レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

2つの観光列車に乗車する香川・徳島乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 前回は阿波池田駅に到着するところまでを紹介しました。今回の乗り鉄旅では、名古屋市内→阿波池田阿波池田名古屋市内の片道乗車券を購入しており、往復とも阿波池田を発着駅としています。そのため、ここ阿波池田でちょうど往路を終えたことになり、阿波池田から先は復路ということになりますが、よくよく考えてみると、今回の旅行経路であれば連続乗車券が購入できたのではないかと思えてきました。つまり1枚目の乗車券を名古屋市内→(阿波池田・徳島・高松経由)→宇多津とし、2枚目の乗車券を宇多津→名古屋市内とする方法です。いわゆる「乗車区間が1周を超える場合」に該当すると思うのですが、実際に購入できたものなんでしょうか? 旅客営業規則などに詳しい方、教えてください。

 

 

阿波池田駅から藍よしのがわトロッコに乗車

 特急「南風」の阿波池田駅到着は14時24分で、次に乗車する「藍よしのがわトロッコ」の発車時間は14時33分なので、乗換時間にあまり余裕はありません。阿波池田駅では一旦改札を出ましたが、すぐにそのまま復路の乗車券で入場したため、駅員さんもちょっとビックリ😲していました。

 阿波池田駅の4番線には、すでに「藍よしのがわトロッコ」が入線していました。車両を見るのは初めてですが、鮮やかでキレイな色使いの車体だなというのが第一印象です。

藍よしのがわトロッコ1号車のキクハ32形:阿波池田駅 2024/5/4

藍よしのがわトロッコ2号車のキハ185系:阿波池田駅 2024/5/4

 「藍よしのがわトロッコ」は2両編成で、1号車はトロッコ車両のキクハ32形で、2号車はトロッコ車両の控車として使用されている普通車両のキハ185系です。トロッコ車両自体は動力装置を持っていないため、キハ185系のディーゼルエンジンのみを動力として走行していますが、トロッコ車両にも運転台があるため、キハ〜ではなくキクハ〜という形式称号となっています。

 「藍よしのがわトロッコは、徳島⇔阿波池田間を土休日を中心に1往復していますが、トロッコ車両に乗車できる区間は、上り下りとも石井⇔阿波池田間に限られており、徳島⇔石井間では、乗客全員が2号車の普通車両を利用することになります。車両形式が1号車と2号車とでそろっておらず、車体形状も全く異なる2両ですが、カラーリングが統一されているため、特に違和感は感じません。

 阿波池田駅では手短に写真撮影を済ませ、早速トロッコ車両に乗り込むと、列車はすぐに発車となりました。僕が乗車する徳島行きの便は「かちどきの風」と呼ばれるもので、その運行ダイヤは次のとおりです。ここから約2時間30分、「藍よしのがわトロッコ」の旅が始まります。

 阿波池田駅を発車した「藍よしのがわトロッコ」は、隣の佃駅から徳島線に入ります。阿波加茂駅に停車した後は貞光駅で約10分停車します。貞光駅発車後は穴吹駅に停車し、その次に停車する石井駅までがトロッコ乗車区間となります。石井駅からは控車に乗車して引き続き徳島線を東に走り、佐古駅高徳線に入って終点の徳島駅に到着します。一つの列車でトロッコ車両と回転リクライニングシートを備えた普通車両の2つのタイプの車両に乗車できるという、乗り鉄的には2度おいしい列車となっています。

 トロッコ列車は当然、ガラス窓などないため、外気がそのまま車内に入ってきます。それほど風が強い訳ではありませんが、それでも走行中は思い切り風を感じます。今日は気候がいいので、開放的なトロッコ列車は最高ですね。実に気持ちがいいです😄 ちなみに徳島線は、一部区間において吉野川と並走しているため、トロッコ車両の中でも吉野川側の座席が人気です。僕が指定券を手配する時点でも、吉野川側の座席にいくつか空席がありましたが、トロッコ車両はテーブルを挟んだ4人掛けボックス席となっており、吉野川側の座席を選択すると他の乗客とボックス内で相席になってしまうため、今回は気兼ねなく利用することを優先し、吉野川側とは反対側になる座席を選びました。

 トロッコ車両は、車体全長が16mしかなく、標準的な国鉄型車両と比べるとこじんまりとした車両ですが、実際に乗車してみると、それほど窮屈さは感じません。噂によると、同じJR四国トロッコ列車でも、元無蓋貨車のトラ45000形を改造した「しまんトロッコ」のトロッコ車両は、走行時の振動がダイレクトにお尻を直撃する乗り心地だそうですが、キクハ32形は旅客用に製造された車両というだけあって、それほど振動が気になることはありません。

 そんなトロッコ列車に心地よく揺られているうちに、貞光駅に到着しました。

 貞光駅徳島線を走る特急「剣山」も停車する駅で、構内踏切を渡った先に駅舎があります。ちなみに公共交通機関を利用して剣山を訪れるには、貞光駅前から登山口までバスに乗車するようですが、どれくらい時間がかかるのでしょうか?

 停車時間を利用して、ここでも車両を撮影してみました。藍色に至るグラデーションがキレイですね。車両を撮影している際に気付いたのですが、2号車の運転台に何やら四角い顔をしたぬいぐるみが置かれています。これはJR四国のマスコットキャラクター“れっちゃくん”です。また、“れっちゃくん”が見える窓の下にはヘッドマークが取り付けられています。「藍よしのがわトロッコ」は、台湾の鉄道会社が運行している観光列車「藍皮解憂號」と姉妹列車協定を締結したということで、これを記念して掲出されているようです。

 ここであらためて、トロッコ車両の車内を紹介したいと思います。先ほどお話ししたとおり、トロッコ車両はテーブル付きの4人掛けボックス座席となっています。テーブルはかなり大きめなので、グループでお弁当を食べる際にも十分だと思います。

 穴吹駅の次に停車するのは石井駅です。せっかくなので、ここでもキハ185系をパシャリ📸

 ここでトロッコ車両から普通車両のキハ185系に乗り換えます。トロッコ車両は基本的に、窓側A席と通路側B席、その対面の通路側C席と窓側D席の4席で一つのボックス座席となっていますが、普通車両は元々特急列車で使用されていたことから回転リクライニングシートとなっており、通路をはさんで左右にA・B席とC・D席とが1列ずつ並んでいます。

 ちなみに控車の2号車の座席も指定されており、1号車のトロッコ車両と同じ座席番号の座席に着席することとなっています(正確に言えば、指定券は2号車の普通車両の座席番号で発券されるため、トロッコ乗車区間ではこれと同じ座席番号のトロッコ座席を利用することになります)。石井⇔阿波池田間では乗客の多くがトロッコ車両を利用しており、普通車両にはほとんど人がいないため、自由席と勘違いされることがないよう、シートの座席カバーには指定席の表示がありました。後になって思い返すと、僕がキハ185気動車に乗車したのは、「四国まんなか千年ものがたり」「志国土佐時代の夜明けのものがたり」を除いて初めてだったのではないかと思います。

 列車は佐古駅から高徳線に入りましたが、通過駅のためよく分かりませんでした。終点の徳島駅では2番線に到着します。徳島県内には電化された路線がなく、電車が運転されていない県として知られており、もちろん徳島駅を発着するすべての列車が気動車となっています。

 反対側の3番線に移動すれば、ホームに邪魔されずに2両編成の全体を撮影することができたはずですが、その時は何故か思い至らずに撮影し忘れました😓 惜しいことをしました。

 

徳島駅から特急うずしおに乗車

 今回使用している乗車券は、阿波池田駅から徳島線高徳線を経由して本四備讃線を通り岡山方面に向かう経路で購入しています。徳島線から高徳線に乗り換える場合、佐古駅が分岐駅となりますが、「藍よしのがわトロッコ」は佐古駅を通過するため、高松方面に向かうには佐古-徳島間を折り返し乗車することになります。このような場合、運賃計算上は折り返し区間を含めないでキロ数を算出する「分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例」があります。ただし、この乗車券では徳島駅では途中下車できないため、注意が必要です。(なお、別に佐古―徳島間の往復運賃を支払えば途中下車可能です。

 徳島駅からは特急「うずしお」に乗車します。僕は高徳線を利用するのも、特急「うずしお」に乗車するのも初めてです。

 ホーム上でしばらく待っていると、2両編成の気動車特急が入線してきました。初めは特急「南風」でも乗車した2700系気動車かと思っていましたが、よく見ると2600系気動車ではありませんか! 2600系は2000系の置き換え用として開発されたものの、土讃線での運用に課題があることが判明し、量産が中止された車両です(そのため、2000系の本格的な置き換えは2700系で行われることとなりました)。結果的には4両(2両×2編成)のみ製造された車両で、僕が2600系を見るのはもちろん初めてです。

うずしお号で使用されている2600系気動車徳島駅 2024/5/4

 車両の外観は、後輩にあたる2700系と酷似していますが、2700系が前面から側面にかけてディープレッドとゴールドに加えてイエローグリーンの帯が引かれているのに対し、2600系はディープレッドとゴールドの2色でのカラーリングが施されています。

 今回はゴールデンウイーク期間中ということもあり、ひょっとしたら混雑するかも知れないと思って指定席を確保しましたが、実際には全く混雑するようなことはなく、自由席でも相席にならずに好きな座席を利用できる程でした。考えてみれば、ゴールデンウイークという最繁忙期にも関わらず、所定の2両編成のまま運転されるということは、それほどの混雑は見込まれていなかったということだと思います。

 2600系の車内です。特急「うずしお」は高松―徳島間の約75kmを走る比較的短距離の特急ということで、自由席中心の運行が行われており、指定席は1号車のうち半分のみです。ちなみにグリーン車は設定されていません。同じ号車の中に自由席と指定席とが混在しているため、指定席の座席カバーには指定席の表示があります。かなり目立つ色合いの座席カバーとなっているため、これであれば誤着席を防ぐことができると思います。

 乗車時間は約1時間で、終点の高松に到着しました。実は途中で爆睡😪してしまい、その後もウトウトしていたら高松に着いてしまいました。せっかくなので、徳島駅で撮影していなかった徳島寄りの車両も撮影してみました。今度はLEDの愛称幕もはっきりと見えますね。

 

高松駅から快速マリンライナーに乗車

 もし可能であれば、高松駅でも途中下車してゆっくりしたいところですが、特急「うずしお」の高松駅到着は18時32分で、ここから乗車する快速「マリンライナー」の高松駅発車は18時40分なので、あまり時間的な余裕はありません。乗り遅れると大変なので、すでに5番線に停車している5000系の快速「マリンライナー」に乗車しました。

 「マリンライナー」は岡山-高松間で運行されており、本州と四国を結ぶ代表的な列車の一つです。使用車両は、JR四国の5000系とJR西日本の223系が併結した5両編成(早朝・深夜時間帯を除く。)が基本で、異なる会社の車両が併結して運転される珍しい運用となっています。このうちJR四国の5000系(高松方)については、先頭1号車(5100形)がダブルデッカー構造となっており、階上席はグリーン席指定席、階下階は普通席指定席となっています。外観は首都圏で馴染みのある普通列車グリーン車とそっくりですが、5100形は先頭車となるため、運転台が取り付けられている点が大きな違いとなります。

マリンライナー号で使用されている5000系:高松駅 2024/5/4

 僕は、これまでの乗り鉄旅で5000系に乗車しており、グリーン席も普通車指定席も利用したことがあります。特にグリーン席については、運転席の真後ろにあるパノラマ席に乗車しました。高松行きの「マリンライナー」では、5000系が先頭車両となることから、瀬戸大橋を渡る列車からの前面展望を楽しんだ思い出があります。

 今回は、「マリンライナー」は一般的な快速列車であり、乗車券だけ普通車自由席に乗車することができますが、今回はちょっと課金してダブルデッカーの指定席車両に乗車することにしました。階上のグリーン席を利用してもいいかなと思いましたが、すでに往路の「ラ・マルことひら」でグリーン車を利用しており、また、階下の普通車指定席であっても、設備的には十分なことから、普通車指定席を選びました(グリーン料金をケチったというわけではありません)。

 ちなみに5100形は、車内の構造も首都圏を走る普通列車グリーン車とほとんど同じで、グリーン車指定席、普通車指定席とも2+2配置の回転リクライニングシートとなっていますが、シートピッチはグリーン席の方がやや広く、リクライニングも深く倒すことができます。首都圏の普通列車グリーン車であれば階上席でも階下席でも料金に違いはありませんが、マリンライナーの場合は車両設備が違うため、料金が全く異なります。ただ実際には、車両設備の違いというよりも、階上席であれば瀬戸大橋からの景色を眺めるのに適しているという点に価値が置かれているのだと思います。ちなみに一般的な快速列車の指定席料金は530円ですが、e5489を使ってインターネットで指定席券を購入すると、330円で普通車指定席を利用することができます。

 階下席の写真です。座席のモケット柄が隣同士で異なる色となっており、全体的に明るい印象です。階下席であるがゆえの閉塞感はありません。また、グリーン席には背面テーブルがありますが、階下席の普通車指定席にはありません。まあ、乗車時間を考えれば、それほど不便に感じることもないかなと思います。僕は窓側座席を利用しましたが、視線の高さはまさにE233系などの普通列車グリーン車と同じです(当たり前)。駅到着時には、ちょうど目の前にホームがあり、一般的な列車では味わえない視点からの列車旅を楽しむことができます。

 瀬戸大橋を走行中、窓の外を眺めていると、美しい夕焼けの瀬戸内海の景色を見ることができました。ちなみに上の写真は車内から撮影したものですが、座席ではなくデッキで撮影したものです。

 終点の岡山駅に到着しました。乗車時間は1時間弱です。宇高連絡船しかなかった時代には、岡山―高松間の移動にどのくらいの時間を要したのか分かりませんが、宇野での乗り換えが必要で時間もかかったでしょうから、瀬戸大橋の開通による利便性の向上と時間短縮効果は大きいものだろうと思います。なお、1988年4月に開業した瀬戸大橋線ですが、利用者が累計で3億人に達する見込みということで、現在は専用のヘッドマークを掲げていました。

 

岡山駅から山陽新幹線に乗車

 岡山駅で夕食用のお弁当とお土産を購入し、新幹線改札口から入場します。復路も「のぞみ」号に乗車して名古屋に戻ります。同じ最速達タイプであっても「のぞみ」号は全車指定席となっているのに対して、「みずほ」号には通常どおり自由席が設定されています。乗車機会の少ない「みずほ」号にも乗車しておきたいところですが、どうしても新大阪駅での乗り換えが必要となってしまいます。

 待避線には、700系レールスター車両が停車していました。700系はすでに東海道新幹線から引退しているため、山陽新幹線区間でしかお目にかかることができません。こちらも機会を捉えて乗車したい車両の一つです。

待避線で発車を待つ700系レールスター岡山駅 2024/5/4

 僕が乗車する「のぞみ」号が入線してきました。車両はN700Sです。今日は不思議と車両の“カブり”がありません。往路の新幹線はN700系→ラ・マル・ド・ボァの213系→特急南風の2700系気動車→藍よしのがわトロッコキハ185系とキクハ32形→特急うずしお2600系気動車快速マリンライナーの5000系→復路の新幹線はN700Sという順で、新幹線と在来線、電車と気動車、観光列車と定期列車など様々な車両に乗車することができました。

東京へと向かう新幹線N700S:岡山駅 2024/5/4

 僕が乗車するのは3号車です。普段の時期であれば3号車は自由席のため、3号車の指定席に乗車する貴重な機会です。全車指定席ではありますが、やはりいつも感覚で4号車以降の号車で指定席を確保する方が多いようで、乗車の2、3日前にシートマップを見てみると、1号車から3号車までは比較的空席が残っていました。しかし発車時刻が近づくに連れてそれらの座席も徐々に埋まっていったようです。僕は往路と同じように、3人掛けの窓側座席(A席)を利用します。通路側座席(C席)はすでに別の方が着席されていましたが、中央の座席(B席)は空席のままでした。

 約1時間35分の乗車で新幹線は名古屋駅に到着しました。今回の乗り鉄旅もすべて予定どおりの行程で無事に終えることができました。天気は終始快晴で気候も穏やかだったため、特にトロッコ車両での乗り鉄旅を楽しむには最高の1日だったと思います。

 

乗車券類の紹介

 では最後に、復路で使用した乗車券類を紹介したいと思います。

 乗車券はあらかじめ豊橋駅で購入しておいたもので、往路とは経路が異なるため値段も2,050円高くなっています。「藍よしのがわトロッコ」の指定席はe5489で予約しておき、岡山駅で発券しました。予約時にシートマップが表示されますが、これは控車である2号車の座席配置となっていますので、1号車のトロッコ車両の座席位置を確認しながら選ぶといいと思います。特急「うずしお」の特急券と快速「マリンライナー」の指定券も、e5489のチケットレスサービスを利用して購入しました。JR東日本えきねっとでは、在来線のチケットレスサービスを利用する際に券売機での換券はできませんが、JR西日本のe5489では、チケットレスサービスを利用しても券売機で換券することができるため、きっぷ鉄的にはとてもありがたいです。

 今回の乗り鉄旅の紹介は以上で終了です。5月下旬には東日本方面への乗り鉄旅を計画していますので、また皆さんにご紹介できることを楽しみにしています。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇