レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

3つの新幹線に乗車する青森往復乗り鉄旅(1)

 青森を始めとする東北6県では、2021年4月1日から9月30日までの期間で「巡るたび、出会う旅。東北」をキャッチコピーとするデスティネーションキャンペーン(東北DC)が開催されています。東北6県での6か月にわたるDCの開催は初めてで、さらに今年は東日本大震災から10年の節目を迎えるということもあり、本来であれば、東北各県の観光スポットや各種イベントなどを通じて盛大に開催されるところですが、首都圏を含む各地での緊急事態宣言の再発令やまん延防止等重点措置の適用によって旅行自体が縮小傾向にあり、また、新型コロナウイルス感染拡大に伴うセレモニーの中止やイベントの見直しなどの影響もあってか、いまひとつ気運の盛り上がりが感じられない印象を受けます。しかし、ウィズコロナやアフターコロナといった新たな時代への対応が求められる中、こうしたDCの位置付けやあり方そのものにも変化が必要となり、ある意味、今回の東北DCが、今後各地で開催されるDCの“試金石”になると言えるのかもしれません。

 そんな状況にある東北地方ですが、僕は、昨年12月に「フルーティアふくしま」と「とれいゆつばさ」に乗車する南東北乗り鉄旅に出かけたところです。しかし、北東北を直近で訪れたのは、2019年8月に「カシオペア紀行 湯沢行き」のツアーに参加した時なので、約2年前ということになります。そうしたこともあり、久しぶりに北東北を乗り鉄旅で訪れたいなと思っていたところ、JR東日本が2021年3月16日付けで発表したプレスリリースを何気なく見ていると、次のような記載がありました。

○東北DCにあわせたきっぷの販売
 ■ えきねっと会員限定「お先にトクだ値スペシャル(50%割引)」(乗車券つき)を東北・山形・秋田・北海道新幹線にご用意します!
 ・利用期間:2021年4月3日~2021年9月30日
  「普通車指定席」だけでなく、目玉として、これまで設定したことのない「グリーン車」、「グランクラス」(飲料・軽食なし)に「お先にトクだ値スペシャル(乗車券つき)」( 50%割引)を設定します。

 公表された資料の中では、それほど大きく取り上げられていませんでしたが、個人的には非常に興味を引かれるものです。グリーン車もさることながら、グランクラスまでが半額になる機会は(僕が知る限りでは)過去に例がなく、是非ともこの機会に乗車してみたいと思っていました。しかし、前回の記事でもお話ししたとおり、遠方に乗り鉄旅に出かける機会に恵まれず、時間だけが過ぎてしまいましたが、今回、7月下旬の平日に休日出勤分の代休を取得できることになったため、この代休日を利用して東北新幹線の「グリーン車」と「グランクラス」に乗車する乗り鉄旅を計画しました。また、せっかくの北東北方面への乗り鉄旅ということで、まだ乗車したことがないE751系の特急「つがる」にも乗車してみることとし、次のような旅行行程を組み立てました。

f:id:Len_Railway:20210731153222p:plain

 豊橋-東京間は東海道新幹線の「ひかり」を利用します。今回は東北新幹線グリーン車グランクラスに乗車するちょっと贅沢な乗り鉄旅となるため、東海道新幹線区間も今回の旅に相応しいものとなるよう、グリーン車を選びました。往路では、東京から終点の新青森まで「はやぶさ」に乗車し、この区間グリーン車を利用します。新青森からは特急「つがる」で秋田に移動し、秋田から盛岡までは秋田新幹線の「こまち」に乗車します。盛岡から東京までの復路では「やまびこ」に乗車し、この区間グランクラスを利用します。

 この行程を作成する初期の段階では、青森まで行く数少ない機会であるため、1泊してもいいかなと思っていましたが、作成した旅行行程がちょうどぴったりと1日に収まったため、日帰りでの弾丸乗り鉄旅となりました。いつものことですが、今回の旅行行程も、目的の列車に乗車することを最優先に組み立てており、現地での観光要素はありません。

f:id:Len_Railway:20210731153319j:plain

f:id:Len_Railway:20210731153337j:plain

東京駅に次々と発着するN700A:東京駅 2021/7/30

 東海道新幹線区間では、安定のN700Aに乗車しました。上の写真は、東京到着後にホームの端で撮影したものです。ちなみに東海道新幹線の最新型車両であるN700Sですが、以前は運用が固定されておらず、日によって充当される列車が異なっていました。しかし現在は、運用が固定されているようで、市販の時刻表やJR東海のWebサイトを見れば、簡単に調べることができます。「のぞみ」(1日当たり上下合わせて9本)を中心に、一部の「ひかり」(同3本)、「こだま」(同6本)でも活躍していますが、運転本数は限られており、乗車する機会はまだまだ多くありません。僕は一度だけ、N700Sの普通車に乗車したことがありますが、グリーン車には乗車したことがないため、是非とも乗車してみたいと思っているところです。

f:id:Len_Railway:20210731162018j:plain

f:id:Len_Railway:20210731162035j:plain

 N700Aグリーン車の車内です。東海道新幹線を走る列車はすべて16両編成で、そのうち8号車から10号車までの3両がグリーン車です。これまでにも何度かN700Aグリーン車には乗車していますが、車内の様子を撮影したのは初めてかもしれません。今回は、車内が空いており、後から紹介するH5系と比較するため、参考までに撮影しておきました。

f:id:Len_Railway:20210731163518j:plain

f:id:Len_Railway:20210731163536j:plain

f:id:Len_Railway:20210731163552j:plain

はやぶさ号で使用されているE5系:東京駅 2021/7/30

 続いて東北新幹線区間で乗車するE5系です。E5系はこれまで、「やまびこ」「なすの」として数回利用したことがあり、このうち「なすの」では一度だけグリーン車を利用しましたが、E5系に「はやぶさ」として乗車するのは初めてです。また、東京-新青森東北新幹線の全区間を乗り通すのも今回が初めてのことです。

f:id:Len_Railway:20210731163442j:plain

 車両の外観は、これまでにも何度か撮影したことがありますが、今回は記念すべき東北新幹線完乗の旅ということで、あらためて撮影しました。緑色(ときわグリーン)と白色(飛雲ホワイト)のツートンカラーが光り輝いており、両色の境界部にピンク色(つつじピンク)の帯が配されています。緑色のボディカラーは、初代200系でも使用されており、東北新幹線を代表する色と言えますが、この色はJR東日本のコーポレートカラーを意識したものでもあるそうです。また、挑戦的ともいえるロングノーズが実に印象的で、スピード感だけでなく、近未来感が伝わってくる先進性ある先頭形状となっています。

f:id:Len_Railway:20210731163707j:plain

 E5系グリーン車の車内です。当然ですが、上質で落ち着きのある車内空間となっており、しっかりとした居住性と快適性が確保されています。座席の背もたれにも重厚感があり、ゆったりと身体を委ねられる安心感があります。普通車と比べると、前座席との間隔や座席幅が広いため、全体的にゆとりがあり、ストレスを感じさせません。さきほど東海道新幹線N700Aに乗車したばかりなので、両者の違いを自分なりに比較してみると、両車両とも新幹線のグリーン車に相応しい十分な設備となっていますが、座面のクッション性や、リクライニングした際のホールド感には違いがあります。こうした違いは、個人の好みによるところが大きいと思いますが、僕としては、どちらかといえばN700Aグリーン車の方が体に馴染むような感じがしました。一方、E5系グリーン車の座席は、N700Aにはない電動式のレッグレストが装備されており、足全体を支えてくれるような構造がとても心地よく感じられます。さらにフットレストが省略されているため足元がすっきりしており、しっかりと足を伸ばすことができるようになっていることから、例えば東京-新函館北斗間といった4時間を超えるような乗車の際には、その威力を発揮するものと思います。今回の乗車時間は約3時間10分でしたが、意外とあっという間で、まだまだこのまま乗車していたいと思えるような車内空間でした。

 >>(2)に続く