レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

近鉄の団体専用列車「楽」「かぎろひ」に乗車

 僕は普段、個人手配で乗り鉄旅を楽しむことがほとんどですが、今回は久しぶりに団体でのツアー旅行に参加してきましたので、その内容を紹介したいと思います。

 まず、今回のツアーですが、クラブツーリズムの『往路「楽」・復路「かぎろひ」2つの近鉄団体専用列車に乗車!たっぷり楽しむ伊勢フリープラン』というもので、近鉄名古屋駅から伊勢市駅(復路の出発は宇治山田駅)までの間を2つの団体専用列車で往復するというものです。ちなみに僕が申し込んだプランでは、往路の名古屋→伊勢市が20000系「楽」で、復路の宇治山田→名古屋が15400系「かぎろひ」となっていますが、往路と復路で逆の列車を利用するプランも設定されていました。どちらにしようか迷いましたが、今回はリニューアル直後の20000系「楽」への乗車をメインとしたかったので、往路で「楽」に乗車できるプランを選択しました。

 ところで今回乗車する「楽」ですが、僕はこれまでに一度だけ乗車したことがあります。2019年4月のゴールデンウィーク期間中に限定で発売された「GW伊勢まで『楽』らくきっぷ」という企画乗車券を利用し、近鉄名古屋から五十鈴川まで「楽」に乗車しました。

len-railway.hatenablog.jp

  「楽」は今年の夏、全面リニューアルされましたが、前回乗車したのはリニューアル前なので、内外装とも現在の車両とは大きく異なっています。今回は、約1年半前に乗車した「楽」がとのように生まれ変わったのか、それを見つけるもの楽しみのひとつです。

f:id:Len_Railway:20201214210937j:plain

f:id:Len_Railway:20201214211104j:plain

リニューアルされた近鉄20000系「楽」:伊勢市駅近鉄名古屋駅 2020/12/13

 旅行会社からあらかじめ郵送されてきた最終案内では、往路での乗下車時間について、次のとおり案内がありました。

 近鉄名古屋8:37発→桑名8:56発→近鉄四日市9:10発→津9:37発→伊勢市10:19着

 僕は始発の近鉄名古屋から乗車しますが、途中駅でも乗車可能のようです。事前に案内のあった集合場所で受付を済ますと、これから乗車する「楽」の入線時刻は8時33分とのお知らせがありました。発車までの時間はわずかなため、乗り遅れには注意しなくてはいけませんが、せっかくの機会なので写真も撮りたいと思い、短時間のうちに4号車側の先頭車両を数枚撮影しました。近鉄名古屋駅は地下ホームのため、今回のように濃い目の茶色系統の列車を撮影しようとすると、どうしても全体的に暗い写りになってしまうのが残念です。終点の伊勢市でも、1号車側の先頭車両を撮影したのですが、残念ながら強い逆光になり、これまたうまく写真に写真に収めることができませんでした。

 リニューアル前と比べて見ると、何と言っても外観色が大幅に変更されていることが分かります。以前に乗車した時は、レモンイエローとパールホワイトのツートンカラーで、縦型の標識灯とも相まって、どこか可愛らしい風貌の列車でしたが、リニューアルによって「漆メタリック」という塗色に変更され、ところどころに和柄の模様が描かれており、まるで別の列車に生まれ変わったような落ち着きのある雰囲気です。

f:id:Len_Railway:20201214211336j:plain

1号車の展望スペース

 続いて車内の様子です。まず運転室後方のスペースは、リニューアル以前は階段状に転換クロスシートが設置された展望席となっていましたが、フリースペース「楽 VISTA スポット」に改装されてソファが設置されていました。天井が高く、さらに3面方向の眺望が同時に楽しめるため、開放感は抜群です。

f:id:Len_Railway:20201214211522j:plain

1号車の階上室(座席スペース)

f:id:Len_Railway:20201214211633j:plain

1号車の階下室(フリースペース)

 「楽」は、先頭車両である1号車と4号車はダブルデッカー構造となっており、以前は階上にも階下にも座席が設置されていましたが、現在は階上室にのみ座席が設置されています。階下室はフリースペースになっており、乗客が自由に利用することができるようになっていました。僕は1号車の階下スペースをちょっとだけ見学しましたが、その時にはフリースペースの利用者はいませんでした。今回は、階上室の座席スペースと階下のフリースペースを両方とも記念に撮影しておきました。

f:id:Len_Railway:20201214211729j:plain

2号車の車内

 中間車となる2号車と3号車は、ハイデッカー構造となっており、転換クロスシートがずらりと並んでいます。和柄をモチーフにしたモケット柄で、数種類の柄が各座席にランダムに配置されていました。ここまでは先頭車両の階上席と同じですが、中間車両の各座席には、照明付きの大型テーブルが据え付けられていました。転換クロスシートをテーブル付きとする場合、どうしてもテーブルを座席の肘掛けの中に収容するタイプのものとなってしまい、必要最小限のサイズになってしまいますが、座席から独立させた大型テーブルが別に用意されていれば、お弁当や飲み物などを置いておくのにも便利で、何より座席から移動する際にも全く邪魔になりません。団体列車としては、非常に使い勝手のいい設備だと思います。

 一方で、各座席ごとに大型テーブルを据え付けたことから、リニューアル前よりもシートピッチが広くなり、結果として窓枠の位置と一致しない座席が発生してしまいました。僕の座席は2号車11ABでしたが、少なくとも伊勢市方面に乗車する場合には窓枠に邪魔されず、車窓を楽しむことができましたが、ハズレ席になってしまうと、座席の真横が窓枠となり、視界が大きく遮られてしまいます。

 また、テーブル下の壁面には、モバイルコンセントも設置されていました。最近の列車では、一般的になってきましたが、「楽」でもしっかりと用意されていました。

 伊勢でのフリータイムについては、また別に紹介させてもらうとして、ここでは続いて復路で乗車した「かぎろひ」を紹介したいと思います。

f:id:Len_Railway:20201214212012j:plain

f:id:Len_Railway:20201214211827j:plain

クラブツーリズム専用の近鉄15400系「かぎろひ」:宇治山田駅 2020/12/13

 復路で乗車する「かぎろひ」の乗下車時間については、次のとおり案内がありました。

 宇治山田18:33発→津19:09着→近鉄四日市19:52着→桑名20:10着→近鉄名古屋20:44着

 宇治山田駅の2番線への入線は18時22分頃ということで、発車までに10分程の時間があったため、入線から発車までの時間を利用して撮影しました。すでに日没後だったため、濃い緑色系統の列車を撮影するにいいコンディションとは言えませんが、途中停車駅ではおそらく扉扱いはなく、終点の名古屋駅到着後も、下車後すぐに添乗員の先導で改札まで移動することから、宇治山田駅以外で撮影する機会はないと思い、何枚か撮影しました。

 まずこの「かぎろひ」ですが、同じ団体専用列車であっても「楽」にような新造車両ではなく、近鉄12200系(2両編成2本)をクラブツーリズム専用列車として改造した車両です。そのため、車両の形状などは、種車をそのまま引き継いでいますが、カラーリングは大きく変更され、車内も一部、団体向けに改装されています。

 車体色は、クラブツーリズムの最上級バスツアーで使用されている「ロイヤルクルーザー四季の華」と同じダークグリーンを基調としたものとなっています。鉄道ファン的には、どことなく「サロンカーなにわ」や「トライライトエクスプレス」の客車を思わせる色で、乗車への期待が高まる感じがします。

f:id:Len_Railway:20201214212106j:plain

f:id:Len_Railway:20201214212121j:plain

 こちらは「かぎろひ」の車内です。座席は回転式リクライニングシートとなっており、鮮やかな濃い目のピンク色のモケット柄が目に飛び込んできます。車内はカーペット敷となっており、実際に乗車してみると、一般的な特急形車両に乗車しているのと大きな違いはありませんが、改造前よりも座席数が減らされているようで、車端部にはちょっとしたスペースが確保されていました。以前、何かの記事で、車内にビールサーバーがあると紹介されていたのを思い出しましたが、確かにそれっぽい設備がありました。また、後から調べて見ると、団体専用列車ということでオーディオ設備も設置されているとのことです。(今回は乗車のみで、こうした設備は利用されていませんでした。)

 特急形車両であったスナックカーを改装して「かぎろひ」が誕生したのは2011年ということで、それほど昔のことではありませんが、リニューアルしたばかりの「楽」と比べると、全般的にやや見劣りしてしまうのは仕方ありません。最近では、旅行者が求めるニーズも変化し多様化しており、ひと昔前なら気にもならなかったことが、今ではその旅行の良し悪しを決定付ける重要なポイントになっているということも少なくないと思います。これからの旅のスタイルにあわせて、「かぎろひ」もさらに進化することを期待したいです。

 以上、往路の「楽」と復路の「かぎろひ」を紹介させてもらいましたが、今回はいつものような乗車票がありません。僕としては、事前に乗車票類が郵送されてくるのかなと思っていたのですが、実際には各参加者に配られる乗車票類はないようで、当日の受付の際、座席位置が書かれた紙が配られただけでした。また、乗車中に記念乗車証のようなものがあると嬉しかったのですが、そういったものもありませんでした。今回のツアーには、電車好きの小学生や鉄道ファンの方も乗車されていましたので、乗車の記念になるようなちょっとしたサービスあれば、もっと旅の魅力が高まるのではないかと思いました。