、希望どおりに窓側の座席でした😊 しかも車両中央にある非常出口付近の座席ということで、前席との間隔がめちゃくちゃ広いです。おそらく40席ある座席の中で一番のアタリ席と言っていいでしょう。Webページから事前に予約しておいたことが功を奏したのか、それとも当日早めに受付を済ませたことがよかったのか分かりませんが、強運に恵まれました。

 バスは予定どおりに「川の駅はちけんや」を出発しました。旧大阪市公館前を通って桜宮公園に向かいます。車両にガラス窓がないので写真撮影には向いていますが、手や顔を車外に出さないよう注意しなくてはいけません。

 入水ポイントがある桜宮公園に到着しました。ここでバスの運転士さんから船の船長さんに交代します。そしていよいよバスは大川へとダイブ🌊します。やっぱりこの瞬間が一番盛り上がりますね。車内でも歓声が上がっていました。

 川の水位によっては、普段とは異なるサブルートで運行される日もあるそうですが、今日は通常ルートでの運行です。ほどなくして進行方向右手に造幣局が見えてきました。川岸よりも低い視点から眺めることになるため、建物が木の陰に隠れてしまい、ちょっと見づらいです😓

 そして天満橋の下も通過します。普段は橋を渡る時に特に意識はしませんが、水上から見上げると巨大な構造物だということがよく分かります。

 水上から「川の駅はちけんや」が見えてきたら、そろそろ折り返しです。こうして眺めてみると、川幅がかなり広いですね。高層ビル群に囲まれて水都大阪を感じる風景です。

 桜宮公園に戻って、先ほどダイブしたポイントから上陸します。ここからは再び陸上を走行するバスとして大阪中心街を周遊し、「川の駅はちけんや」に戻ります。走行中の車内からは、関西テレビの社屋や天神橋筋商店街大阪市役所、日本銀行大阪支店の各庁舎などを見ることができました。

 

とんかつepaisでヘレカツ

 バスを下車したところでちょうど正午になり、次は昼食をいただくことにしました。午後に梅田である人と会う約束になっていたので、天満橋から梅田に移動し、梅田にあるお店でランチを楽しむことにします。実は、ちょっと前から次に大阪に行く機会があれば是非とも立ち寄りたいと思っていたお店があり、それが今回初めて訪問する「とんかつepais(エペ)」さんです。その名のとおり、とんかつをメインに提供されているお店で、本店は北新地にありますが、梅田の阪神百貨店地下2階にある阪神バル横丁にも出店されています。僕は、梅田に近い阪神百貨店の方を利用することにしました。

 本店もそうですが、かなりの人気店ということで、平日でも入店待ちの行列ができるんだそうです。相当の混雑も覚悟してお店に向かったところ、やはり入店を待つ方が数名、店先に並んでいました。どのくらいの待ち時間になるか分かりませんでしたが、今回はどうしてもこのお店でとんかつをいただきたかったので、最後尾に並びました。思ったように列は進みませんが、40分くらい待ったところで席に案内されました。店員さんが気を利かせて事前にメニューを配りながら注文も受けてくれていたため、席についてからしばらくすると、それほど待たずに提供されました。今回いただくのは、一度は食べてみたいと思っていた特選ヘレカツです。

 豚のヒレ肉を使ったカツは一般的に「ヒレカツ」と言われていますが、大阪では「ヘレカツ」と呼ばれているようです。「ヒレカツ」自体はもちろん僕も食べたことがあり、特に珍しいものではありませんが、epaisさんでは低温調理によるレアな状態の「ヘレカツ」が提供されます(もちろん中まで火が通っています)。僕はこれまで低温調理された「ヘレカツ」を食べたことがなかったので、一度食べてみたいと思っていました。

 上の写真のとおり、お肉の断面の色艶が最高です。ソースをつけていただくこともできますが、オススメは右下にあるボルチーニ塩で、この塩がお肉の旨味を一層引き立ててくれます。肉質はしっとりとしていますが非常にジューシーで、こんな食感の豚肉をいただくのは初めてです。いつも行列ができる人気店というのも納得です。

 

夜パフェ専門店Parfaiteria PaL心斎橋でパフェ

 梅田での用事を終えた後、もう一度、大阪メトロ御堂筋線で心斎橋に向かいました。ところで皆さんは、「夜パフェ」というものをご存じでしょうか? 僕はつい最近まで知りませんでした。何でも、お酒や食事を楽しんだ後に1日の締めとしていただくパフェのことなんだそうです。インターネットで調べると、夜パフェの発祥は札幌のようですが、最近は各地に夜パフェを提供するお店があるようで、大阪・心斎橋にもParfaiteria PaLという夜パフェ専門店があります。僕の大阪グルメ旅では、これまで「クレープリー・アルション」や「幸せのパンケーキ」などを訪れてデザートを楽しんでいますが、今回もやはりスイーツは欠かせないということで、Parfaiteria PaLさんにお邪魔し、夜パフェをいただくことにしました。

 Parfaiteria PaLさんは心斎橋にある商業ビルの3階で営業しています。ビル入口付近に置き看板がありますが、一見するとスイーツを提供する飲食店があることに気が付きません。僕も最初はこれを見落とし、店舗前を素通りしてしまいました。

 今日は土曜日ということで夕方16時からの営業です。夜パフェにはちょっと早い時間ですが、15時50分くらいにエレベーターで3階に上がると、店舗前にはすでに開店を待つ方々の行列ができていました。僕は事前に電話予約しておいたので、行列に並ばなくても確実に入店できます。ほどなくして開店し、予約してある旨を告げると1番に店内に案内されました。

 窓際の席に着席してメニューを見ると、パフェ単体とパフェにドリンクの付いたセットがありました。ちなみにパフェは6種類で、時期によって内容が変わるようです。どのパフェも魅力的でちょっと悩みましたが、今回はシャシンマスカットが盛り付けられた『ぶどう農林21号』というパフェと、ブラッドオレンジジュースのセットを注文しました。

 ちょっと変わったネーミングのパフェですが、全体でシャインマスカットの房をイメージして飾り付けられています。シャインマスカットの葉はジェラート抹茶のラングドシャ、ヘタは飴細工で作られています。ちなみにジェラートには日本酒の大吟醸ジュレには白ワインが使用されており、アルコール分を含む大人のパフェとなっています。他にもゼリーやムース、フロマージュなど、新鮮なシャインマスカットと相性の良い食材がふんだんに使われており、非常に贅沢なパフェです。もちろん見た目にも美しく、ほとんどの方は自身が注文したパフェを写真に収めていました。心も豊かになる一皿をいただくことができ、いつも以上に大満足のデザートとなりました。

 

ぼてぢゅうで2色とん玉

 新大阪駅に戻ってきました。今回の旅行は、全体的に時間に余裕のある行程にしたため、乗車予定の新幹線の発車時刻まで、まだ2時間近くあります。ちなみに夕食は駅でお弁当を購入し、車内でいただこうと思っていたのですが、新大阪駅構内をぶらぶらしていると、「元祖お好み焼き ぼてぢゅう」さんを見つけました。夕食にはちょっと早いですし、先ほど夜パフェをいただいたばかりだったので一度は素通りしたのですが、店頭にあったお好み焼きやモダン焼きのサンプルに惹きつけられ、思わず入店を待つ列の最後尾に並んでしまいました。誘惑にはめっぽう弱い男です。

 少し待って席に案内されました。メニューは豊富で、どれにしようか迷いに迷ってしまいましたが、ここは一番最初に目に留まった「2色とん玉」を注文しました。ぼてぢゅうさんでは、豚肉入りのお好み焼きを「とん玉」と呼んでおり、2色とん玉は、ソースにかつお節がかけられたものと、旨味醤油タレに九条ねぎがのせられたものが、それぞれ半分ずつ提供されるため、一度に2種類の味を楽しむことができます。オリジナルマヨネーズも添えられており、食べごたえも十分です。最初予定していたよりも早い時間に夕食をいただくことになりましたが、美味しいものはいくらでもお腹に入っていきますね。本当に今日は、よく食べました😋

 

新大阪駅から東海道新幹線に乗車

 楽しい時間が過ぎるのは早いもので、そろそろ帰路に着きます。今まで何度も新大阪駅を利用していますが、乗り換えでの利用がほとんどで、駅舎外から新大阪駅の姿を眺めたことはほとんどありません。今回は時間に余裕があったので、無事に旅を終えられるように願ってパシャリ📸

 少し早い目に新幹線ホームに移動しました。復路で乗車するのは往路と同じく「ひかり」です。往路の「ひかり」は名古屋ー新大阪間が各駅停車となる実質「こだま」でしたが、復路で乗車する「ひかり」は名古屋までの間に京都にのみ停車するタイプで、所要時間も往路より15分以上短くなります。発車は26番線ですが、僕が乗車する「ひかり」520号の入線直前まで新大阪止まりの「のぞみ」が停車していました。

 土曜日の夕方ということで車内は混雑するかと思っていましたが、少なくとも僕が乗車していた号車については、予想していたよりも空席が多かったです。新大阪から上りの新幹線に乗車される方ですと、東京や新横浜、それに名古屋に向かう方が多いでしょうから、やはり「のぞみ」を利用されるパターンが圧倒的に多く、停車駅が少ないタイプと言えども「ひかり」を利用される方は少ないのかもしれません。

東海道新幹線で活躍しているN700系新大阪駅 2023/10/7

 上の写真は、僕が乗車した「ひかり」ではなく、それ以前に26番線に入線してした列車を撮影したものです。いつ見ても、どの角度から見てもN700系はかっこいいですね。「ひかり」520号は定刻に新大阪を発車し、無事に名古屋に到着しました。ちなみに復路で利用したのは普通車指定席です。往路はグリーン車を利用したので、往復でそれぞれの座席種別を楽しむことができました。

 

乗車券類の紹介

 今回もいつものように、名古屋ー新大阪間の東海道新幹線での移動にJR東海ツアーズの日帰り旅行商品を利用しました。実際に使用した乗車票は次のとおりです。

 上2枚は往路で、下2枚は復路で使用したものです。すでに紹介したとおり、往路ではグリーン車を利用していますが、これは旅行商品を購入する時点で普通車がすでに終売となっていたため、グリーン車としました。後から落ち着いて考えれば、JR東海ツアーズ以外の旅行商品(例えば日本旅行JTBなど)の利用も検討すべきでした😓 まあ、正規運賃や特急料金と比べて割安で乗車できた訳ですから、これはこれでよしとします。ちなみにこの乗車票は大阪駅まで利用できますが、新大阪で途中下車することができます。大阪市内発着の通常の乗車券では、ゾーン内の駅で途中下車できませんので、そういった意味では、通常の乗車券よりも使い勝手がいいものとなっています。

 以上、今回の大阪グルメ旅の紹介でした。次回以降も僕の乗り鉄旅をお伝えしていきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いします🙇

2つの観光列車に乗車する南九州乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 今回は鹿児島中央駅近くにある「ホテルタイセイアネックス」に宿泊します。特にこのホテルにこだわりがあった訳ではなく、JR東海ツアーズの旅行商品の中から、鹿児島中央駅に近いホテルを適当に選びました。客室はバス・トイレ付きですが、男性に限りホテルの大浴場とサウナを利用することができます。大浴場好きの僕にとってはありがたいことで、もちろん大浴場を利用しました。足を伸ばして大きな浴槽に浸かることができ、とても気持ちよかったです。

 ちなみにこのホテルでは、朝食付きプランも用意されており、追加料金を支払えばバイキング形式の朝食をいただくこともできますが、今回は出発時刻が早いため、朝食なしのプランを利用しました。朝食は、コンビニでサンドウィッチを飲み物を購入し、車内でいただくことにします。

 

 

23日の旅行概要

 それではここで、2日目(23日)の旅行行程を紹介します。

 まずは鹿児島中央から宮崎に向かいます。利用するのは特急「きりしま」です。今日の乗り鉄のメインとなる「海幸山幸」の宮崎駅発車が10:13なので、10:01に宮崎に到着する「きりしま」4号からちょうどいい具合に乗り継ぐことができます。宮崎からは日南線を走る「海幸山幸」に乗車しますが、残念ながら途中の飫肥駅で下車します。日南線は運行本数が少なく、「海幸山幸」の終点である南郷まで行ってしまうと、予定の時間までに宮崎に戻れなくなってしまうからです。せっかくの乗車なため、ちょっと残念ではありますが、約1時間の乗車を楽しむことにします。飫肥駅からは普通列車南宮崎、そして宮崎へと移動し、宮崎からは「B&Sみやざき」号という高速バスを利用して新八代に向かいます。新八代からは九州新幹線「さくら」に乗車して博多に行き、博多からは「のぞみ」に乗車して名古屋に戻るという行程となっています。朝はちょっと雨がぱらつきそうな天候でしたが、何とか傘なしで移動できること願いながら、まずは今日の1本目の列車「きりしま」に乗車します。

 

鹿児島中央駅から特急きりしまに乗車

 「きりしま」4号は、朝の早い時間に運行される列車ですが、ひとつ前の2号は何と鹿児島中央駅5:51発です。こんな早朝に鹿児島から宮崎方面に向かう特急は、どういった目的で利用される方が多いのか、ちょっと気になります。

 「きりしま」は787系特急型車両で運転されています。1号車はグリーン車と普通車指定席の合造車で、2号車から4号車までは普通車自由席です。僕は「九州ネットきっぷ」を利用するため、指定席を利用します。

きりしま号で使用されている787系鹿児島中央駅 2023/9/23

 程なくして「きりしま」が入線してきました。「きりしま」は、主に日豊本線を走る特急で、早朝や深夜の一部列車を除いて鹿児島中央―宮崎間を結んでいます。以前の乗り鉄旅で、肥薩線の吉松から「はやとの風」に乗車した際に、隼人―鹿児島中央間を利用したことがありますが、宮崎までの全区間を通して乗車するのは初めてです。運転本数は1日当たり10往復で、概ね1〜2時間に1本程度運行されています。

 JR九州の列車は、D&S列車ではない通常の特急型車両もデザイン性に富んでいますが、外観だけでなく車内もなかなか凝ったものとなっています。上の写真は787系のデッキ部ですが、黒い壁に真っ赤なドアのコントラストが実に独創的です。ちなみに床面は、普通車としては珍しい絨毯敷きとなっています。

 普通車の車内です。一般的な2+2配置の回転リクライングシートとなっています。こちらはいたって普通の座席で、どちらと言えば地味な感じのモケット柄です。また、九州の特急型車両は、普通車であってもシート1列に対して1つの個窓となっているものが多く、個人的には気に入っています。

 そしてこの「きりしま」では、特急であるにも関わらず、ワンマン運転が行われています。ドアの開閉などを車掌さんの代わりに運転士さんが行うことは分かるのですが、自由席の設定がある特急では欠かせない車内検札はどうしているのでしょうか?  おそらく基本的には実施していないということだと思います。性善説に立ちながら、抜き打ちで特別検札を実施するのでしょうが、一定数の不正乗車は防ぎようがないと思います。少し前にテレビのニュースで、JR九州では不正乗車を防止する目的で、自動券売機による170円きっぷの発売を見合わせることが放送されていましたが、中にはさらに特急券を購入せずに特急列車に乗車するような不正をはたらく人もいるだろうということです。ほとんどの方は目的地までの正しい乗車券や特急券を購入しているはずですので、こうした不正は厳しく取り締まると同時に、正直者が不利益を被ることがないよう、不正乗車防止対策にも力を入れてもらいたいですね。

 途中の行き違い列車の遅れにより、僕が乗車した「きりしま」は、終点の宮崎に約4分遅れて到着しました。すでに乗車予定の「海幸山幸」は入線していたので、すぐにホームを移動して「海幸山幸」に乗車しました。

 

宮崎駅から特急海幸山幸に乗車

 「海幸山幸」は宮崎を発着する列車で、日南線の南郷までを往復しています。ここで「海幸山幸」1号のダイヤを紹介します。

 昨日乗車した「指宿のたまて箱」と比べると、途中の停車駅が多いことが分かります。僕は途中の飫肥までの乗車ですが、終点の南郷まで乗車すると、約1時間30分の旅となります。

 宮崎駅では発車までの時間を利用して、1号車側と2号車側の写真を撮影しました。ちなみに1号車が山幸号で、2号車が海幸号です。ぱっと見た感じで違いが分かりにくいですが、運転台下のライト横に「山」「海」の文字がデザインされており、これが見分けるポイントです。

海幸山幸で使用されているキハ125形400番台:宮崎駅 2023/9/23

 可愛らしい路面電車のようにも見えますが、れっきとした特急型車両です。形式はキハ125形400番台で、もともとは高千穂鉄道という第三セクターの鉄道会社で使用されていたものです。その高千穂鉄道は、2005年の台風14号の影響よって壊滅的な被害を受け、結果的には復興が果たせずそのまま廃線となってしまった訳ですが、その高千穂鉄道の車両の一部がJR九州に譲渡され、内外装が大幅に改装されて現在の「海幸山幸」用の列車が誕生したという経緯があります。そういう事情から、JRとしては珍しい18m級の車体となっています。

 改造に当たっては、塗色が白に変更されたほか、車体の外装に本物の杉板が装飾された何とも斬新なデザインです。鉄道車両の外装に木材が使用されている例は、キハ125形400番台以外の車両で聞いたことがありません。こんな挑戦的な観光列車を誕生させた水戸岡鋭治氏は、前例にとらわれない思い切った意匠を採用される方なんですね。

 車体側面には、「海幸山幸」それぞれのロゴをあしらったプレートが取り付けられています。車両の外装ということで、杉板は直射日光や風雨に晒され続けているわけですが、防水や腐食などは大丈夫なんでしょうか?

 次に車内を紹介します。まずは僕が乗車した1号車です。車内はJR九州のD&S列車の一員に相応しいデザインとなっていますが、車幅にあわせて1+2配置の回転リクライングシートが並んでいます。

 「海幸山幸」には専用の販売カウンターはありませんが、1号車前よりスペースで飲み物やグッズ類を販売しており、アテンダントさんが常駐しています。ちょうどその向かいにフリースペースとなっているソファー席があるため、このスペースを利用しながらアテンダントさんとの会話を楽しんでいる方も見えました。

 車端部には、車イスの方でも利用可能なトイレがあります。車内は随所に杉材が使用されていますが、トイレ部分もデザイン性に富んでおり、とてもお洒落ですね。

 また、キハ125形400番台は片運転台構造となっているため、乗客は車両の最先頭部から前面展望を楽しむことができます。僕もちょっとの間、前面展望を楽しみました。自然の木々の中に敷設された線路がどこまでも続いているような、そんな風景を見ることができました。

 先ほど紹介した物販スペースで、宮崎県産の完熟マンゴーを使ったサイダーを購入しました。各座席には肘掛けの中にテーブルが収納されており、これを利用することも可能ですが、ちょっとした小物は窓横に置いておくことができるので便利です。早速サイダーをいただきいましたが、すっきりした後味の良い味わいで、マンゴーのいい香りが口の中に広がります。

 続いて、2号車にもちょっとお邪魔させてもらいましたので、あわせて紹介します。2号車も1号車と同様に、1+2配置の回転リクライングシートが並んでいます。ちなみにこの日の「海幸山幸」1号はすべての指定席が発売済みとなっており、特に2号車は混雑していました。正面から撮影すると迷惑になると思い、座席後方から撮影しました。

 基本的な内装や車内設備は1号車と同じようですが、1号車と2号車とでは座席数が異なっており、1号車の方がシートピッチが広めてゆったりとしています。また、1号車は座席と窓枠が一致しているので、車窓を眺める上でのハズレ席もありません。僕としては断然、1号車をオススメします。人気のある観光列車ですので、乗車の予定が決まったら早めに指定席券を購入した方がいいと思います。

 また、先ほどは1号車からの前面展望を紹介しましたが、反対に2号車からは後方展望を楽しむことができます。それにしても、線路内の雑草が多いですね。運転本数が少ない区間だと、どうしてもこうなってしまうのでしょうかね。

 「海幸山幸」は停車駅が多いとお話ししましたが、途中駅での乗降もそれなりにあり、とくに青島では下車する方も乗車する方も結構いました。日南線自体の運転本数が少ないということもあってか、短区間でも「海幸山幸」を利用される方がいらっしゃるようです。そのためか、昨日乗車した「指宿のたまて箱」は全車指定席でしたが、「海幸山幸」は2号車の一部に自由席が設定されていました。

 そして途中には、「海幸彦・山幸彦」伝説を紹介する紙芝居の上演があります。後部座席からではちょっと見づらいですが、アテンダントさんの語りだけでも十分に楽しむことができます。

 時間が過ぎるのは早いもので、列車はあっという間に飫肥に到着しました。ここまで楽しい乗り鉄旅を提供してくれた「海幸山幸」を再度、飫肥駅で撮影しました。

終点の南郷駅へと向かう海幸山幸:飫肥駅 2023/9/23

 

記念乗車証の紹介

 「海幸山幸」の車内では、乗車後すぐにアテンダントさんから記念乗車証をいただきました。乗客一人一人に手渡しで配布されていました。昨日の「指宿のたまて箱」に続き、こちらもキレイにスタンプを押印できたと思います。

  ちなみに、これまでの乗り鉄旅で色々なD&S列車に乗車してきましたが、それぞれの列車で記念乗車証をいただいています。せっかくの機会なので、ここでこれまでいただいたD&S列車の記念乗車証をまとめて紹介したいと思います。

 左上から実際に僕が乗車した順になっています。それぞれの列車に思い出がありますが、どれもまた乗車してみたい列車ばかりです。

飫肥駅から宮崎駅

 飫肥からは、いま乗車してきた経路を引き返して宮崎まで戻ります。僕はあらかじめ宮崎↔飫肥間の往復乗車券を購入していたため、飫肥駅では出場せずにそのままホームで南宮崎行きの列車の到着を待っていました。ホーム側からになりますが、記念に飫肥駅の駅舎と駅名標をパシャリ📸

 ここまでトラブルなく、ほぼ予定どおりに乗り鉄旅を続けてきましたが、発車時刻が近づいても南宮崎行きの列車は姿を現しません。また、僕が乗車する南宮崎行きの列車と行き違いで発車する「海幸山幸」も、飫肥駅で抑止状態です。どうやら今朝方に日南線の一部区間で、車両の車輪空転が発生し、その影響で遅延が発生しているようです。まあ5分程度かなと勝手に思っていましたが、待てど暮らせどなかなか列車は来ず、やっと来た列車が飫肥を発車したのは予定よりも約30分遅れとなってしまいました。

 正直、「まいったな~」と思いながら乗車していましたが、回復運転によって途中での遅延時間が約20分にまで縮まりました。さらに遅延が縮小するかと期待していたところ、途中駅での行き違いのため待ち合わせがあるなどしたため、終点の南宮崎に到着したのは予定よりも約30分遅れとなってしまいました。これではもちろん、予定していた宮崎方面に向かう列車にも間に合いません。とは言っても仕方ないので後続の特急「ひゅうが」に乗車して宮崎に向かいましたが、宮崎駅に到着したのは、予定よりも40分以上遅れてしまいました。

 当初は宮崎で昼食をいただいてから、次の移動をスタートする予定でしたが、時間があまりなくなってしまったため、やむを得ず近くのコンビニでサンドウィッチを購入し、昼食代わりとしました。僕にとっての初宮崎は、ただ慌ただしいものとなってしまいました。

 

宮崎駅からB&Sみやざきに乗車

 今回の旅行は、鉄道による乗り鉄旅ですが、宮崎から新八代区間のみ高速バスを利用します。JR九州バスと宮交バスでは、宮崎から新八代までの移動に便利なB&Sみやざきという高速バスを運行しています。新八代から博多までは九州新幹線が利用できるため、このバスを利用すれば、宮崎−博多間を最速3時間15分で移動できるというものです。さらに、こうした移動に便利な「B&Sみやざきネットきっぷ」というものも発売されており、早特商品であれば最安値は5,020円と破格のねだんです。時間的に早く、ねだんもお得ということで、僕も今回の乗り鉄旅で利用してみることにしました。ちなみにバス単独の正規運賃は4,350円で、新幹線の運賃と特急料金(指定席・通常期)は5,920円なので、早特商品のねだんは半額以下のとてつもないねだんです。

 宮崎駅前の高速バス乗り場で待っていると、真っ赤なJR九州バスがやってきました。

 車内は一般的な4列シートになっています。バスは鉄道よりも座席が窮屈に感じられるため、長時間の乗車で相席になると、正直ちょっと辛いものがあります。隣が空いているといいなと思っていたところ、今回利用した便の乗客は10人程度で、全然余裕でした。

 確かバス車内でスマホの充電ができることを思い出し、早速、カバンから充電器を取り出したら、USBタイプ専用の充電口で、僕が持参したコンセントタイプの充電器は使用できませんでした😓 まあ、新八代から乗車する新幹線で充電できれば問題ないんですがね。

 バスはしばらく下道を走ります。そして僕は先ほど購入したサンドウィッチを車内でいただきました。そしてしばらくすると、高速道路に入ります。僕はバスに揺られると眠たくなる性質で、今回もいつの間にか寝てしまい、気がついたらどこかのバス停に停車中でした。それから外の景色をぼーっと眺めたりしていると八代インターチェンジで、すぐに新八代駅に到着しました。

 列車と違ってバスはどうしても遅延が気になってしまうのですが、今回乗客したバスはほぼ定刻でした。新幹線への乗り換え客をターゲットとしていることから、運行ダイヤに余裕を持たせるなどして、遅延防止に努めているのだと思います。

 

新八代駅から九州新幹線に乗車

 新八代駅を利用するのは今回が初めてです。恒例となりつつありますが、駅舎をパシャリ📸 都会的で、なかなかおしゃれな駅舎だと思います。

 新八代からは、今回の乗り鉄旅で2回目となる九州新幹線「さくら」に乗車します。これで無事にスマホの充電ができます。車両はもちろん8両編成のN700系7000番台で、今回も指定席を利用します。

 車内の様子を見てみると、新八代で乗車した際には僕が乗車した8号車には空席が目立っていましたが、途中の熊本から外国人のグループ客が乗車してきました。それでも乗車率は40%くらいといった感じでしょうか。最初は僕の隣の通路側にも外国人の方が着席されていましたが、席を間違えていたことに気がついたのか、すぐに他の席に移動していきました。

九州新幹線「さくら」などで運用されているN700系7000番台:博多駅 2023/9/23

 新八代駅では車両を撮影する時間がなかったので、博多駅で撮影しました。「さくら」は新大阪行きのため、博多は途中停車駅の一つに過ぎませんが、乗務員の交代などもあるためか、停車時間が比較的長く設定されているようです。さて、博多到着後は駅でお土産やお弁当を購入し、いよいよ九州ともお別れになります。

 

博多駅から山陽新幹線に乗車

 博多駅の新幹線ホームには、東海道新幹線でも活躍しているN700系だけでなく、500系や700系といった僕が普段見かける機会の少ない車両を見ることができるため、発着する列車を眺めるだけでも楽しいものがあります。ホーム上にいても、どこから豚骨ラーメンのスープのものと思われる独特の匂いが感じられるのも実に博多らしいですね。

 乗車するのは「のぞみ」58号東京行きです。いつもはきれいに撮影できないJR西日本の発車標ですが、今回は文字が分かる程度に撮影することができました。

東海道・山陽新幹線の主役であるN700系博多駅 2023/9/23

 乗車してしばらくしたところで、ちょっと早いお弁当タイムです。当初から博多駅で夕食用のお弁当を購入しようと考えていましたが、どのお弁当にするかは見てから決めることにしていました。そして僕の目に留まったのは、駅構内の通路に店舗がある「元祖博多めんたい重」というお店のお弁当です。内容は実にシンプルで、白米の上に海苔がまぶされていて、その上にドンと明太子が丸ごと一本のせられています。僕は海苔弁が好きで、しかもちょうど明太子が食べたいと思っていたところだったので、このお弁当に決めました。作り置きではなく、注文を受けてからその場で温かいご飯を入れてお弁当を盛り付けてくれます。ねだんはちょっとお高めで、一食1,814円でした。

 めちゃウマです🤩 まだご飯が温かいままで、付属のたれをかけるとさらに味の深みが増してきます。明太子のピリ辛と白いご飯の相性はバツグンです。次回に博多に行く機会があれば、リピートは間違いないと言えます。旅の最後に美味しいお弁当をいただくことができると、旅行全体の満足感も高まるというものです。

 しかし、当然のことですが食後には口の中に辛さが残ります。何か甘いものをと思った矢先、ちょうどいいタイミングで車内販売のワゴンが通りがかったので、アイスを買うことにしました。新幹線の車内でいただくアイスといえばやはり“シンカンセンスゴイカタイアイス”で、僕も最初は久しぶりにこのアイスを買おうかと思ったのですが、メニューに新甘泉梨シャーベットというものがあり、こちらに惹かれて考えて直し、結局シャーベットの方を購入しました。シャキシャキした食感で、梨のいい香りがするシャーベットで、こちらも美味しくいただきました。

 デザートもいただき、お腹いっぱいです。「のぞみ」は小倉、広島、岡山、姫路、新神戸に停車し、山陽新幹線の終点である新大阪に到着しました。僕の経験則上、新大阪から先の東海道新幹線区間になると、乗客の数が一気に増えます。予想どおり新大阪から多くの乗車があり、僕の隣の通路側座席も埋まりました。新大阪発車後は京都に停車し、そして名古屋に到着しました。

 

乗車券類の紹介

 最後にまとめて、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類を紹介します。

 往路の名古屋→博多→鹿児島中央と復路の博多→名古屋は、いつものようにJR東海ツアーズの旅行商品を利用しています。往路は博多駅九州新幹線に乗り換えるため、乗車船用と新幹線指定席用が別々に発券されていますが、復路は一葉券となっていました。

 続いては、鹿児島中央↔指宿間の「指宿のたまて箱」での乗車に使用した乗車券と特急券です。実は当初、この区間ではという企画乗車券を利用しようと考えていました。この企画乗車券は、鹿児島中央―指宿・西大山間を「往復JR」または「片道JR+片道路線バス」で利用できるもので、JR線では「指宿のたまて箱」にも乗車できます。ねだんは3,150円なので、間違いなくオトクに乗車できるのですが、残念なことに「指宿のたまて箱」の座席指定ができるのは、JR九州みどりの窓口指定席券売機できっぷを受け取る際に限られています。つまりインターネットであらかじめ座席を確保することができないため、きっぷの受取前に指定券が完売してしまった場合には、乗車することができません。

 はじめのうちは、まあ平日だし指定券が完売することもないだろうと楽観的に考えていたのですが、乗車日が近づくにつれて残り座席数が少なっていき、数日前には窓側座席がすべて埋まってしまいそうだったので、慌てて5号の指定券をインターネットで予約しました(ちなみに6号の方は、念のためということで早めにカウンター席をインターネットで予約してありました)。

 というわけで急遽、「指宿レール&バスきっぷ」の購入を断念した訳ですが、その代わり当日、鹿児島中央駅指定席券売機で「かごしま満喫きっぷ」という別の企画乗車券を購入しました。鹿児島中央―指宿間の往復が2,040円と正規運賃と同額のきっぷですが、きっぷとは別に500円分の商品券がついてきます。せっかくなので、ちょっとでもオトクに乗車しようという訳です。ちなみに僕はこの商品券を利用して、指宿駅売店でお土産用の茶葉を購入しました。

 鹿児島中央から宮崎まで乗車した「きりしま」では、九州ネットきっぷを利用しました。このきっぷを利用すれば、正規運賃と特急料金あわせて4,860円のところ、何と2,620円で乗車することができます。「きりしま」は指定席の座席数が少ないため、場合によっては満席になることもあるかもしれませんが、確か乗車当日でも購入できたはずですので、利用価値は高いと思います。

 宮崎↔飫肥駅では、通常の往復乗車券を使用しました。前日に鹿児島中央駅みどりの窓口で購入しておいたものです。最近、博多駅などJR九州の大きな駅で、みどりの窓口が激混みするというニュース記事を読んだことがあり、どんなものかと心配しましたが、鹿児島中央駅の窓口は10分程度の待ち時間で発券してもらえました。また、「海幸山幸」の指定券は、あらかじめインターネットで予約しておいたものを鹿児島中央駅指定席券売機で発券しました。

 最後に紹介するのは、「B&Sみやざきネットきっぷ」です。実際には、上の2枚に加えてバス指定券も発券されたのですが、残念ながらバス乗車時に回収されてしまったため、手元に残っていません。

 さて、1泊2日の旅でしたが、予定どおり2つの観光列車に乗車し、久しぶりに九州新幹線にも乗車することができ、思う存分、乗り鉄を楽しむことができました。「指宿のたまて箱」では、指定券の手配をギリギリまで遅らせてしまうという判断ミスもありましたが、次回以降はタイミングを失しないよう気をつけていきたいと思います。

2つの観光列車に乗車する南九州乗り鉄旅(1)

 僕は乗り鉄旅に出かけることが好きですが、「次はどこに行ってみようかな〜」と時刻表のページをめくりながら旅行先を思案するのも大好きです。鉄道旅行好きの方であれば理解いただけると思いますが、路線図を見ながら頭の中で旅行ルートを思い描き、そのルートに沿って行程を作成するという一連の作業は、非常に楽しいものです。いざ時刻表で調べ始めると、運転本数が少なく希望どおりに移動できないことが後から判明することもありますが、逆に自分が作成したオリジナルのルートで予定時間内にうまく乗り継げることが分かった場合には、喜びもひとしおというものです。

 そんな訳で、僕は年に数回、時刻表を購入しています。書店で販売している時刻表にもいくつかの種類がありますが、僕は交通新聞社が発行している「JR時刻表」を愛用しています。毎年3月のダイヤ改正が収録された号は必ず購入しており、その他の時期は季節ごとの臨時列車が掲載される月にあわせて購入することが多いです。9月号では秋の臨時列車が初掲載されるということで、8月下旬に早速購入し、暇なときにニヤニヤしながらページをめくって妄想鉄道旅を楽しんだりしていました。その中でふと、九州の列車に目が留まりました。九州といえば、昨年10月に西九州新幹線と「ふたつ星4047」に乗車し、さらに一昨年の9月には「36ぷらす3」や「或る列車」などに乗車する乗り鉄旅に出かけていますが、まだ乗車したことがない観光列車があります。それは「指宿のたまて箱」と「海幸山幸」という列車です。「指宿のたまて箱」は指宿枕崎線鹿児島中央-指宿間を、「海幸山幸」は日南線の宮崎-南郷間をそれぞれ走る特急で、いずれもJR九州のD&S列車(デザイン&ストーリー列車)のひとつです。以前から乗車してみたいと思いつつ、鹿児島や宮崎を発着する列車ということで、これまでの九州乗り鉄旅でもなかなかゆっくりと現地を訪れる機会がありませんでした。今回、あらためて時刻表で調べて見ると、うまく行程を工夫すれば、1泊2日で「指宿のたまて箱」と「海幸山幸」の両方に乗車できることが分かりました。このうち運転本数が少ないのは「海幸山幸」です。9月の運転日は土休日のみで、16日から18日までの3連休は1日2往復ですが、その他の土日は1日1往復のみです。本来であれば、「海幸山幸」が1日2往復される日のダイヤをもとに行程が組めるとベストなのですが、今回は諸事情により、これより1週間遅い22日と23日の2日間で乗り鉄旅を楽しむことになりました。鹿児島を訪れるのは約6年ぶりで、宮崎は初めての訪問となります。

 

 

22日の旅行概要

 それでは早速、初日(22日)の旅行行程を紹介します。

 この日の乗り鉄のメインはもちろん「指宿のたまて箱」です。「指宿のたまて箱」は臨時列車扱いとなっていますが、現在のところ毎日運転されており、鹿児島中央-指宿間を1日3往復しています。僕が乗車できそうなのは、鹿児島中央を午後に出発する5号と、その折り返しとなる6号なので、これを行程中に組み込みました。「指宿のたまて箱」5号の鹿児島中央駅の発車時刻は13:56ですが、多少の時間的な余裕と昼食時間も考慮して、名古屋-博多間の「のぞみ」と博多-鹿児島中央間の「さくら」の時間を決めました。ちなみに、僕は東海道新幹線山陽新幹線を利用する際、複数の乗車票を組み合わせて新大阪で乗り換える行程とすることがありますが、今回は九州までの移動時間を最小限にするため、名古屋から博多まで直通する「のぞみ」を利用する行程としています。

 なお、この日の乗り鉄旅は「指宿のたまて箱」6号の鹿児島中央到着(16:00着)で終了です。せっかく鹿児島まで来たからには、ここから川内まで戻って、肥薩おれんじ鉄道に乗車してみようかなと思いましたが、あまり欲張りすぎないことにしました。

 

名古屋駅から東海道新幹線に乗車

 今回の乗り鉄旅で使用する乗車票は、[名]名古屋市内発のものなので、金山から名古屋までは在来線を利用し、名古屋駅の乗り換え改札口から新幹線ホームに入りました。

 今回乗車するのは「のぞみ」3号です。名古屋駅の新幹線ホームに到着すると、ちょうどひとつ前の「のぞみ」1号が発車するところでした。「のぞみ」1号はN700Sで、続いて発車する「ひかり」535号の広島行きもN700S、さらに「のぞみ」3号より早く名古屋駅に入線する「こだま」765号の新大阪行きもN700Sでした。N700Sを見かける機会も多くなり、車両全体に占めるN700Sの割合が着実に増えているなと感じました。ひょっとしたらこの流れで「のぞみ」3号もN700Sかと思いましたが、結果はN700のスモールAでした。ちなみに下の写真は上りホームから発車するラージAを撮影したものです。

東海道新幹線で活躍中のN700A名古屋駅 2023/9/22

 今回利用する座席は、6号車1E席です。シートマップを利用して僕が選んだ座席ではありませんが、新幹線の最前列は初めてかもしれません。乗車前には「最前列ってどうなの?」って思っていましたが、他の乗客の方が視界に入りにくく、落ち着きがあっていいです。足元も狭苦しい感じはなくて結構快適です。

 車内は平日にも関わらずほぼ満席です。さすがは「のぞみ」ですね。名古屋発車後の様子を見ていると、途中の新大阪で下車する方が多いですが、同じくらい乗車する方もたくさんいらっしゃいました。その後、山陽新幹線区間に入ると徐々に下車する方が多くなり、特に広島で多くの方が下車しました。終点の博多までは約3時間20分、たっぷりと新幹線の旅を楽しむことができました。

 

博多駅から九州新幹線に乗車

 博多ではホームを移動し、九州新幹線に乗車します。

 JR西日本仕様の発車標は、どうもうまく撮影できませんね。乗車するのは「さくら」で車両はもちろんN700系7000番台(8両編成)です。

発車を待つ九州新幹線N700系7000番台:博多駅 2023/9/22

 こちらの「さくら」号も想定外に混雑していました。僕が乗車した8号車は博多出発時点でほぼ満席です。あまり利用が多い時間帯ではないはずですが、これくらいの乗車率が一般的なんでしょうか? 僕が勝手に、コロナ禍で利用者数があまり多くなかった頃の感覚を引きずっているだけなのかもしれません。博多を発車したさくら号は新鳥栖、久留米、熊本の順にこまめに停車していきます。新鳥栖―久留米間は7.1kmと非常に駅間が短いため、発車後すぐに停車駅のアナウンスが始まります。九州新幹線に乗車するのは初めてではありませんが、今まで気付きませんでした。

 途中の熊本に到着しました。熊本は「みずほ」号を含めてすべての新幹線が停車する駅です。おそらく熊本で下車する方が多いんじゃないかと予想していましたが、やはり熊本で多くの方が下車されました。熊本を発車すると次の停車駅は川内のため、ここからは新幹線らしい本格的な高速走行を楽しむことができます。

 「さくら」号はその外観から分かるとおり、N700系シリーズのひとつで、両数の違いを除けば、車両の構造自体は東海道・山陽新幹線用のN700系と変わりありません。しかし、外観のカラーリングは同じ白系統でも違いがあり、東海道新幹線N700系を見慣れている僕にとっては、とても新鮮な感じがします。

 続いて車内のうち、僕が利用した普通車指定席の様子です。ご覧のとおり、自由席とは異なる指定席の専用座席となっており、グリーン車のような2+2配置の贅沢な設備となっています。東海道新幹線との違いという点では、最も特徴的なものだと思います。

 そう言えば、ここまで乗車してきた区間では、名古屋出発からずっと曇り空でしたが、川内に近づくにつれて日が差してきて、鹿児島に到着する頃には気持ちのいい晴天となりました。やはりせっかくの旅行なので、晴れの中で列車に乗車できるのは嬉しいですよね。

白藍色が特徴的なN700系7000番台:鹿児島中央駅 2023/9/22

 予定どおりに鹿児島中央に到着しました。名古屋から新幹線を乗り継いで実に約5時間の乗車です。乗りごたえがありました。

 ここからいよいよ「指宿のたまて箱」に乗車しますが、発車時刻まで1時間くらいあるので、この時間を利用して昼食をいただくことにしました。

 今回は鹿児島中央駅直結の商業施設「アミュプラザ鹿児島」にある、その名もざぼんラーメンさんというお店を利用することにしました。日本各地には、ご当地ラーメンがいくつもありますが、ざぼんラーメンとは鹿児島ラーメンを代表する店舗のひとつのようです。僕は“ざぼん”と聞くと、柑橘類の果物しか思い浮かびませんが、この果物とラーメンが関係しているのかどうかは分かりません。入店したのが午後1時くらいだったため、待ち時間なく店内に案内されました。いただくのは、店の看板メニューである「ざぼんラーメン」です。音痴の僕は食レポが苦手ですが、あっさりとした豚骨ベースのスープにストレート麺、キャベツやもやし、メンマ、チャーシューなどいろいろな具材が盛り付けられた、見るからに美味しそうなラーメンです。

 写真の左下にある小皿は大根の漬物です。ラーメンに大根の漬物が添えられているのは初めてで、ちょっとビックリしました。鹿児島と言えば桜島桜島言えば桜島大根ということなのでしょうかね。京都の千枚漬けのような、あっさりした口当たりのいい漬物でした。

 

鹿児島中央駅から特急指宿のたまて箱5号に乗車

 昼食を終えてホームに向かうと、「指宿のたまて箱」はまだ入線していませんでした。僕が往路で乗車する5号は、4号の折り返しになるため、入線は直前になるようです。ちなみに5号と復路で利用する6号のダイヤは、次のとおりです(上段が5号、下段が6号です)。

 入線までの間でホームをウロウロしていると、「指宿のたまて箱」の乗車位置を示す表示板が掲出されていることに気付きました。ホームの黄色い点字ブロック付近に乗車位置を示す目印があるのは見かけますが、こうした表示板が珍しいですね。

 そんなことをしているうちに、指宿方面から列車が入線してきました。到着後しばらくは車内清掃のため、すぐに乗車することはできません。しばらくすると、乗車開始の案内があり、ホーム上にいた方々が一斉に乗車していきました。

指宿のたまて箱で使用されているキハ47形・キハ140形:鹿児島中央駅 2023/9/22

 上の写真は、車内清掃中の待ち時間を利用してホームから撮影しました。中央を境にして白と黒に塗り分けられた特徴的な列車です。これまでにもネット上で目にしたことはあったのですが、実車を見てみると、あらためて大胆なデザインだということがよく分かります。

 今回の乗り鉄旅では、往復とも「指宿のたまて箱」の全区間に乗車するため、往路と復路で違う号車に乗車することにしました。なお、「指宿のたまて箱」は通常、専用車両の2両編成(キハ47-8060・キハ47-9079)で運行されていますが、当該車両が検査などのために使用できない時には、1号車または2号車のどちらかに予備車両(キハ140-2066)が使用されることがあります(多客期には、専用車両+予備車両の計3両編成で運行される日もあります)。今回は平日ということで通常の2両編成ですが、2号車には予備車両が充てられていました。そして往路では、予備車両である2号車に乗車しました。

 予備車両の外観の特徴は、専用車両にはない展望スペースです。なお、この予備車両は、以前は「はやとの風」仕様で共通予備車となっていましたが、現在は再改造されて「指宿のたまて箱」専用車両と同じ塗色になっており、編成としての統一感が図られています。

 車体側部のロゴもJR九州のD&S列車らしいですね。定刻になると、列車は気動車特有のエンジンを奏でながら、鹿児島中央を発車しました。ちなみに、僕が指宿枕崎線を利用するのは今回が初めてです。地方のローカル線ということで、失礼ながら始発の鹿児島中央発車後は、ずっと自然豊かな風景が続くかと思いっていましたが、途中には立派な高架区間もあり、鹿児島の市街地を走る路線でもあることが分かりました。
 それではここで、往路で乗車した2号車の車内を紹介したいと思います。

 先ほどお話ししたとおり、今回の2号車には予備車両が充当されています。専用車両と予備車両で外観は統一されているものの、車内設備や座席は共通化されていません。専用車両には海側に1人掛けのカウンター席があるのですが、予備車両は車両中央にある展望スペースを除き、2+2配置の回転リクライニングシートが並んでいます。車内の雰囲気は、以前に乗車した「はやとの風」のことが思い出される車両設備でした。

 そして車両中央にある展望スペース部分も撮影しました。「指宿のたまて箱」は全車指定席ですが、展望スペースの座席は誰でも利用することができます。本来であれば、乗客同士が譲り合って利用すべきものですが、実際には、残念なことに早い者勝ち状態となっていました。

 今回は平日にも関わらず指定券は完売ということで、相席となりました。これはこれでもちろん仕方ないことですが、僕の隣席の男性は数人のグループで乗車した中国人旅行客のようで、グループでまとまった座席を確保できなかったらしく、通路を挟んで近くの席に座っている仲間の方と大きな声で会話をしていました。正直、僕はこういう場面が苦手です。さらにその男性は、大柄な上に脚を投げ出しふんぞり返ったような姿勢でずーっとスマホを操作しており、「すいません🙇」と声をかけて前を通らせてもらうこともはばかられる感じでした。本来であれば少し席を離れて写真撮影をしたかったのですが、せっかくの旅行中に嫌な思いをしたくなかったので、ただひたすらじっと窓側座席で車窓を眺めていました。

 外国から来日される方も様々で、もちろんルールやマナーを守って行動されている方がほとんどだと思いますが、そうでない方も一定数いらっしゃるようで、乗客同士のトラブルに発展するケースもあるようです。ルールやマナーを守るよう注意すべきなのか、諦めて我慢する方が結果的にはいいのか、その答えは分かりませんが、できることなら、こうした場面には遭遇したくないものです。そんなモヤモヤした状態であれこれ考えているうちに列車は終点の指宿に到着しました。

 

指宿駅から特急指宿のたまて箱6号に乗車

 指宿駅での滞在時間はわずか18分ですが、せっかくの機会なので改札を出て駅前で写真を撮影しました。南国感あふれる風景がいいですね。

 駅前には足湯の設備もありましたが、残念ながら時間の都合で利用できませんでした。次の機会には、是非とも指宿周辺の観光を楽しみたいものです。

 ここで再び改札を入り、停車中の「指宿のたまて箱」を撮影しました。指宿駅のホームには、地元の高校生によるお出迎えとお見送りがあります。それから、下の写真をよく見ていただくと、車体上部から白い煙のようなものが流れ出ているのがお分かりいただけるかと思いますが、これは「たまて箱」の白い煙をイメージして噴射されたミストです。なかなか面白い演出ですね。

鹿児島中央駅へと折り返す指宿のたまて箱指宿駅 2023/9/22

 復路では、専用車両である1号車に乗車します。こちらは早めに指定券を確保しておいたため、海側にある1人掛けのカウンター席を利用することができました。座席周りが広々としており、気分はグリーン席です。同じ列車の座席とは思えず、往路での窮屈さが嘘のようです。やはり乗車環境って大切ですね。今回つくづく感じさせられました。

 僕が利用した1号車14A席です。1人掛けカウンター席の中でも窓枠に邪魔されずに車窓を眺められる当たり席ですので、これから乗車を考えられている方にはオススメです。この他にも、1号車には様々なタイプの座席が用意されています。

 まずは、運転席後ろにあるボックス席です。リクライング機能はないようですが、大きなテーブルが付いており、グループでの利用に向いています。

 こちらは、1号車で最も座席数の多い回転リクライングシートです。よく見ていただくと、予備車両のものとは背もたれ部分が異なっています。見た感じでは、予備車両のものより座り心地は良さそうです。

 また、車両中央部にはフリースペースとしてソファー席があります。座席周りには木製の書棚があり、本に囲まれながら乗車することができます。乗客の中には、このスペースを利用して記念撮影をする方がいらっしゃいました。

 ついでに車内全体を見回してみました。内装や照明の違いもあってか、予備車両よりも明るくて上質感のある空間となっていました。

 そして1号車の車端部にはサービスカウンターがあり、オリジナルグッズや飲み物などを販売しています(下の写真には商品が写っていませんが…)。

 時間的にちょうどいいおやつタイムということで、僕は「いぶたまプリン」とペットボトル入りの知覧茶を購入しました。「いぶたまプリン」はクリームと黒ゴマの2層になったプリンで、「指宿のたまて箱」の車両をイメージした商品のようです。プリンはどちらかといえば固めの生地で、特に黒ゴマの生地からはしっかりとしたゴマの香りが感じられました。

 復路で利用したカウンター席は、すべて海側に位置しているため、車窓からは錦江湾桜島雄大な自然の風景を堪能することができました。素晴らしい景色を眺めながら美味しいデザートをいただくのは、何とも贅沢な時間です。往路と復路で乗車時間はほとんど同じはずですが、僕としては復路の乗車はあっという間という感じでした。楽しい時間はすぐに過ぎてしまいます。

 そしてこれから「指宿のたまて箱」に乗車される方には、絶対にA席をオススメします。D席も窓側ですが、海と反対側になってしまい、眺望という点では今ひとつです。また、観光列車にありがちなことですが、窓枠と座席位置が一致しない席もあることから、乗客を決めたら早めにJR九州のWebページなどで座席表を確認し、すぐにでも指定券を確保した方がいいです。同じねだんであれば、やはり眺望のいい座席の方がいいですもんね。

 余談ですが、夏ということもあってか線路沿いの草木が生い茂っており、長く伸びた枝などが走行中の車両に接触することが何回かありました。車体部分ならまだしも、ガラス窓に当たるとバチバチっという音が聞こえてきてちょっと心配になるほどです。経費削減や人手不足といった事情もあるのかもしれませんが、安心・安全な運行のためにも、最小限の草刈りや枝落としは必要だなと思いました。

 そんなことを思ったりしているうちに、列車は定刻どおりに鹿児島中央に到着しました。念願だった「指宿のたまて箱」に往復とも乗車でき、とても満足です。

 これで今日の乗り鉄旅は終了です。後はホテルでゆっくり過ごします。チェックインした後、客室内でダラダラ過ごしてしまい、夕食をいただこうと7時くらいに外出しましたが、1軒目はあいにくの満席、そして2軒目はすでにオーダーストップということで、結局、食べたいと思っていた鹿児島の黒豚をいただくことはできませんでした😰 さらに新しいお店を探す気になれなかったので、最終的にはコンビニ弁当になってしまいました。もっと早めに行動しておけばよかったと後悔しても、あとのまつりです。お弁当を食べて、大浴場で入浴し、明日に向けて英気を養うべく、早々に就寝しました。

 

記念乗車証の紹介

 サービスカウンターには記念乗車証があり、車内には裏面に押印できるスタンプも用意されています。「指宿のたまて箱」が走る指宿枕崎線は、路線の状態があまりよろしくないようで、走行中の揺れが大きいことで知られています。そんな車内できれいにスタンプを押印するのは至難の技ですが、僕は指宿駅停車中に押印したため、ずれなく押印できました。

>>(2)に続く