レン鉄★気ままな乗車記

乗り鉄&きっぷ鉄の管理人が、備忘録を兼ねてブログに綴っていきます。

乗り鉄&きっぷ鉄っぽい管理人が、乗り鉄旅行とそこで使用したきっぷを思うがままに記録したブログです。
どうぞ、お付き合いください。
 

「SL冬の湿原号」に乗車する道東乗り鉄旅(3)

 前回の記事からの続きです。

 昨夜はホテルルートイン網走駅前に宿泊しました。その名のとおり、網走駅前の道路を渡ってすぐ目の前にあるホテルです。釧路で利用したコンフォートホテルもそうですが、ルートインでも追加料金なしでバイキング形式の朝食が提供されます。ありがたいことですね。

 今日もパンの朝食です。クロワッサン🥐と少し固めのフランスパン🥖のような生地で作られたパンをチョイスしました。ちょっとお洒落ですよね。自宅での朝食は白飯の方が多いですが、外出先ではよくパンの朝食を選びます。今日もヨーグルトは多めです。

 さて、気になる今日の天候ですが、網走は気持ちのいい快晴です。この先は、石北本線を走る特急「大雪」号で旭川まで行き、旭川からは特急「ライラック」号に乗り換えて札幌に向かいます。そして札幌からは快速「エアポート」号で新千歳空港まで行き、今回の道東乗り鉄旅を終える訳ですが、どうやら旭川周辺では天気が荒れているようなので、今後の行程に影響しないか気になるところです。そんなことを考えながら準備を整え、ホテルをチェックアウトして駅に向かいました。

 

 

網走駅から特急大雪に乗車

 道東乗り鉄旅3日目のスタートは、もちろん網走駅です。朝の網走駅前は雪で真っ白です。網走駅には全国的にも珍しい縦書きの駅名看板があり、これは刑期を終えた網走刑務所の受刑者が「横道にそれずまっすぐに生きていってほしい」という駅長の思いから、縦書きになったという逸話があるそうです。網走と言えば真っ先に刑務所を想像しますが、こうしたところにもその関連が見て取れるんですね。

 2019年6月の北海道乗り鉄旅では、網走駅から旭川駅まで特急「オホーツク」に乗車しましたが、当時の車両はキハ183系気動車でした。僕が北海道でキハ183系に乗車したのは、この時が最初で最後です。キハ183系国鉄からJR初期にかけて製造された北海道を代表する気動車特急で、道内各地で幅広く活躍していましたが、2023年3月のダイヤ改正で定期運用を終了し、同年4月10日のさよなら運転で完全に引退となりました。過去には「定期特急のリゾート列車化」の一環として、2階がグリーン席で1階が普通車個室で構成されるダブルデッカー構造の「キサロハ182」を組み込んだ「スーパーとかち」として運転されていたこともある花形車両です。そんな一時代を築いたキハ183系の引退は実に名残惜しく、ラストランには鉄道ファンが詰めかけたそうです。引退からはすでに約1年が経過しており、現在の特急「オホーツク」「大雪」の運用はキハ283系気動車が担っています。

特急大雪として活躍するキハ283系気動車:網走駅 2024/3/2

 キハ283系には以前、特急「おおぞら」として乗車したことがあります。鮮やかな青色の先頭鋼体が印象的で、北の大地を駆け抜ける勇敢で力強い外観です。1番線に停車中で、ちょうど駅名看板を入れた写真を撮影することができました。ちなみに奥の方には、釧網本線の網走↔知床斜里間で季節限定で運行されている「流氷物語号」が見えます。使用車両は北海道の恵みの車両編成(道東・森の恵み、道北・流氷の恵み)で、「SL冬の湿原号」と並ぶ釧網本線の冬の観光列車として知られています。僕は昨年、「花たびそうや号」として宗谷本線を走る北海道の恵みの車両編成に乗車したことがあります。

 車内はこんな感じです。座席は初日に乗車したキハ261系1000番台のものと変わりありません。朝8時台に網走駅を発車する特急列車が普段、どの程度混み合うのか分かりませんが、少なくともこの日の特急「大雪」号の乗客はまばらでした。

 列車は網走駅を出発し、旭川に向けて石北本線をひた走ります。車窓から見える快晴の雪色は実に気持ちよく、しばし走行中の車内から写真撮影を楽しみました。

 途中の遠軽駅では車両の進行方向が変わります。遠軽駅停車中の車内から反対側のホームを撮影してみました。遠軽も快晴です。大自然を感じられる北海道らしい景色が続きますね。

 とここまではよかったのですが、旭川駅に近づくに連れて徐々に天候が怪しくなってきました。いつの間にか青空はなくなり、雲が広がってきます。車窓から見える外の様子も先程までとは明らかに異なっており、かなりの積雪が見て取れました。

 それでも何とか、定刻よりも若干の遅れで終点の旭川に到着しました。JR北海道では大雪の際、ポイントの不転換による影響をできるだけ回避するため、一部の普通列車を運休させるなどの対策を講じており、長距離移動者が多い特急列車に大幅な遅延や運休が発生しないよう配慮がなされています。そのおかげで、僕も旭川駅で予定どおりに特急「ライラック」号に乗り換えることができました。

 

旭川駅から特急ライラックに乗車

 旭川駅からは、789系の特急「ライラック」号に乗車します。特急「ライラック」は特急「カムイ」と並んで札幌↔旭川間の都市間輸送を担う特急列車で、札幌―旭川間を約1時間30分で結んでいます。特急「カムイ」がグリーン車を連結しない789系 1000番台であるのに対して、特急「ライラック」は半室グリーン室を備えた0番台で、車両外観上も黄緑色の先頭鋼体が大きな特徴となっています。また、都市間輸送という役割を考慮してか、「ライラック」「カムイ」とも自由席が主体の車両編成となっています。

吹雪の中の函館本線を駆け抜けた789系:札幌駅 2024/3/2

 先に紹介したとおり、特急「大雪」の旭川到着が少し遅れたため、旭川駅で「ライラック」号を撮影する時間がありませんでしたので、上の写真は札幌駅到着後に撮影したものです。前面にはびっしりと雪がへばりついており、吹雪の中を力いっぱい駆け抜けてきたことがよく分かります。ちなみに「ライラック」と「カムイ」の停車駅は共通で、旭川を出発すると、深川、滝川、砂川、美唄岩見沢、終点の札幌の順に停車します。運転区間も停車駅も共通しているにも関わらず、わざわざ「ライラック」と「カムイ」の2つの列車に区別して運用する理由はよく分かりませんが、おそらく使用車両や車両設備の違いなどによって愛称を使い分ける方がいいという判断なのだと思います。

 僕は2号車の普通車指定席に乗車しましたが、ほぼ満席状態でした。6両編成のうち、1号車がグリーン席と普通車指定席、2号車が普通車指定席、3号車から6号車までが普通車自由席(一部列車は3号車も普通車指定席)となっているため、どうしても指定席が混み合うのだと思います。乗客の様子を見ていると、僕と同じような旅行客の姿もありますが、少なからず地元の方も利用されているようです。自由席の様子は見ていませんが、どうやらそちらもほぼ満席で、途中駅からでは着席できない程の混雑ぶりだったようです。これを受けてか、3月のダイヤ改正にあわせて3号車と4号車も指定席化されるということで、指定券の確保はしやすくなりますが、減車された自由席が今まで以上に混雑することが心配されます。

 心配された雪の影響ですが、視界不良のため一部区間で速度を落として運転したため、札幌到着も遅れることになりました。僕の場合、新千歳空港発の航空機の出発までにはまだまだ時間に余裕があるので、特に焦ることはなく、今回の乗り鉄旅で最後となる特急列車の乗車を楽しみました。

 

札幌駅から快速エアポートに乗車

 札幌でちょっとしたお楽しみ(⁉)を終え、帰路に着くため新千歳空港に向かいます。乗車するのはもちろん快速エアポートです。

快速エアポートで活躍する733系:札幌駅 2024/3/2

 ちなみに快速エアポートは現在、日中時間帯は1時間当たり5本運転されており、うち2本は小樽まで直通しています。確かに小樽も人気の観光地なので、新千歳空港から(まで)の直通運転には一定の需要があると思います。そんな快速エアポートですが、3月のダイヤ改正で日中時間帯で毎時1本増発され、その種別も特別快速1本・快速3本・区間快速2本の計6本運転となります。やはり、昨今はインバウンドの影響を受けて新千歳空港―札幌間の需要は高まっているんでしょうね。

 往路と同じように、今回も指定席の「uシート」を利用します。今回乗車した列車でも指定席の利用客は少なく、ロングシートの自由席を利用する方が多いようです(実際に、大きなキャリーケースを持った旅行客がロングシートを利用しているのを見かけました)。僕は今回利用する乗車票で指定席の利用が可能なため、躊躇することなく利用していますが、窓口で購入する際の指定席料金は840円とやや高額なため、利用を控える方も少なからずいらっしゃるだろうと思います。JRの指定席券は通常530円で、一部の観光列車などは840円(SL牽引の客車は1,680円)が主流となっていますが、これらと比べると、やはり快速エアポートの指定席券は割高に感じてしまいます。まあ、高いと思えばロングシートの自由席を利用すればいいだけのことですが…

 新千歳空港駅に到着しました。駅には道内での移動距離や移動時間をイメージしてもらうためか、北海道と本州の地図が重ねられたボードが用意されています。本州からの旅行者にとっては、単なる道内での移動という認識しかなくても、実際には想像していた以上の移動距離となることがよく分かります。僕は1日目に新千歳空港から釧路まで移動しましたが、本州で例えると、名古屋から東京までとほぼ同じ移動だったんですね。ちょっと驚きです。

 

新千歳空港から中部国際空港まで航空機に搭乗

 新千歳空港に到着し、色々とお土産を購入しました。白い恋人やロイズのチョコレートは北海道土産の定番で、つい買ってしまいます。最近になって知ったのですが、北海道に生息するシマエナガという小さな鳥が人気らしく、道内では様々なシマエナガグッズが販売されているようです。空港内のクラフトショップを見ると、ぬいぐるみや文房具などが何種類も販売されており、シマエナガをモチーフにしたお菓子類もありました。僕も家族へのお土産として、可愛らしいぬいぐるみを購入しました。

 そんなことをしているうちに、なんだか甘いものが食べたくなりました。新千歳空港内には飲食店も多くありますが、前回の旅行の際に利用したフードコート内に雪印パーラーというお店があることを思い出し、早速行ってみました。

 雪印パーラーは、その名のとおり、あの雪印が運営するスイーツ店です。メニューを見ると、色々なソフトクリームやサンデーがありましたが、今回いただいたのは、スノーロイヤルという特別なソフトクリームに、生チョコと生キャラメルが贅沢にトッピングされた「生チョコ生キャラメルサンデー」です。お店の売り文句としては『北海道のシメはこれ❗』なんだそうです。まさに北海道の最後のデザートに相応しい一品で、期待を裏切らない美味しさでした。

 出発時間が近づきましたので、保安検査を通過し搭乗ゲートに向かいます。前にも何度か紹介していますが、僕は航空機がかなり苦手なので、搭乗前はいつも緊張してしまいます。墜落の危険性はないのか不安で仕方ありません。人間はいつかは死ぬので、それは避けては通れませんが、痛い思いをするのは嫌です。中部国際空港まで無事に航行してくれることを祈って搭乗しました。

 中部国際空港行の便は、予定よりも少し遅れて離陸しました。復路はアップグレードしてクラスJを利用し、さらに隣も空席だったので、ゆったり搭乗できました(でも心は落ち着きません。)離陸直後に窓の外に目をやると、きれいな夜景が見えました。航空機に搭乗しなければこの視点から夜景を見ることはできないため、そういう意味ではいい経験ができたと思っています。機内では、旅行中に撮影した写真の整理やこのブログの記事を準備するなどして過ごしました。

名鉄特急の2000系:中部国際空港駅 2024/3/2

 無事に中部国際空港に降り立ちました。何事もなく着陸できてひと安心です。緊張が一気に解れました。ここからは自宅に戻るのみです。往路と同じく名鉄線を利用します。急げば一本前のミュースカイに乗車できましたが、大きなキャリーケースを持ち歩いているため時間にゆとりを持ち、21時47分発の特急に乗車しました。

 乗継ミューチケットを購入して特別車に乗車しました。2日前にもミュースカイに乗ったばかりですが、北海道から帰って来ると、何故か久しぶりに名鉄線に乗車するような錯覚を覚えます。そう言えば、名鉄ミューチケットも3月のダイヤ改正にあわせて値上げされ、現在の360円が450円(車内精算の場合は500円)となる一方で、インターネット予約サービスで購入する場合に限り、平日昼間帯と土休日は300円(中部国際空港発着の場合を除く。)に引き下げられます。元々の料金が他の鉄道会社の指定席料金や特急料金と比べてかなり安価に設定されていたため、このご時世にあって値上げもやむを得ません。

 以上で今回の2泊3日にわたる道東乗り鉄旅は終了です。僕にとって初めての冬の北海道ということで、出発前には寒さによる体調面の不安もありましたが、結果としてはすべての行程を予定どおりこなし、元気に帰宅することができました。何となく、自分に少し自信がついたような気分です。

 

乗車券類の紹介

それでは最後に、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類を、使用順にまとめて紹介したいと思います。

 一番上の左側は、今回利用したJALパックのオプションとして購入した乗車票です。2019年6月の乗り鉄旅でも同じような乗車票を購入しましたが、その時とは券面の表記が大きく変更されており、一見すると企画乗車券のようです。この乗車票では快速・特急列車の普通車指定席が利用可能ですが、指定券の発券は乗車票の引き換え後となるため、僕は新千歳空港駅で乗車票を引き換えた直後に、3月2日乗車の特急「ライラック」までの指定券をまとめて発券してもらいました。

 「SL冬の湿原号」については例外的で、この乗車票による指定券の発券はできないことから、別に指定席券を用意する必要があります。最初にお話ししたとおり、僕は乗車1か月前に“10時打ち”をお願いして、往復の指定券を確保しました。

 今回の道東乗り鉄旅の紹介は、以上のとおりです。当初の予定が延期となり、さらに天候も心配される乗り鉄旅となりましたが、結果としては充実した乗り鉄旅となりました。これから季節は春になり、外出には絶好の時期を迎えますので、各方面への乗り鉄旅を計画していこうと思っています。

「SL冬の湿原号」に乗車する道東乗り鉄旅(2)

 前回の記事からの続きです。

 昨夜は釧路駅に到着後、駅近くにあるコンフォートホテル釧路に宿泊しました。駅から徒歩で5分もかからないくらいの距離なので、鉄道旅で利用するにはとても便利です。現地での積雪が心配されましたが、釧路市内は寒いながらも穏やかな気候でひと安心です。引き続き天候に恵まれることを期待しながら就寝し、朝を迎えました。

 さて、ここから乗り鉄旅2日目のスタートです。今日は釧路から網走まで釧網本線全線を乗り尽くします。朝の天候は曇りですが、昨日の予報どおり、午後から雪となるようです。雪の中での乗り鉄旅をほとんど経験したことのない僕にとっては、どの程度の降雪があると鉄道の運行に支障が生じるものかが分かりませんが、何とか運休になることなく、計画どおりに乗車できるよう祈るばかりです。そんなことを考えながら、ホテルで朝食をいただきました。

 僕はバイキングでの盛り付けが非常に下手なので、見映えはあまりよくありませんが、ワッフルやシュガートーストのお洒落な朝食をいただきました。ヨーグルトは多めです。

 

 

釧路川に架かる幣舞橋を見学

 「SL冬の湿原号」の釧路駅発車は11時5分なので、朝は時間的に余裕があります。朝食後はゆっくりと身支度を整え、時間までにチェックアウトしましたが、まだ駅に向かうには少し早かったので、ちょっと釧路市内を散策してみることにしました。と言っても、あまり遠くまで足を伸ばすこともできないので、近くにある幣舞橋に行ってみました。

 幣舞橋は釧路川に架かる橋で、北海道三大名橋の一つと言われているそうです。特に夕陽の美しさが有名で、黄昏時の夕日に染まる幣舞橋はインスタ映えするスポットのようですが、僕が訪れたのは朝方で、しかもあいにくの曇空ということで、観光客らしき人の姿はほとんどありませんでした。

 最近は、観光地などでよく地名のロゴオブジェを見かけますが、幣舞橋付近にもCool KUSHIROのモニュメントがあります。これまでの旅行では、こうしたロゴオブジェをあまり気に留めていませんでしたが、こうしたスポットで撮影するのもいい記念になりますね。Coolとありますが、まさにそのとおりで3月の釧路はまだまだ寒いです❄

 

釧路駅からSL冬の湿原号に乗車

 発車時刻が近づいてきたため、釧路駅に来ました。やはり慣れない雪道を歩くのはちょっと怖いですね。歩幅を狭くして一歩一歩踏みしめるように歩いたので、ひっくり返ることはありませんでしたが、いつもの何倍も気を遣いました。昨日は夜の駅舎を撮影しましたが、今日は別角度から日中の釧路駅をパシャリ📸

 昨日は気付きませんでしたが、駅の入口付近には「SL冬の湿原号」をPRする大きな看板が設置されていました。建物内にもC11形蒸気機関車の顔出しパネルやポスターが掲げられており、「SL冬の湿原号」に対するJR北海道の強い意気込みが伝わってきます。

 ここで、「SL冬の湿原号」について簡単に紹介したいと思います。「SL冬の湿原号」は、JR北海道が2000年1月から冬季限定で運行している臨時列車で、土日を中心に1日1往復運転されています。運転区間釧網本線の釧路―標茶間で、沿線に釧路湿原を含むことから、状況によってはタンチョウやエゾシカなどの野生動物に出会うこともあるそうです。

 そして僕は今回、この「SL冬の湿原号」に往復とも乗車してみることにしました。その運行ダイヤは次のとおりです。

 釧路―標茶間を1時間30分から40分かけて走行しますが、下り列車はSLが逆方向での運転となるため、制限速度の関係から上り列車よりも時間がかかるようです。

 さて、釧路で上り列車の発車を待つ訳ですが、はやる気持ちを抑えきれず早々に改札を通って3番ホームに移動し、「SL冬の湿原号」の入線を待つことにしました。

 ホーム上には、僕と同じように「SL冬の湿原号」の入線を待つ方がおられ、中には早々とカメラを構えている方もいました。寒々とした空の下で待つこと数十分、釧路運輸車両所から来た列車が入線してきました。

SL冬の湿原号を牽引するC11形蒸気機関車釧路駅 2024/3/1

 「SL冬の湿原号」を牽引するのはC11形で、現在、北海道内で運行されている唯一の蒸気機関車です。形式番号が示すとおり、炭水車を持たないタンク機関車で、蒸気機関車としては小型に分類されますが、実物を目にすると、SLならではの存在感と圧倒的な迫力が感じられます。

 ちなみに上りの標茶行きは、C11形を先頭にして1号車から5号車までの客車が続き、最後尾に補機としてDE10型ディーゼル機関車が連結されています。シーズン当初は補機なしで運行されていたようですが、蒸気機関車だけでは出力不足となる可能性があるんでしょうかね。どうやら2月からは毎回、補機を携えての運行となっているようです。

SL冬の湿原号に補機として連結されるDE10型ディーゼル機関車釧路駅 2024/3/1

 補機のディーゼル機関車は、ノロッコ塗装のDE10型が連結される日もあるようですが、今日は原色のDE10型です。僕としては、この原色の方が客車のカラーリングとの相性がいいような気がします。C11形を撮影する方は大勢おられましたが、DE10型を撮影しれいるのは数人だけでした。まあ、当然ですけどね🙂

 そうこうしているうちに、そろそろ発車時刻となるため、僕も指定された座席に着席して発車を待ちました。根室方面からの列車を待ち合わせたため、定刻よりも少し遅れての出発となりましが、これから「SL冬の湿原号」での乗り鉄旅をゆっくりと堪能したいと思います。

 今回は往復とも「SL冬の湿原号」の全区間に乗車しますが、往路の車内では各客車内の様子を写真に収めましたので紹介したいと思います。

たんちょうカー(1号車・5号車)

 客車5両編成のうち、1号車と5号車は「たんちょうカー」と呼ばれる展望通路付きの車両です。一般的な客車の座席配置とは異なり、釧路川釧路湿原の眺望を楽しめる川側にはカウンター座席が12席(2人掛け×6席)、反対の山側には高床式のボックス座席が24席(4人掛け×6席)設置されています。家族やグループで利用する際にはボックス座席がいいと思いますが、車窓を楽しむには川側座席の方が圧倒的に優れているため、カウンター座席は指定席券の発売直後に完売してしまうほどの人気ぶりです。僕も乗車日の1か月前に“10時打ち”してもらい、往復ともカウンター座席を確保しました。

 座席の色調は、カウンター座席・ボックス座席ともレトロ感ある臙脂色で、壁面は木々をイメージした木目調となっています。

 こちらは展望通路です。展望用といってもあくまで通路ということで椅子はありませんが、腰もたせのクッションがあるため、大きなガラス窓から側面の車窓を楽しむことができます。走行中の車内から釧路湿原が見にくい山側座席の方でも、ここを利用すれば、車内から雄大な風景を眺められるということで、多くの方が利用していました。また、客室との間の荷物置き場を兼ねた空間には、モバイル機器用の充電スペースもあるため、いざというときにも安心です。

ストーブカー(2号車から4号車)

 中間に位置する2号車から4号車までは、ボックス座席のみとなっています。いずれの車両も2022年度にリニューアルされたばかりなので、車内はとてもキレイです。そして、これらの車両の最大の特徴といえば、何と言っても車内に置かれたダルマストーブです。車内にストーブがあるというのは寒冷地ならではのことで、僕はストーブ設備のある車両に乗車するのはもちろん初めてです。車掌さんが定期的に石炭の補充を行っており、乗客はストーブの上に置かれた網を使ってスルメを炙ったりすることもできます。(ただし、かなり匂います。)

 また、座席のモケット柄は1・5号車と同じくタンチョウヅルやエゾシカが描かれたものですが、青系と緑系の色が使われています。

 このうち2号車は、他の14系客車とは異なる旧型客車です。また、車端部に物販カウンターが設置されていることから、カフェカーと呼ばれており、オリジナルグッズや飲み物などを購入することができます。

 さて、標茶行きの上り「SL冬の湿原号」ですが、残念なことに途中駅での停車時間は短く、降車するような余裕はありません。最近の観光列車では、ホーム上で特産品の販売や地元のPRなどが行われることが多く、乗客が一斉にホームに降り立つ場面も見られますが、「SL冬の湿原号」ではホーム有効長の関係からこうした催しは難しいと思われ、結果的に短時間での停車となるダイヤが組まれているのだと思います。

 という訳で、乗車中は主に車窓からの景色を楽しむということになり、僕もカウンター座席から自然の雪景色を堪能しましたが、この日はあまり天気に恵まれず、さらに走行中の車内からは、なかなかいい写真が撮影できませんでした🙇

 そうした中であえて一つ紹介するならば、釧路湿原内で釧路川が間近に接近するポイントで撮影した写真です。雪景色も美しく、冬の北海道を訪れたことを実感できる瞬間でした。実際の写真はちょっと暗くなってしまったので、フィルターの力を思い切り借りています。

 「SL冬の湿原号」は、予定時刻より10分くらい遅れて終点の標茶駅に到着しました。もちろん標茶駅で下車するのは初めてです。以前はここ標茶から標津線という路線が分岐していたということもあり、釧網本線の中では比較的大きな駅となっています。

 標茶駅でもC11形を正面から撮影しようと試みましたが、ホーム端からでは上手く撮影できませんでした。と言うことで、ちょっと斜め後ろからパシャリ📸

 標茶駅では、町のゆるキャラ「ハッピーくろべえ」と「ミルクックさん」が出迎えてくれました。色違いの法被姿がお似合いの両者ですが、若干、帯の位置が気になるところです。

 標茶駅は三角屋根が特徴的な駅舎です。次に乗車する下りの「SL冬の湿原号」の発車時刻まで1時間以上あるので、ここで昼食をいただくことにします。

 

標茶駅からSL冬の湿原号に乗車

 駅付近にはいくつかの飲食店があり、駅の待合スペースには、近隣にある店舗の営業時間などの一覧が分かりやすく案内されていました。その中から僕が選んだのは、駅から徒歩で5分くらいのところにある「丈の家」というお蕎麦屋さんです。

 ちょうど踏切を渡ったすぐのところに店舗があります。店内に入りメニューを見るち、「あんかけ豚」という聞きなれないお蕎麦があったので、これを注文しました。

 いつものとおり食レポは苦手なので、写真での紹介だけとなりますが、アツアツのあんかけは身体が温まり、この時期にいただくにはぴったりです。豚肉だけでなく、椎茸や玉ねぎなど具だくさんで、お腹いっぱいになりました。

 食事を終えて標茶駅に戻ってきました。標茶駅では、SLの付け替え作業が行われるため、これを見学します。上り列車はC11形を先頭に走行してきましたが、下り列車では進行方向が逆となるため、本来であればSLを転車台で方向転換させる必要があります。しかし、標茶駅には転車施設がないため、方向転換することができません。そのため、C11形は方向転換せずに上り列車と同じ向きで下り列車の先頭(5号車側)に連結されます。もともと5号車側には補機としてDE10型ディーゼル機関車が連結されているため、下りの「SL冬の湿原号」は、本来と逆向きのC11形+補機のDE10型+客車5両という編成で運転されることになり、SLとDLの重連運転が行われます。なかなか珍しい運転形態ということで、多くの方が連結シーンを撮影されていました。

 連結の様子を見学したところで、そろそろ客車の方に移動します。標茶駅のホームにも釧路駅と同じ鐘が設置されているんですね。鳴らしてみたかったのですが、目立ちそうなので止めておきました。

 往路も1号車でしたが、復路も同じ1号車のカウンター座席です。とにかくカウンター座席を確保することを最優先に指定席券を手配したため、結果的に同じ号車になってしまいました。まあ、さすがに座席位置は違いますので問題ありません。

 発車時刻が近づくと客車のドアが開き、乗車が始まります。僕も最後尾の1号車から乗車して座席に着席すると、程なくして列車は標茶駅を発車しました。釧路駅までの約1時間40分、再び「SL冬の湿原号」での乗り鉄旅を楽しみます。

 ここで2号車にある物販カウンターに行ってみました。ちょっとおやつタイムということで、くしろ霧サイダーとアイスクリームを購入しました。横にもう一つ飲むヨーグルトがありますが、これは標茶駅横にある「ミルクックさんのアンテナショップ」で購入したものです。

 サイダーもアイスクリームもいいですね。列車に揺られながらの飲食はひと味違います。お昼に食べたあんかけそばがちょっと熱かったので、ちょうどいい口直しになりました。

 標茶の次の停車駅は茅沼駅で、タンチョウが来訪する駅として有名です。現在の茅沼駅は無人駅ですが、有人駅時代の駅長がタンチョウの餌場を設置し、その後も代々の駅員さん達によって給餌が引き継がれたことから、無人駅となった今でもタンチョウが飛来し続け、時にはホーム上を歩き回りエサをついばんでいることもあるそうです。僕も車内からタンチョウの姿を目撃しましたが、車両からかなり離れていたため、うまく写真撮影できませんでした。やはりスマホのカメラでは難しいようです。

 茅沼駅を過ぎると、次の停車駅は塘路駅です。「SL冬の湿原号」は途中停車駅での停車時間が短いことは紹介したとおりですが、下り列車のみ塘路駅で10分程度停車します。やや雪が舞う天候でしたが、「SL冬の湿原号」の編成全体をカメラに収める貴重なチャンスということで、僕も他の方に混じって撮影しました。

SL冬の湿原号を逆向きで牽引するC11形蒸気機関車塘路駅 2024/3/1

 僕もこれまで全国各地で蒸気機関車が牽引する客車に乗車してきましたが、SLが逆向きで連結されて走行する姿を見るのは初めてです。機関士さんたちはどちらの方向を向きながら運転しているんでしょうかね? 逆方向での運転に合わせて、ヘッドマークも機関車の前後に取り付けられています。めったに見ることができない貴重な体験をすることができました。

 塘路駅を発車した列車は、釧路湿原に入って行きます。やはりカウンター座席はいいですね。座席に座っているだけで目の前に釧路湿原が広がります。暖かい車両から雄大釧路湿原を眺められるのは、何とも贅沢な乗り鉄旅です。

 そして下りの「SL冬の湿原号」は終点の釧路駅に到着しました。せっかくなので、釧路駅では客車側から撮影してみました。写真では分かりにくいですが、かなりの雪が舞っています。上り列車の釧路駅出発時と比べて、明らかにホーム上の雪の量が違います。運休や大幅な遅延なく乗車できて、本当によかったです。

SL冬の湿原号の14系客車:釧路駅 2024/3/1

 「SL冬の湿原号」の往路と復路の両方での乗車を楽しむことができ、非常に満足です。忘れていましたが、車内では乗車証明書をいただきました。往路と復路でデザインが異なり、さらに金色と銀色の輝かしいカードです。ちなみに裏面には記念スタンプを押印できるようになっています。

 さて、今回の道東乗り鉄旅のメインとなる「SL冬の湿原号」への乗車は終わってしまいましたが、旅の行程はまだまだ続きます。この後は再び釧網本線に乗車して、終点の網走に移動します。

 

釧網本線普通列車網走行に乗車

 釧網本線JR北海道の路線の中でも運転本数が少ない路線の1つで、時刻表で調べて見ると、釧路↔網走間を直通する列車は上り下りとも1日当たり5本のみです。このうち上下各1本は快速「しれとこ摩周号」として運転されていますが、通過駅はほとんどなく、普通列車と変わりありません。さらに今月のダイヤ改正で、直通列車は1本減って1日当たり4本となり、「しれとこ摩周号」も普通列車の扱いとなります。JR北海道単独では維持することが困難な路線とされており、その行く末が心配されるところですが、一方で釧網本線富良野線を走る「ノロッコ号」の引退にあわせて新たな観光列車が導入されるという報道もあることから、より一層の利用促進に向けた積極的な取組が期待されるところです。

 今回は、そんな釧網本線の全区間を直通する普通列車に乗車して網走駅を目指します。実は2019年6月の北海道乗り鉄旅でも、釧路→網走間を普通列車に乗車して全区間を走破しており、今回が2回目です。乗車するのは釧路16時32分発の普通列車です。網走到着は19時47分なので、3時間以上の乗車となります。

釧網本線を走るキハ54形気動車釧路駅 2024/3/1

 車両はキハ54形500番台の気動車です。JR北海道は3月16日のダイヤ改正にあわせて、石北本線釧網本線に新型車両H100形を大量に投入し、現在使用されているキハ40系やキハ54形をすべて置き換えることを発表しています。このため、これらの区間でキハ54形に乗車できる機会は残り僅かです。

 ご覧のとおり、座席は転換クロスシートになっています。普通列車とはいえ長時間の乗車となりますので、こうした設備はありがたいです。よく見ると、可愛らしいモケット柄ですね。ただ残念なことに、窓枠と座席の位置が一致していないため、車窓を眺めるには不向きな座席もあります。また、昼間の時間帯だと、釧路湿原釧路川を眺めやすい座席(網走行の場合、進行方向左側の座席)は人気が高いため、座席位置の希望がある場合には早めに乗車することをオススメします。

 乗車中、何度か列車が急停車することがありました。どうやら野生動物が線路内に立ち入ったようで、衝突を避けるための急制動だったようです。そしてさらに進むと、今度は吹雪のような激しい降雪の区間に入りました。車両前面から外の様子を見ると、線路が雪で覆い尽くされています。僕が普段利用している鉄道路線であれば間違いなく運休となるレベルの積雪です。こうした悪天候をもろともしないキハ54形の走りっぷりには感動しました。

 暗闇が迫る中、途中の標茶駅には10分くらい停車します。その時間を利用してホーム上からキハ54形をパシャリ📸 ちょっと幻想的です。

 釧網本線ですが、昨今のインバウンドによる需要の急拡大により、時期によっては一部区間で立客が生じる程の混雑となることがあるようです。幸いにも僕が乗車した列車ではそれほどの混雑はありませんでしたが、途中駅では思っていた以上に乗降がありました。

 そして終点の網走駅に到着しました。隣のホームには、キハ54形と一緒に石北本線釧網本線から姿を消すキハ40系が停車していました。国鉄を代表する気動車であったキハ40系も、少しずつ活躍の場が減少しつつあります。車齢を考えれば当然のことだとは思いますが、石北本線釧網本線での最終運行時には、別れを惜しむ多くの鉄道ファンが最後の乗車に駆けつけるのではないでしょうか。

釧路からの約185kmにも及ぶ旅を終えたキハ54形:網走駅 2024/3/1

石北本線釧網本線での活躍に終止符を打つキハ40系気動車:網走駅 2024/3/1

 さて、これで道東乗り鉄旅の2日目の行程は終了となります。天候に恵まれない場面もありましたが、予定どおりの行程で無事に網走まで到着できたことでひと安心です。網走駅で下車するのは初めてですが、やはりこの時期は雪深いですね。駅前の階段で滑り落ちるところでした。油断は禁物です。

 明日はいよいよ3日目となります。このまま予約していた駅前のホテルに移動し、最終日に向けて身体を休めようと思います。

>>(3)に続く

「SL冬の湿原号」に乗車する道東乗り鉄旅(1)

 お久しぶりです。前回の乗り鉄旅は昨年の12月29日だったので、それからちょうど2か月が経過してしまいました。前回の記事の最後に「来年1月の乗り鉄旅に向けて計画を進めている。」とお知らせしていましたが、事情があって延期せざるを得ないこととなり、結果としてこの2か月間は全く乗り鉄旅に出かけていません。

 実は昨年末の時点では、1月25日から27日までの2泊3日の予定で北海道旅行を計画して準備を進めていました。中にはピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、その最大の目的は、1月下旬から3月中旬にかけて釧網本線を走る「SL冬の湿原号」に乗車するというものです。せっかく乗車するならば少しでもいい座席を確保したいということで、乗車日の1か月前に“10時打ち”して指定券を確保し、当日を心待ちにしていたのですが、出発日の前週になって例の感染症に罹患してしまいました😰。国内で新型コロナウイルスの感染が初めて確認されてからちょうど4年で、その間に世間では感染拡大期間が何度かありましたが、僕は幸運にも感染することはありませんでした。しかし、ここヘきて遂にヤラれました。1月になってから、自分としても外出時などに油断していたという気もないのですが、ちょうど週末に倦怠感や関節の痛みなどの症状があり、風邪かなと思って近くのクリニックを受診したところ陽性でした。どういった経路で感染したのか全く思い当たるものはなく、まさか自分が感染しているとは思ってもいなかったので、気分的にも落ち込みました😥。幸いにも症状は軽く、発熱もありませんでしたが、なかなか体調が思うように戻らず、何とか翌週から仕事に復帰したものの、あまり本調子ではありませんでした。こんな具合のまま北海道旅行に行くのはさすがに自分自身でも心配だったため、直前になってキャンセルすることにしたという経緯です。

 ちなみに当初の計画では、1月26日に「SL冬の湿原号」に乗車する予定でしたが、事後に知ったところによると、その日は暴風雪のため釧網本線が不通となっており、翌日も道内各地で積雪の影響による運休や遅延が発生したようなので、結果としては旅行を延期することにして正解でした。

 その後、今回計画した北海道旅行のプランについて、今期中にもう一度再挑戦しようか、はたまた来シーズンに見送ろうか迷いましたが、仕事の合間となる2月下旬から3月上旬にかけて2泊3日の日程が確保できそうな日があったため、思い切ってこの時期にリベンジすることにしました。そうと決めたら早速「SL冬の湿原号」の指定席券を再び確保しようと、もう一度、乗車日1か月前に“10時打ち”して希望の座席を確保したという訳です。

 そんな紆余曲折を経て、今回は久しぶりの3日間にわたる乗り鉄旅に出かけることにしましたので、その内容を紹介させていただきます。よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

中部国際空港から新千歳空港まで航空機に搭乗

 今回も北海道までの往復には航空機を利用します。前回の北海道旅行の際の記事でも触れたとおり、僕は航空機があまり好きではありません。乗り鉄的には是非とも北海道新幹線を利用して渡道したいところですが、2泊3日という限られた時間の中では、北海道までの往復にあまり時間を割くことができません。ということで、今回も中部国際空港から新千歳空港まで、航空機を利用することとしました。まあ、そうと決めたら頑張るしかありません。

名鉄ミュースカイで使用されている2000系:中部国際空港駅 2024/2/29

 前回の北海道旅行の際と同様、中部国際空港までは 名鉄線を利用します。神宮前駅から中部国際空港駅までの間では、2000系「ミュースカイ」に乗車しました。そういえば最近、名鉄は人身事故の影響により運転見合わせとなることが非常に多く、通勤で利用する際に運休や遅延に巻き込まれたことがあります。普段であれば、ただ単に遅刻で済むのですが、今回はそうは行きません。万一、予定の航空機に間に合わないことになると、その後の行程がすべて崩壊してしまいます。絶対に運休や遅延がないよう祈っていましたが、そのおかげか予定どおりの時間に到着することができました。

 中部国際空港駅で撮影した写真です。あらためて見ると、昨年6月の北海道旅行の際の写真とほぼ同じものですね。旅行行程の一部が前回と重なっているため、どうしても同じような写真になってしまいます。

 中部国際空港 到着後、今回も出発前にスカイデッキに行ってみました。駐機場にはいろいろな航空会社の機体が並んでいます。この時間帯は各地への出発便が多いようで、JALANAだけでなく、SKYMARKやPeach、遠くにはFDAの機体も見えます。ちなみに今日の天候は曇りで夕方からは雨の予報です。北海道内の一部には雪の予報もあったことから、運航への影響も心配されましたが、フライトは予定どおりということで安心しました。ちなみに僕は今回もJALを利用します。搭乗前ということで、何だか変に緊張してきました。とにかく無事に新千歳空港に到着することを祈るばかりです。

 保安検査を無事に通過しました。いつも思うのですが、中部国際空港の国内線の保安検査は、何故にあんなに混むんでしょうかね? 混み合う時間帯であることは承知していますが、それにしてもひどい混雑です。僕はかなり時間に余裕を持って保安検査場に向かいましたが、列がなかなか進まず、かなり焦りました。何とか改善してほしいものです。

 さて、無事に機内に着席しました。座席は今回も窓側座席です。別に通路側でも問題はなかったのですが、鉄ヲタのクセが身についており、つい窓側座席を選んでしまいます。機内では特にやることもなかったので、窓から見える外の景色を撮影したりしました。

 こうした風景を眺めていると、自分が雲の上にいることがよく分かります。今日から3日間、このような青空が続くと嬉しいのですが、こればかりはどうしようもありません。機内ではちょくちょくJR北海道の運行情報をチェックしましたが、少なくともその時点で運休などの発表はされていませんでした。それにしても、やはり航空機は何となく落ち着きません😞。僕に空の旅は向いていないようです。

 

新千歳空港から快速エアポートに乗車

 ほぼ定刻に新千歳空港に着陸しました。窓の外には雪景色が広がっています。北海道に来たことをあらためて実感した瞬間です。

 航空機を降りたらそこは北海道ということで、これまで経験のないような寒さを覚悟していましたが、気合を入れて厚着をしていったことが功を奏して、震えるような寒さは感じませんでした。

 新千歳空港駅では、今回の乗り鉄旅で使用する乗車券類を引き換えておきます。ちなみに利用するのはJALダイナミックパッケージと同時に購入した「ひがし&きた北海道キャンペーンオプションパス」です。このオプションパスは、フリーエリア内の特急・快速・普通列車の指定席と自由席が乗り放題となります。なお、指定席の利用は、パス引換後に空きがある場合に限り指定券(SL冬の湿原号を除く。)の交付を受けることができます。僕もパスの引き換えと同時に、これから乗車する列車の指定券を発券してもらいました。

快速エアポートで使用されている733系:新千歳空港駅・札幌駅 2024/2/29

 そして新千歳空港駅から札幌駅まで乗車するのは、もちろん快速エアポートです。今回はオプションパスを利用するため、追加料金なしで指定席を利用できることから、もちろん下の写真にある4号車の指定席「uシート」を利用します。車両は733系です。快速エアポートには733系の他に721系が使用されていますが、733系による更新が進んでいるようで、721系はかなり数を減らしている印象です。

 車内はこんな感じです。昨年6月の北海道旅行の際の記事にも似たような写真を掲載していましたね。733系の自由席はロングシートですが、指定席の「uシート」は特急列車並みのリクライニングシートとなっています。ウイークデーの日中ということもあり、僕が乗車した快速エアポート107号の指定席利用者はまばらでした。時期によっては満席になることもあるかもしれませんが、新千歳空港駅から札幌駅までは40分弱なので、中にはロングシートの自由席で十分だという方もいらっしゃると思います。

 

札幌駅周辺を散策

 札幌駅に到着です。意外にも札幌市内は晴れていました☀。僕が札幌を訪れるのは、2019年6月と昨年6月に続き3回目ですが、実は札幌駅周辺を観光したことはなく、いつも乗り換えでの利用ばかりです。今回は、次に乗車する特急「おおぞら」の発車時刻まで3時間くらい余裕があるので、駅周辺を少し散策してみることにしました。

インゾーネテーブル(inZONE TABLE)でランチ

 まずは腹ごしらえということで、札幌ステラプレイス6階にあるインゾーネテーブル(inZONE TABLE)さんにやってきました。

 Webページの情報によると、道産牛ロースト肉を細粒塩や山わさび、オリジナルソースでいただけるということで期待大です。お肉の部位も選ぶことができるそうで、僕はリブロースを注文しました。

 店内は実にスタイリッシュで、デザイン性の高い雰囲気まではよかったのですが、好みから言わせてもらうと、料理については正直言って、僕が期待していたものではありませんでした。1回しか利用していないお店を初見だけで酷評してはいけないかもしれませんが、肝心のロースト肉がいま一つで、とても噛み切れないような粗悪な部位が混ざっていました。これにはガッカリです。たまたま運悪く僕に提供されただけかもしれませんが、期待が大きかっただけに残念でした😥。

札幌市時計台を見学

 食事を終え、気を取り直して、駅から少し外を歩いてみました。歩道の多くは除雪されているものの、交差点などには多くの雪が残っています。中には雪がシャーベット状になっている所もあるため、ひっくり返らないよう慎重かつゆっくりと歩くようにしました。

 そして駅から歩いて10分くらいのところに、あの有名な札幌市時計台があります。テレビなどでは何度も見ていますが、実物を見るのはこれが初めてです。

 この建物は、旧札幌農学校の兵式訓練や入学式・卒業式などを行う中央講堂として1878年明治11年)に建設されたものなんだそうです。旧札幌農学校と言えば、“Boys,Be Ambitious「少年よ、大志を抱け」”の言葉で有名なクラーク博士ですよね。というか、僕にはそれくらいの知識しかありません。入館料を支払えば建物内を見学することができますが、時間も限られているので、僕は外観だけにしました。

六花亭でスイーツタイム

 北海道土産の定番と言えば、やはり「白い恋人」ですよね。僕も大好きなお菓子の一つです。その「白い恋人」と並んで北海道を代表するお菓子が、六花亭の「マルセイバターサンド」です。オリジナルの花柄の包装紙はあまりに有名で、あの花柄を見れば誰しも六花亭を思い浮かべる程だと思います。そんな六花亭の本社は帯広にあるそうですが、札幌駅近くに直営店舗があり、喫茶スペースもあると聞いたので行ってみることにしました。

 六花亭札幌本店は大きなビルで、1階がお菓子やお土産の販売店舗、2階が喫茶室です。喫茶室は平日にも関わらず満席で、すぐには利用できそうにありませんでしたが、喫茶室前にスタンディングのイートインコーナーもあり、こちらであればすぐに利用可能とのことだったので、こちらでホットチョコレートとアイスサンドをいただきました。

 ホットチョコレートは非常に濃厚で、冷えた身体が温まります。これと一緒にいただくアイスサンドもバターサンドのような風味があり、とても美味しかったです。幸せなひと時を過ごすことができました。やはり、甘いものはいいですね😊。

 

札幌駅から特急おおぞらに乗車

 再び札幌駅に戻ってきました。昨年6月に撮影した写真とはちょっと異なるアングルから駅をパシャリ📸

 明日はいよいよ「SL冬の湿原号」に乗車するのですが、その始発駅である釧路駅まで今日中に移動します。その方が明日の朝ゆっくりできますからね。実は2019年6月にも同じルートで釧路に行きましたが、その時は途中の帯広で下車して宿泊したため、札幌駅からは特急「スーパーとかち」に乗車しました。今回は終点の釧路駅まで一気に移動するので、特急「おおぞら」に乗車します。

おおぞら号で使用されているキハ261系1000番台:札幌駅 2024/2/29

 現在、特急「おおぞら」はキハ261系1000番台の気動車で運行されています。所定は4両編成となっていますが、僕が乗車した7号は6両編成で、グリーン車が1両、普通車指定席が3両(所定は2両)、普通車自由席が2両(所定は1両)となっていました。最近、北海道内はインバウンドによる外国人観光客による需要が非常に多いようで、僕が乗車する列車の指定席もほぼ満席とのことでした。一方の自由席はというと、かなり余裕があり、指定席ほどの混雑はありません。これならば明らかに自由席の方が快適です。

 普通車の車内の様子です。全体的に明るく清潔感があり、特急列車に相応しい内装となっています。座席幅も広めで上下可動式の枕もあり、普通席にしては贅沢な座席となっているため、ちょっとしたアップグレード感が伝わってきます。長時間の乗車でも快適に過ごすことができるよう座席周りや車内設備も工夫されているようですが、モバイルコンセントがない点はちょっと残念でした。

対向列車待ち合わせ中のキハ261系1000番台:トマム駅 2024/2/29

 上の写真は、途中駅であるトマム駅での停車時間を利用して撮影したものです。実はこの時点で定刻よりも10分くらい遅延しており、ここトマム駅で列車の行き違いを行うこととなったようです。ちなみにトマム駅では多くの乗降がありました。

 夕陽を浴びるキハ261系1000番台もなかなかカッコイイですね。ラベンダーやライラックの花をイメージした紫色と、菜の花畑をイメージした黄色の組み合わせはオリジナル感に溢れるカラーリングで、北海道らしさが感じられます。

札幌からの長旅を終えたキハ261系1000番台:釧路駅 2024/2/29

 途中は車窓からの風景を撮影するなどしていましたが、後から確認してみると、ほとんどまともに写っていませんでした。やはり走行中の車内から撮影するのは難しいですね。

 そうこうしているうちに、終着の釧路に到着しました。札幌駅からは約350kmで約4時間20分の乗車です。久しぶりに長時間にわたる乗車を楽しむことができましたが、これこそが北海道の乗り鉄旅の醍醐味というものです。大満足です😃。

 今日の乗り鉄旅はここまでです。明日は再び釧路駅から釧網本線に乗車します。最新の天気予報によると明日は午後から雪のようで、「SL冬の湿原号」が無事に運行されるか気になるところですが、ひとまずホテルで休息を取り、明日の乗り鉄旅に備えたいと思います。

>>(2)に続く

大阪“グルメ”旅に行ってきました(今年4回目)

 今年も残すところ、残り2日となりました。毎年この時期になると思うことですが、1年という月日が過ぎるのは実に早いものです。学生時代には1年という期間が長く感じられましたが、就職して社会人になってからはあっという間に1年が過ぎていきます。インターネットで調べてみると、「ジャネーの法則」というものがあるそうで、何でも「人生のある時期に感じる時間の長さは、年齢の逆数に比例する」んだそうです。つまり人生の残り時間が少なくなればなるほど、1年が短く感じられるという法則で、これが正しいとすれば、僕が今後の人生で過ごす時間は、体感的にさらに早く感じられるということになります。ちょっと恐ろしいですね。実際、5年後、10年後にはどうなっているのでしょうか… あまり考えたくありません。

 さて、そんな今年1年を振り返ると、いろいろなことがありました。仕事面では4月から3年ぶりに新しい職場での勤務となりましたが、出勤早々に原因不明の体調不良となり、周囲の方にご迷惑をおかけしたことは、今でも申し訳なく思っています。体調管理には常に気をつけなければならないことを、改めて思い知らされました。

 一方で、プライベート面では大きなトラブルもなく、充実した日々を送ることができたと思います。乗り鉄旅を思い起こすと、“10時打ち”で確保し、念願だったウエストエクスプレス銀河のファーストシートに乗車することができましたし、季節限定で運転される急行「花たびそうや」にも乗車することができました。また、9月に会津若松を往復した際には、運行を開始したばかりの東武鉄道スペーシアXにも乗車し、コックピットラウンジでの乗り鉄旅を楽しむことができました。北は北海道稚内駅から南は鹿児島県指宿駅まで、様々な地域を訪れることができた1年だったと言えます。

 ところで僕は、今日から年末年始の長期休暇が始まります。昨年は家庭の事情で旅行はできませんでしたが、今年はどこかに行こうと考えたところ、ヤフオク!に出品されていた近鉄株主優待乗車証(沿線招待乗車券?)の2枚セットが目に入りました。この時期になると、利用期限が12月末の乗車証が多数出品されており、いつもより安価な値段で落札することができます。この乗車証は、区間や距離に関係なく1回の片道乗車(途中下車は不可)に利用することができるため、2枚あれば近鉄名古屋大阪難波間を往復することができる訳です。特に近鉄は今年4月に運賃改定を実施しており、近鉄名古屋大阪難波間の運賃は片道2,860円(往復5,720円)となりました。しかし12月中旬になると、乗車証の落札相場は1枚1,000円くらいになるため、これを使えば2,000円くらいで大阪まで往復できることになります。もちろん、特急列車を利用する場合には別途、特急料金が必要になりますが、それでも安価な乗車証が入手できるこのタイミングを逃すのはもったいないと思い、今年4回目となる大阪乗り鉄旅に行ってみることにしました。
 それでは早速、今回の旅行を紹介したいと思います。

 

 

近鉄名古屋駅から特急アーバンライナーに乗車

 近鉄名古屋駅にやって来ました。実は数日前に特急券を購入しようと、近鉄のインターネット予約・発売サービスで列車の空席状況を確認したのですが、名阪特急は午前出発便を中心にほぼ満席となっており、特に「ひのとり」のプレミアムシートは満席でした。まあ、人出が増える年末ですので当然と言えば当然です。僕はと言えば、今回は特に車両にこだわりもなかったので、甲特急は早々に諦めて乙特急である「アーバンライナー」を利用することにしました。「アーバンライナー」もレギュラーシートよりも先にデラックスシートの方が埋まりつつあり、最初に確認した時点ではレギュラーシートにしか空席がない状態でした。という訳でレギュラーシートに乗車するつもりでしたが、その後にキャンセルが発生したようで、結果的にはデラックスシートの1人掛け座席を予約することができました。

 そんな状況から、当日は名古屋駅も相当混雑しているのではないかと想像していましたが、実際には改札口付近に目立った混雑はありませんでした。特急券チケットレス化が進み、また交通系ICカードの利用が増えることで、行列を生じさせないスムーズな移動が実現しているのだと思います。

 大阪難波行きの「アーバンライナー」は5番線から発車します。僕が駅に到着した際には、すでに21000系の「アーバンライナー」が入線済みで、折り返し運転のため車内清掃が行われている最中でした。最繁忙期ということで、今日は8両編成です。名古屋駅の5番線ホームで8両編成の車両を撮影しようとすると、大阪難波方の先頭車両はホーム端ギリギリって感じですね。

名阪乙特急で活躍している21000系アーバンライナー近鉄名古屋駅 2023/12/29

 乙特急は名古屋を発車すると、桑名、四日市と停車していきます。途中の津では乗務員交代のため、他の駅よりも停車時間が長かったので、ちょっとホームに降りて車両を撮影してみました。津駅で写真撮影したのは初めてかも知れません。

 僕は進行方向最後尾となる1号車に乗車しており、その他の号車の車内の様子までは分かりませんが、明らかにいつもより乗客は多く、ほぼ満席です。当初はレギュラーシートで予定していたものをデラックスシートに変更しましたが、やはりデラックスシートはいいですね。しかも1人掛け座席なので、満席に近い車内であっても隣の席の方が気になることはありません。さらに一番後ろの座席だったので、リクライニングも気にせず利用することができ、優雅に乗り鉄旅を楽しむことができました。

 そして「アーバンライナー」のデラックスシートに気持ちよく揺られること約2時間20分、大阪難波駅に到着しました。記念にホーム端からパシャリ📸

 

かに道楽道頓堀本店でかに御膳

 せっかく難波に来ましたので、道頓堀に行ってみることにしました。今日は晴天とは言えませんが、屋外を歩いていてもそれほど寒く🥶は感じません。あまりに寒かったり、雨が降ったりしていると、それだけでテンションが下がってしまうので、そうならずよかったです。ちょっと昼前の早い時間ですが、せっかくなのでここでランチをいただくことにしました。

 以前の大阪旅行の際には、大阪名物の串カツをいただいたことがあります。今回も大阪らしいものがいいなと思いながら戎橋界隈をぶらぶらしていると、大きなカニ🦀の立体看板が見えてきました。もちろんあの有名な「かに道楽」です。

 大阪を代表する飲食店と言えば、やはり老舗ふぐ料理店「づぼらや」とこの「かに道楽」ですが、「ずぼらや」は数年前に閉店してしまったそうです。やはり新型コロナウイルス感染症拡大による自粛要請の影響なのでしょうか。一方で「かに道楽」の道頓堀本店は今でも営業を続けてくれています。年末になると、人はなぜかカニが食べたくなるものです。そこで今回は「かに道楽」さんでランチをいただくことにしました。

 いつものとおり食レポはありませんが、僕としては、かにシューマイとかに釜飯が特に美味しかったです。特にかに釜飯はお茶碗2膳分あり、1杯目はそのまま釜飯としていただき、2杯目は薬味を入れてお茶漬けとしていただくことができました。3,960円のコース料理で、ネットの評価では「ちょっと物足りない」という声もあるようですが、僕にはちょうどいい量で、値段相応の十分に満足できるものでした。ちなみに今回は、2階のお座敷席に案内されましたので、道頓堀川に面した座席から大阪らしい賑やかな風景を眺めながらランチを楽しむことができた点もグッド👍でした。

 

メルカパーラーでフルーツたっぷりのミルクレープ

 道頓堀で食事を終えた後は、地下鉄を利用して梅田に移動しました。難波周辺もそうですが、梅田周辺も人出が多く賑わっています。(下の写真は御堂筋線梅田駅の改札内ですが、これはたまたま混雑しているようには見えませんけどね…)

 梅田では、僕がいつもお世話になっているMくんに会い、お互いに近況を話したりしながら楽しい時間を過ごしました。ちなみにMくんは僕より年下ですが、頑張り屋さんのしっかり者で、なかなか殊勝な人物です。知り合って以来、年に2〜3回くらい顔を合わせていますが、最近は仕事だけでなく、趣味の面でも精力的に活動されているようなので、僕も負けないように頑張らないといけません。

 そしてMくんと分かれた後、大阪駅にやって来ました。実はこの後、期間限定で開催されている「御堂筋イルミネーション」を鑑賞するため、2階建てのオープンデッキバスに乗車するツアーに参加するのですが、そのバスが大阪駅から発車するため、バス乗り場に向かうという訳です。しかし、発車時刻までまだ余裕があり、ちょっと小腹がすいたので、ルクア大阪の地下にあるメルカパーラーに行ってみることにしました。

 メルカパーラーは、各種フルーツやスイーツを提供する人気店で、時間帯によってはフルーツ食べ放題のビュッフェなどもあります。今回は気になっていたミルクレープをいただくことにしました。メルカパーラーの店内はなかなかお洒落で雰囲気がよさげということで期待していたのですが、この時間は予約の方で満席ということでした😭 今回は席が空くのを待つ時間もないため、店舗前にあるフリースペースを利用しました。フリースペースにはちょうど空きがあったのでラッキーでした😊

 ミルクレープには、使用されているフルーツによっていつくかの種類があるようですが、夕方ということで2種類しか残っておらず、その中からドラゴンフルーツのミルクレープを選びました。思った以上にボリュームがありましたが、クリームはあっさりしててしつこい甘さではありません。僕はドラゴンフルーツを初めて食べましたが、どのフルーツ🍓🍌🥝🍇も美味しかったです。

 

「御堂筋イルミネーション」を楽しむオープンデッキバス OSAKA SKY VISTAに乗車

 ここからいよいよ「御堂筋イルミネーション」を鑑賞するため、オープンデッキバス OSAKA SKY VISTAに乗車します。大阪・光の饗宴2023の開催期間中、1日3便運行されており、僕は今回、16時50分に発車する第1便に乗車します。数日前にインターネットで座席を予約しましたが、すでに残り1席となっており、人気ぶりが伺えます。大阪駅の高速バス乗り場で待つこと数分、2階建ての赤い大きなバスがやって来ました。

 そう言えば以前、クリスマス時期に東京都内のイルミネーションスポットを巡るオープンデッキバスに乗車したことがありますが、大阪でイルミネーションを鑑賞するのは初めてのことです。大阪駅出発直後はまだ日が暮れておらず大丈夫かなと心配しましたが、ガイドさんによるアナウンスもあり、オープンデッキバスからはイルミネーション以外の車窓も大パノラマで楽しむことができました。走行中のバスからは、なかなかうまく写真撮影できませんでしたが、今回のツアーで鑑賞したイルミネーションの一部を紹介したいと思います。

 難波方面から梅田に戻る途中の阪神高速道路上には、御堂筋のイルミネーションを上から眺められる絶好の撮影スポットがありましたが、走行中のバスの車内から見ることができるのはほんの一瞬だったため、残念ながら写真に収めることができませんでした。バスは途中の交通渋滞によって少し遅くなり、予定よりも15分くらい遅れて大阪駅の高速バス乗り場に帰って来ました。

 

大阪難波駅から特急ひのとりに乗車

 再び大阪難波駅に戻り、ここからは帰路につきます。実は旅行計画当初、18時30分発の「アーバンライナー」に乗車する予定でしたが、バスの到着がが少し遅れた上に、難波での買い物にも手間取ってしまったため、急遽、19時発の「ひのとり」に変更することにしました。インターネット予約・発売サービスを利用すれば、こうした列車変更もスマホひとつで簡単にできるので、とても便利です。直前の変更でしたが、レギュラーシートに多少の空席があって本当に助かりました。

 乗車する「ひのとり」は1番線から発車します。奈良方面に行く列車も同じホームのため、大阪難波駅の1・2番線は3〜4分おきに列車が発着しています。行き先が異なる多くの列車が頻繁に行き来しており、何となく名鉄名古屋駅に似ています。

名阪甲特急で活躍している80000系ひのとり:大阪難波駅 2023/12/29

 思いがけず「ひのとり」に乗車することになりましたが、やはりカッコイイですね。つい見惚れてしまいます。実車を見ると、プレミアムシートに惹かれてしまいますが、今回はレギュラーシートに空席があっただけでもラッキーな状況なので、贅沢を言ってはいけません。僕は5号車の通路側座席を利用します。

 上の写真は、僕が着席した座席から車両前方を撮影したものです。「ひのとり」のレギュラーシートと言えば、後方に気兼ねなくリクライニングが利用できるバックシェルを備えた座席が最大の特徴ですが、その他にも様々な充実した機能があります。例えばテーブルには、バックシェルの背面に装備されているテーブルと肘かけに装備されたテーブルの2種類があり、用途によって使い分けることができます。もちろん 各座席にはモバイル用コンセントがあり、高さ調整機能付きのフットレストも完備しています。また、2人掛け座席の中央には肘掛けがありますが、各座席ごとで独立したものとなっているのも大きな特徴のひとつと言えます。こうした車内設備の充実ぶりは、やはり最新型特急ならではと言えます。

 車内では、発車早々にお弁当をいただくことにしました。大阪土産と言えば、551蓬莱の豚まんが有名ですが、551蓬莱では一部店舗でお弁当の販売も行っており、大阪難波駅近くにあるなんばウォーク店でも、いろいろな中華のお弁当を購入することができます。を僕は天津飯が好きなので、今回は天津飯弁当をチョイスしました。たっぷりあんのかかった天津飯のほか、鶏の唐揚げ、小エビ天、甘酢団子、焼売そしてエビ焼売といった人気惣菜が一同に介したお弁当です。出来たてということもあり、天津飯の卵がふわふわで、おかずも種類豊富で大満足のお弁当です。ちなみに飲食の際には、周囲の乗客の方に迷惑とならないよう、気を付けながらいただくようにしました🙇

 食後は名古屋までの車窓を眺めたいところですが、今回は通路側座席ですし、外はすでに真っ暗です。車内では今日撮影した写真の整理をするなどして残りの時間を過ごし、予定どおりに名古屋駅に到着しました。

 

乗車券類の紹介

 それでは最後に、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類を紹介します。とは言っても、株主優待乗車証は手元に残していないため、往路と復路の特急券しかありません。

 いつものとおり、乗車前に駅の窓口で発券していただきました。「アーバンライナー」ではデラックスシート利用時の特別車両料金520円が、「ひのとり」ではレギュラーシート利用時の特別車両料金200円がそれぞれ加算されています。他社の料金体系を見ると、レギュラーシートに特別車両料金が必要となるケースは珍しいものと言えますが、「ひのとり」の充実した車内設備を踏まえれば、200円程度の負担は当然と言えるかもしれません。

 今回の大阪旅行は以上のとおりです。今年は例年よりも大阪を訪問する機会が多く、近鉄特急には何度もお世話になりました。今年の乗り鉄旅は今日が最後となりますが、実はすでに来年1月の乗り鉄旅に向けて計画を進めているところです。久しぶりの大きな乗り鉄旅となりますので、今からすでにドキドキ🤩ワクワク😃しています。来年も乗り鉄旅をグログを通じて紹介させてもらいますので、引き続きよろしくお願いします。今年1年、ありがとうございました🙇

SL「D51復活35周年水上」に乗車する水上往復乗り鉄旅

 国内には、動態保存されている蒸気機関車(SL)がいくつかあります。日本の最初期のSLは、今から約150年前の1872年に新橋―横浜間の開業に使用されたもので、これはイギリスから輸入されたんだそうです。その後、国内において次々と鉄道網が整備されていき、各地で旅客用や貨物用としてSLが運用されるようになった訳ですが、時代は動力近代化へと進み、電気機関車ディーゼル機関車に置き換えられる形で、次第に淘汰されることとなり、現在では復活を成し遂げた一部のSLがその姿を残すのみとなりました。

 全国的に有名なSLとしては、山口線新山口-津和野間)を走る「SLやまぐち号」や磐越西線(新津-会津若松間)を走る「SLばんえつ物語号」などがあり、JR北海道が冬季に釧網本線(釧路-標茶間)で運行する「SL冬の湿原号」や、JR九州肥薩線(熊本-人吉間。ただし、肥薩線の一部区間不通の影響により現在は鹿児島本線鳥栖-熊本間)で運行する「SL人吉」なども人気を集めています。

 僕が住んでいる愛知県内には、残念ながらSLが運行されている路線はありませんが、お隣の静岡県にある大井川鐡道は40年以上も昔からSLの動態保存に取り組んでおり、週末を中心に多くの列車を運行しています。特に2014年7月から運行を開始した「きかんしゃトーマス号」は爆発的なヒットとなり、一時期は指定席券を確保するのが困難となるほどの人気列車となりました。僕も一度は乗ってみようと思い、2018年に初めて「きかんしゃトーマス号」に乗車しています。

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 大井川鐡道では、「きかんしゃトーマス号」のC11形の他に、貴重なC10形やC56形も活躍しており、全国各地から多くの鉄道ファンを集めています。SL人気で不動の地位を確立したと思われた大井川鐡道ですが、2020年春には新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いSL急行の運休を余儀なくされ、さらに2022年9月には台風15号による土砂災害の影響で大井川本線は大きなダメージを受けて、現在でも川根温泉笹間渡-千頭間では運休(SLは新金谷-家山または川根温泉笹間渡間でのみ運行)が続いている状況です。

 また、関西方面に目を向けると、北陸本線米原木ノ本間)では以前から「SL北びわこ号」が運行されてきましたが、こちらも新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年春季から運転を休止し、客車の老朽化などの事情もあって、2021年5月に運行終了が発表されています。

 さらに今年度になってからは、釜石線で活躍していた「SL銀河」が6月に定期運行を終了しており、また、先に紹介した「SL人吉」も2024年3月に引退することが発表されています。僕は「SL銀河」「SL人吉」のどちらにも乗車したことがありますが、どちらもSLの醍醐味が感じられる素晴らしい列車で、大人も子供もすべての年代が楽しめる魅力的なものでした。もし時間を戻すことができるのであれば、もう一度と言わず何度でも乗車してみたいと思うほどです。

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 そんな感じで、観光資源としてのポテンシャルは高いものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響や車両(客車)の老朽化、また、鉄道会社によっては自然災害の影響などもあり、SLを取り巻く環境は、今まで以上に厳しさを増しているような気がします。また、SLを維持・管理するためには、通常の電車や気動車よりも多くの人手と費用が必要になるでしょうから、動態保存されているSLがこの先どこまで維持されるものか、その動向を不安視する声が聞こえてくるのも無理のないことです。

 しかしその一方で、ちょっと明るい話題があるのも事実です。一つ目は東武鉄道が2017年に約50年ぶりにSLの運行を復活させたことです。大手私鉄としてはおそらく初の試みで、この取り組みが他の大手私鉄にも波及するとは思いませんが、「SL大樹」は人気を博しており、鬼怒川線下今市鬼怒川温泉間)の利用促進や鬼怒川地区への集客に大きく貢献しているようです。そして二つ目はJR東日本保有するD51形498号機が、今年で復活から35周年を迎えるということです。もともとD51形498号機は戦前の1940年に落成された機関車で、その後は一度引退したものの、1988年に復籍しています。D51形は「デゴイチ」の愛称で親しまれており、SLの代名詞的存在でもあります。JR東日本では、これまでも復活からの節目の年に記念列車を運行してきましたが、今年も「D51復活35周年水上号」が運転されることとなりました。

 そして今回は、この「D51復活35周年水上号」に乗車する乗り鉄旅に行ってみることにしました。この列車の運転日は11月3・5・18・19日の計4日間で、運転区間はいずれも上越線(高崎―水上間)です。また、客車は高崎車両センター所属の旧型客車6両編成となります。本来であれば、乗車日の1つ月前の指定券発売日までに旅行行程などを準備しておけばよかったのですが、あいにく手配が遅れてしまったため、出発日は最後の運転日である11月19日としました。ちなみに「D51復活35周年水上号」には往復とも乗車するつもりです。そうと決めたら早速、指定券を確保しなければなりません。できれば往復とも進行方向の窓側座席を確保したいと思い、空席状況を確認しましたが、やはり窓側座席はほぼ埋まっていました😰 こまめに「えきねっと」で探っていると、たまに空席が見つかり、何とか往復とも希望の窓側座席を確保することができました。これで一安心です😊

 

今回の旅行概要

 では早速、今回の旅行行程を紹介したいと思います。

 「D51復活35周年水上号」は高崎9時56分発なので、これに間に合うよう、豊橋を朝一番に発車する「ひかり」に乗車して東京に向かいます。東京からは8時44分発の「はくたか」に乗車して高崎に行き、高崎から終点の水上まで「D51復活35周年水上号」に乗車します。水上では昼食や入浴を楽しんだ後、再び水上15時15分発の「D51復活35周年水上号」に乗車して高崎に戻り、さらに高崎からは「とき」に乗車して東京に向かい、東京から「こだま」に乗車するものです。メインはもちろん「D51復活35周年水上号」ですが、「ひかり」「はくたか」「とき」「こだま」と4つの新幹線にも乗車することになります。

 「D51復活35周年水上号」の乗車区間は上記のとおりですが、詳細なダイヤは次のとおりです。

 高崎―水上間は約2時間ですが、途中の渋川や沼田で8分から20分から停車するため、この時間を利用して写真撮影などを楽しむことができそうです。乗車日に向けて、日に日に期待が高まっていたのですが、前日の18日、たまたま鉄道関係のニュースを見ていると、次のような記事が目に飛び込んできました。

不具合で快速「D51復活35周年水上」の上下2本が運休 JR東日本高崎支社によると、18日午前8時半ごろ、上越線高崎駅構内でSL「D51復活35周年水上」の入れ替え作業中にD51蒸気機関車の保安装置に不具合が確認され、高崎発水上行き下り快速「D51復活35周年水上」と水上発高崎行き上り快速「D51復活35周年水上」が運休した。

 えー😭、まさかという感じです。こんなことがあるんですね。どうやら発車直前に不具合が判明したようで代替の機関車が手配できず、やむを得ず運休になってしまったようです。「D51復活35周年水上号」に乗車するため、すでに高崎で待ち構えていた方もいらっしゃると思いますので、実にお気の毒なことです。しかし、保安装置に不具合が発生したとのことですので、残念ですが仕方ありません。僕が乗車する19日の運行は大丈夫なのかと気になり、JR東日本のWebサイトを見てみましたが、これに関して特にお知らせはありません。果たしてどうなるのか、やや不安な思いを抱いたまま出発の日を迎えました。

 

豊橋駅から東海道新幹線に乗車

 予定どおり、豊橋から東海道新幹線に乗車します。朝一番の上り「ひかり630号」に乗車するのは久しぶりです。名鉄線から一旦、改札を出て新幹線改札口に向かうと、何やら人だかりがあります。どうやらこれから新幹線に乗車する団体旅行の方のようです。秋の行楽シーズン真っ只中ということで、ツアー客も多いのでしょうか? 記念に改札口付近をパシャリ📸

 豊橋駅では車両を撮影する時間がありませんので、終点の東京駅で撮影しました。この場所から新幹線を撮影するのは、最近の定番になりつつあります。手前が今回乗車したN700系のG編成で、隣にはN700SのJ編成が停車していました。

東海道新幹線の主役であるN700系とN700S:東京駅 2023/11/19

 そう言えば、東海道新幹線では10月末をもってワゴンによる車内販売が終了しました。これまで「のぞみ」や「ひかり」に長時間乗車した際には、何度かワゴンサービスを利用してアイスクリームを購入したことがありますが、もう利用できないと思うとちょっと残念な気持ちになります。グリーン車の乗客向けには、新たなモバイルオーダーサービスが開始され、今後も引き続き、食事や飲み物を注文することができるようですので、また機会があれば利用してみたいと思います。ちなみに今回は、いつも以上に早起きしたため、乗車早々に寝落ちしてしまい、モバイルオーダーサービスは利用しませんでした。

 

東京駅から北陸新幹線に乗車

 東京駅からは「はくたか555号」で高崎に向かいます。見出しを上越新幹線とすべきか北陸新幹線とすべきか迷いましたが、乗車したのが「はくたか」だったので、北陸新幹線としました。

 東京駅23番線の発車標です。折り返し運転のため車内清掃が行われているのですが、なかなか乗車開始の案内がなく、やっと乗車できたのは発車直前です。ホームで乗車開始を待つ間の時間を利用して、発車前の車両を撮影しました。

上越新幹線北陸新幹線の主役であるE7/W7系:東京駅 2023/11/19

 車両はもちろんE7/W7系です。営業運転されているJR東日本の新幹線車両の系列としては、最も新しいのがこのE7系です。東海道新幹線N700系は、白地に青いラインという伝統を継承したカラーリングで、安定感とスピード感に溢れるデザインとなっていますが、E7系の鮮やかで大胆な青色の配色と、これを縁取るかのような銅色のラインが引かれた先頭車両もまた、どことなく“和”の雰囲気が漂うカッコいいデザインです。

 ちなみに北陸新幹線は、皆様もご存知のとおり、来年3月16日に金沢―敦賀間が開業し、小松駅加賀温泉駅芦原温泉駅福井駅、越前たけふ駅、そして終点の敦賀駅が新たに新幹線停車駅となります。福井県にとっては待望の新幹線延伸開業であり、東京から福井県内まで乗り換えなしでアクセスできるようになるということで、大きな期待が寄せられているようです。僕も敦賀まで延伸した際には、一度はこの区間を乗車してみたいと思っています。

 今回は、高崎まで約45分の短い乗車でした。車内放送によると、指定席はすべて発売済とのことでした。僕は普通車指定席に乗車しましたが、おそらく自由席も相当混雑していたと思います。やはりこうした時期に旅行する際には、指定席を確保しておいた方が安心ですね。

 

高崎駅からD51復活35周年水上号(下り)に乗車

 高崎駅には予定どおりに到着しました。早速「D51復活35周年水上号」が発車する2番線に向かいます。発車標には乗車番線の案内が表示されているため、とりあえず運休はなさそうでホッとしました🤗

 ホームには、ちゃんと旧型客車が停車しています。今日は天候も良く、「D51復活35周年水上号」の最終日ということもあってか非常に賑わっています。

 そして気になるSLですが、やはりD51の不具合は解消されていないようで、C61形20号蒸気機関車がピンチヒッターとして牽引機を務めることになりました。C61形がD51形498号蒸気機関車の復活を記念する列車を牽引するというのは、確かに本来の姿ではありませんが、困ったときはお互い様ということで、こうしたイレギュラーな運用もありだと思います。

 早速、ホーム上を進んで先頭のSL付近に行ってみると、写真撮影する方でごった返していました。皆様が順序よく撮影できるよう、撮影を終えた方から場所を空けていただけるといいのですが、長時間に渡って場所を陣取っている方も多く、後から来た方はなかなか撮影できません。SLを撮影されたい思いはみんな一緒のはずですので、もう少しお互いを思いやる気持ちが欲しいですね。

D51復活35周年水上号を牽引するC61形蒸気機関車高崎駅 2023/11/19

 僕も、隙を狙って何とか撮影しましたが、ひどい逆光のため、先頭部は思うような写真とはなりませんでした😭 SLの撮影は他の車両よりも特に難しい感じがします。そしてヘッドマークには「D51復活35周年水上号」専用のものが掲げられています。C61形もまさか自分がこのヘッドマークを掲げることになるとは、思ってもいなかったでしょうね。

 客車は6両編成となっており、うち4号車にはフリースペースとして乗客が利用できるラウンジカーが組み込まれています。僕が往路で乗車するのは1号車で、進行方向最後尾の号車となります。ちなみに高崎車両センターの旧型客車は、昭和27年から29年頃に製造された客車ということで、70年近く昔の昭和レトロ感が漂う車両となっています。外観は茶色(ぶどう色2号)となっていますが、6号車のみ青色となっていました。上の写真は1号車ですが、半分が客室、もう半分が荷物室という変わった構造の車両です。

 続いて1号車の車内の紹介です。ご覧のとおり、座席はすべてボックスシートとなっており、ニス塗りされた木目が艶々しく輝いています。当然、冷房装置などなく天井に扇風機が設置されており、ひとたび車内に入って座席に座ると、昭和時代にタイムスリップしたかのような感じが味わえます。ちなみに僕は、ボックス内の進行方向の窓側座席でしたが、運よく同じボックス内に他の乗客はおらず、広々とボックス座席を利用することができました。

 高崎駅発車後は、新前橋、渋川、沼田と停車していきますが、停車時間に余裕があったので、各駅でC61形を撮影してみました。どの駅でも写真撮影する方が多くいらっしゃいました。

新前橋駅

渋川駅


沼田駅

 そして終点の水上駅には、若干の遅れで到着しました。途中には紅葉の美しい山々が見られる区間もあり、秋らしい風景を楽しむことができました。また、旧型客車は自分で窓を開けることができるため、トンネル以外の区間では、心地よい風を感じつつノスタルジックな乗り鉄旅を満喫できました。水上駅到着後、編成全体をカメラに収めたいと思い、向かい側のホームから撮影してみましたが、う〜ん、今ひとつの写真ですね😰

 ちなみにSLは復路での運行に備えるため、水上駅の先にある転車台で方向転換します。駅から3分くらい歩いたところにSL転車台広場があり、間近で転車風景を見ることができるため、下車後、僕も転車の様子を見学することにしました。

 

SL転車台広場で転車風景を見学

 SL転車台広場に着きました。さすがに水上はちょっと寒いですね。そんな中でも、転車台周りには転車風景を見ようという方が多くいらっしゃいました。また、人工芝が敷かれた空間には、D51形745号蒸気機関車が静態保存されていますが、このSLにも「D51復活35周年水上号」のヘッドマークが取り付けられていました。

 そしていよいよ転車風景を観察することにします。転車台付近に移動してちょっと待っていると、C61形がゆっくりと転車台に向かって後退してきました。転車台上で停車したSLは時計回りで回転し、進行方向を変えます。

 巨大なSLが転車台の上でグルグルと回転する様子は、なかなか面白いものです。車両の方向転換には欠かせない装置ですが、実際に使用されているところを見られる場所は限られています。日本国内の例を見ると、やはりSL用として使用されている例が多いようですね。

 

手打ちそば処「やぶそば」で山菜天せいろ

 ここでそろそろ昼食をいただくことにしました。今回は事前に水上駅周辺の飲食店の情報を調べておき、手打ちそば処「やぶそば」さんを訪れようと決めていました。駅から少し離れた路地裏のような場所にあるお店ですが、美空ひばりさんをはじめ、多くの芸能人が足を運んだそば処だそうで、服部料理専門学校の校長で料理研究家である服部幸應氏からも「日本でも三本の指に入る」と評価された知る人ぞ知る名店なんだそうです。

 僕は、うどんもパスタもラーメンも、麺類はどれも好きですが、その中でも一番好きなのがお蕎麦です。お店に入ると店員さんから、山菜天せいろをオススメしてもらいましたので、これをいただくことにしました。

 実際にいただいた天せいろです。食レポは苦手なので丁寧な感想は省略させてもらいますが、麺は細目で歯ごたえがあり、風味豊かな香り高いお蕎麦です。さらに山菜の天ぷらは揚げたてで、最高に美味しいです。この天ぷらであれば、いくらでも食べられそうなくらいです。素朴ながら味わい深くまた、食べごたえもあり、大満足の昼食になりました。

 

水上館 坐山みなかみで日帰り入浴

 水上と言えば、やはり温泉♨です。利根川を見下ろし、谷川岳を見上げることができる温泉地で、水上駅周辺に位置しています。確かに利根川沿いを中心にいくつか温泉旅館が軒を連ねていますが、東京近郊から日帰り圏内に位置しているにも関わらず、何だか寂しく感じるところもあります。どこの温泉街もそうですが、団体旅行客の減少や旅行客のニーズの変化に伴い、やはり活気が失われつつあるのでしょうか。

 そんな中でも、いくつかの温泉旅館では日帰り入浴のサービスを行っており、気軽に水上温泉を楽しむことができるのはありがたいことです。僕は今回、復路での「D51復活35周年水上号」の発車時刻までの時間を利用して、水上館 坐山みなかみで日帰り入浴を楽しむことにしました。

 フロントで手続きを済ませて、浴場に向かいます。男湯は「水晶風呂」という施設で、奥利根ひばの風呂や樽型露天風呂もあるとのことでした。大浴場好きの僕にとっては期待が高まります。

 脱衣場から先はさすがに写真撮影できませんが、結構多くの方が利用しており、なかなかの人気ぶりが伺えます。僕は身体を洗ってまずは内湯である水晶風呂に入りましたが、思ったよりも熱かったです🥵 せっかくなので、ひばの風呂と露天風呂も利用しました。今日はここまで歩き疲れた感もあったのですが、お湯に浸かって身体も温まり、気分的にもサッパリしました。やはり温泉はいいですね。

 

水上駅からD51復活35周年水上号(上り)に乗車

 さて、水上駅に戻ってきました。ちなみに水上駅の外観はこんな感じです。駅前には飲食店やお土産物屋さんが数軒あります。僕もここで、家族へのお土産としてかりんとう饅頭を購入しました。

 改札を通ってホームに向かう跨線橋を渡っていると、ちょうどSLの付け替え作業を行っていました。湯檜曽方から来たC61形が1番線を通過して一旦、上牧方に移動し、転線してバックしながら2番線に入線してきます。ここで客車と連結し、出発準備が完了します。ホーム上には、SLと客車との連結作業を一目見ようという方が大勢いらっしゃいました(僕もその一人です)。ここでも記念にパシャリ📸

D51復活35周年水上号を牽引するC61形蒸気機関車水上駅 2023/11/19

 そして乗車開始時間になると、ホーム上の方が次々と乗車していきます。上り列車は、1号車を先頭にして高崎を目指します。ちなみに僕は3号車に乗車しました。

 もちろん3号車も旧型客車で、すべての座席がボックスシートですが、車内の様子を見ると、往路で利用した1号車とは若干、内装が異なっています。1号車は座席が青色でしたが、3号車の車両は緑色です。そして、窓側には小さなテーブルもあります。荷棚や窓枠も1号車とは微妙に違っており、復路はまた違った気分で乗り鉄旅を楽しむことができそうです。そして15時15分、定刻どおりに水上駅を発車しました。

 僕の隣の通路側は空席でしたが、向かい側には小学校低学年のお兄ちゃんとその妹さん、それにおふたりのお母さんが3人で乗車されていました。聞こえてくる話し声から、どうやら往路は親戚の方と一緒に高速道路で水上まで来て、その親戚の方を水上に残して3人で「D51復活35周年水上号」に乗車したようです。お兄ちゃんはSLに乗車したことが相当嬉しかったようで、終始はしゃいでいました。お兄ちゃん、きっと将来は乗り鉄ですね。

 上り列車も往路の下り列車と同様、後閑、沼田、渋川、新前橋に途中停車しますが、このうち沼田と渋川では数分の停車時間があります。往路でも撮影したところですが、復路でもC61形を撮影してみました。

沼田駅

渋川駅

 そう言えば、まだ4号車にあるラウンジカーを紹介していませんでしたので、ここで車内の様子をお伝えしたいと思います。ラウンジカーは主に物販用スペースとフリースペースに分かれており、物販カウンターではお菓子やドリンク、SLグッズが販売されています。フリースペースにはカウンター席と広めのボックス席があり、どちらもテーブルが設置されているため、お弁当を食べたりする際には利用したいですね。

 復路の車内では、ちょうどアイスクリームの車内販売があったので購入しました。スジャータ製のバニラアイス、つまりはあの“シンカンセンスゴイカタイアイス”です。フタを開けて食べようとすると、予想を裏切らず、非常に固いです。スプーンを折らないよう気をつけながらチビチビ食べました。向かいの席のお兄ちゃんの視線がやや気になりました。

 高崎駅に到着しました。もう辺りは真っ暗です。D51形に代わり急遽、ピンチヒッターとして記念列車を牽引したC61形には大感謝です。最後の最後にもう一度、C61形を撮影しました。前照灯を点灯させた姿もカッコイイですね。

 

高崎駅から上越新幹線に乗車

 高崎からは、上越新幹線「とき334号」に乗車して東京に行きます。

 上越新幹線には現在「とき」「たにがわ」の2種類の列車があり、このうち「たにがわ」は主に東京−越後湯沢間の各駅停車としての役割を担っており、「とき」は東京−新潟間を中心に運用されています。上越新幹線が開通した頃、「とき」は速達タイプで、「あさひ」が各駅停車タイプとして運行されていましたが、いつしか「あさひ」はなくなり、上越新幹線区間を通して運転されるのは「とき」のみとなりました。ややこしいのは「とき」であってもすべての駅に停車する列車から大宮以外は無停車の列車まであることです。あまり列車名ばかり増やしてもかえって混乱するということも考えられますが、愛称に区別があってもいいのかなと個人的には思っています。ちなみに今回乗車した「とき334号」は各駅停車タイプでした。

上越新幹線の主役であるE7系:東京駅 2023/11/19

 高崎駅での停車時間はわずかで写真撮影できませんでしたので、東京駅到着後に撮影しました。ちなみに僕は、まだE7/W7系グランクラスに乗車したことがありませんので、いつかは乗車してみたいと思っています。

 

東京駅から東海道新幹線に乗車

 東京駅からは「こだま751号」に乗車しました。ちなみに東京駅18時33分発の「ひかり」は豊橋に停車するため、この「ひかり」号に乗車できると都合がいいのですが、時間的に無理でした。

 乗車する車両は久しぶりのN700Sです。最近は車両全体に占めるN700Sの割合も増えていると思うのですが、僕はめぐり合わせが良くないのか、あまり乗車する機会がありません。

こだま号としての運用に就くN700S:東京駅 2023/11/19

 車内に入ると、早速お弁当タイムです。東京駅での乗り換え時間が17分しかない行程としたため、お弁当は高崎駅で購入しておきました。高崎駅ではSLをイメージした駅弁(SLロクイチ物語・上州D51弁当)が販売されており、僕がお弁当を買いに立ち寄った時点でもまだ在庫がありましたが、今回は普通に「しらす弁当」にしました。“何も高崎で湘南鎌倉を代表するような駅弁を買わなくても…”と後から思いましたが、まあ気にしません。

 今回の乗り鉄旅では、豊橋―東京間の東海道新幹線区間グリーン車を利用しました。「こだま」号のグリーン車は比較的空いているイメージがありますが、今回乗車した「こだま」号もそのとおりで余裕がありました。ということで、車内の座席をパシャリ📸 やはりグリーン車の座席は重厚感がありますね。

 快適なグリーン車での乗り鉄旅を楽しむこと約2時間、豊橋に到着です。振り返ると「D51復活35周年水上号」の牽引機が急遽変更されるという想定外の事態はあったものの、計画した旅行行程どおりに今回の旅を終えることができ、ホッと一安心といった感じです。

 

乗車券類の紹介

 いつものとおり、今回の乗り鉄旅で使用した乗車券類をまとめて紹介します。

 豊橋↔東京間はJR東海ツアーズの乗車票です。片道あたり900円を追加すればグリーン車を利用できるため、ついつい贅沢をしてグリーン車に乗車してしまいます。東京→高崎と高崎→東京は、新幹線eチケットを利用し、高崎↔水上間は往復乗車券を購入しました。どちらでもいいようなことですが、東京―水上間の場合、高崎など途中駅で分割した方が運賃が安くなるようです。

 SL車内では、車掌さんが検札を実施されており、券面に専用のチケッターを押印してくださいました。今回はC61形が牽引機を務めたため、チケッターもC61用のものになっています。「D51復活35周年水上号」にC61専用のチケッターの押印は、貴重な組み合わせになったと思います。

 今回も長々と乗り鉄旅を紹介しました。季節はいよいよ冬になります。気温も下がって風も冷たい時期となりますが、寒さに負けず、仕事も乗り鉄旅も頑張っていこうと思っています。

VISONに行ってきました

 僕はこれまでの乗り鉄旅で、鉄道に乗車するだけでなく、お目当てのお店でのランチやスイーツなどを旅行行程に組み入れたグルメ旅も楽しんでいますが、そのほかに温泉などの入浴施設を利用することも好きです。過去には、289系「こうのとり」に乗車して城崎温泉に、HC85系「ひだ」に乗車して下呂温泉、681系「しらさぎ」に乗車して芦原温泉に、そして651系草津」に乗車して草津温泉に立ち寄るなど、日本でも有数の温泉地をいくつか訪問しています。中には、昼間から入浴するのは苦手だという方もいらっしゃるようですが、夏場であれば汗を流してさっぱりできますし、冬場であれば身体の芯まで温まってホカホカしながら過ごすことができるため、僕は日中に入浴することも旅先での楽しみのひとつとしています。

 最近は温泉地に限らず、街中にも大型スパ施設があったり、郊外の商業リゾート施設に併設されていたりと、様々な形で入浴を楽しむことができる施設が増えてきました。そんな中、僕が以前から行ってみたいと思っていたのが、三重県にあるVISONです。VISONは2021年4月にオープンした日本最大級とも言われている商業施設で、産直市場やホテルなどの宿泊施設、ランチからディナーまで幅広く堪能できるレストランなどがあり、さらには、木や森をテーマにした体験・体感型施設や薬草湯を体験できる入浴施設などもあります。遊びや癒し、そしてグルメがすべて集結した一大商業施設で、その敷地面積は何と東京ドーム24個分にも相当するという巨大なものです。

 実は愛知県からVISONに行く場合、名古屋(名鉄バスセンター)から新宮行きの高速バスを利用すれば、約1時間40分で到着できます。また、VISONはETC専用のスマートICと直結しているため、自家用車での移動も便利です。しかし僕はやはり乗り鉄なので、あえて鉄道を利用することにしました。鉄道を利用する場合、JR紀勢本線の栃原駅が最寄り駅となりますが、この駅は普通列車しか停車しない上に運転本数も非常に少なく、現実的ではありません。また、栃原駅からVISONまでは徒歩で30分以上かかりますし、VISONに行くための路線バスもありません。一方、松阪駅であれば、VISON行きの路線バスが発着しており、快速「みえ」や特急「南紀」、また賢島や伊勢方面に向かう近鉄特急も停車します。そこで今回は、名古屋―松阪間で鉄道を利用し、松阪―VISON間で路線バスを利用することにしました。後は鉄道区間でJR線を利用するか近鉄線を利用するかですが、ちょうど近鉄に「VISON往復きっぷ」という企画乗車券があり、路線バスも含めておトクに利用できそうだったので、近鉄を利用することにしました。

 それでは、VISON初訪問となる今回の旅を紹介していきたいと思います。

 

 

近鉄名古屋駅から伊勢志摩ライナーに乗車

 早速ですが、今回の旅の始まりとなる近鉄名古屋駅です。近鉄名古屋駅頭端式ホームの4面5線構造で、1番線は普通、2番線は準急、3番線は急行、4番線と5番線は特急となっています。僕が乗車する特急列車は5番線から発車するため、改札を通って5番線ホームに向かいました。ホーム上には、観光列車を含む現役の近鉄特急を描いたパネルが掲出されていました。

 こうして見ると、僕は一応、パネルに描かれている9種類の車両にはすべて乗車しています。ただし、16200系「青の交響曲(シンフォニー)」と26000系「さくらライナー」には1回だけしか乗車したことがないので、もう一度乗車してみたいところです。

 ところで今回は、松阪駅まで近鉄特急に乗車するわけですが、近鉄名古屋―伊勢志摩を結ぶ特急は『名伊特急』と呼ばれており、その車両は、いわゆる汎用特急のほか、アーバンライナービスタカー伊勢志摩ライナーなどが充当されています。僕は今回、時間的にちょうど都合がよい、近鉄名古屋駅を9時10分に発車する特急を利用することにしました。車両は23000系「伊勢志摩ライナー」で賢島行きです。

伊勢志摩ライナーの愛称で呼ばれている23000系:近鉄名古屋駅 2023/10/27

 僕が乗車する「伊勢志摩ライナー」が5番線に入線する直前には、隣の4番線に名古屋止まりの「伊勢志摩ライナー」が到着しました。ほどなくして5番線に賢島行きの「伊勢志摩ライナー」が到着すると、両番線に同じ赤色の「伊勢志摩ライナー」が並ぶこととなり、僕以外にもその様子を写真に収めている方がいました。

 近鉄名古屋発の「伊勢志摩ライナー」は、6号車を先頭にして3号車までがレギュラーシート、2号車がグループ利用のサロンシート、そして最後尾の1号車がデラックスシートになります。レギュラーシートかデラックスシートどちらにしようか少し悩みましたが、1人掛け座席にちょうど空席があったので、デラックスシートにしました。今日は平日で、しかも名古屋を9時台に発車する特急ということで、それほど混雑しないかと思いきや、レギュラーシートやサロンシートも含めて、車内はほぼ満席でした。これにはちょっとビックリです。指定された座席に座って車内を見渡すと、乗客の多くは観光客のようです。気候もいい時期となったので、旅行で伊勢や鳥羽に行かれる方が多いんでしょうか? そんなことを考えていると、列車は定刻に名古屋駅を発車しました。『名伊特急』は近鉄名古屋大阪難波間を結ぶ『名阪特急』と比べると停車駅が多く、桑名、四日市、白子と三重県内の主要駅に次々と停車しながら一路南下して行きます。三重県の県庁所在地である津に停車したあとは伊勢中川で、その次に停車するのは僕が下車する松阪です。名古屋から約1時間ということで、遠すぎず近すぎず、乗り鉄気分を味わうことができる乗車時間です。

 久しぶりに「伊勢志摩ライナー」に乗車したので、ちょっと車内探検をしがてら写真を撮影してみました。

 「伊勢志摩ライナー」の先頭車両は「アーバンライナー」と同様、パノラマデッキを備えており、運転席越しに前面展望を楽しむことができるようになっています。ただし、パノラマデッキという名称のとおり、前面展望を楽しむことができるのはデッキからで、「ひのとり」や「しまかぜ」のように座席に着席しながら展望を楽しむことはできません。僕は最後尾の1号車に乗車したので、少しの間、後方展望を楽しもうとデッキに移動しましたが、車掌さんが仕事をされているのをジロジロ見ていると思われるのも嫌だったので、長居はしませんでした。

 「伊勢志摩ライナー」の車内には、Sea Side Cafe(シーサイドカフェ)というスペースがあります。カウンターがあり、ひょっとしたら以前はここでドリンクやお弁当などを販売していたのかもしれませんが、現在は特に使用されていないようです。パノラマデッキ同様、ちょっとした気分転換の際に車窓を眺めながら過ごすのもいいかもしれません。

 ちなみに僕が利用した座席と、その座席から見た車内の様子はこんな感じです。モケット柄はベージュ色で、デラックスシートらしい落ち着きのある車内空間となっています。座席はもちろんリクライニングシートで、フットレストやモバイルコンセントも用意されています。1人掛け座席だと相席になることがなく、隣の方が気になることもないため、松阪まで快適な乗り鉄旅を楽しむことができました。

 上の写真は、松阪駅到着時に撮影した「伊勢志摩ライナー」です。僕の中で「伊勢志摩ライナー」のイメージカラーは黄色ですが、赤色は数ある近鉄特急の中でも新鮮な感じがしますし、なかなかカッコいいですね。

 

VISONを訪問

 松阪駅で賢島行きの「伊勢志摩ライナー」を見送り、改札を出て駅前にあるバス乗り場に向かいます。松阪駅には、近鉄側改札のある北口と、JR側改札のある南口があり、一瞬、どちらの改札に向かえばいいのか迷ってしまいました😰 初めて利用する駅でバスに乗車する際には、事前にバス停の位置と最寄りの改札口を調べておくべきですね。ちょっと焦っちゃいました。無事に改札口を出たところで、バスの発車時刻まで少し余裕があったため、松阪駅の駅舎をパシャリ📸

 ここから三重交通のバスに乗車してVISONに行きます。松阪駅前↔VISON間の移動は路線バス乗車を利用しておよそ40分で、なかなか乗りごたえがあります。電車に乗車する40分はあっという間ですが、路線バスだと長く感じるのは、なぜでしょうか? 乗車したバスは平日ということで乗客が少なく、VISONで下車したのは僕一人だけでした。

 VISONのバス停で下車してから少し歩くと、真正面にHOTEL VISONの特徴的な建物が見えてきました。バス停のあるエリア(アトリエヴィソン/スウィーツヴィレッジ)からHOTEL VISON側に移動するためには、まほろ橋と呼ばれる歩道橋を渡ることになりますが、橋の上からスウィーツ前広場を眺めると、まるで絨毯のような美しい緑が広がっています。

 VISONの園内を歩いていると、ペットを連れた方や車イスを利用されている方をよく見かけます。どうやらVISONの敷地内はペットがOKのようで、犬を散歩させながら園内の散策を楽しまれている方もいるようです。また、敷地内には一部に段差や高低差があるものの、緩やかなスロープ状の通路が整備された箇所もあるため、車イスでも比較的利用しやすいようになっています。また、健常者にとってもありがたいことに、高台にある本草エリアに向かう際には、屋外に設置されているエスカレータを利用することができるため、僕のような体力のない人間でも、ラクに移動することができるようになっていました。

笠庵 賛否両論で昼食

 さて、バス停から本草エリアまで移動してきた訳ですが、何故ここに来たのかと言えば、「笠庵 賛否両論」という日本料理のお店で昼食をいただくためです。「笠庵 賛否両論」は和食の笠原将弘シェフがプロデュースする日本料理レストランで、僕も以前からその名前くらいは聞いたことがありました。VISONを訪問しようと計画した際、どこか昼食にいいお店はないかとインターネットで調べたところ、「笠庵 賛否両論」が出店していることを知り、一度食べてみたいと思っていたので、今回利用することにしたものです。

 ちなみに「笠庵 賛否両論」は本草エリアにある本草湯が入った建物の中にあり、初見ではどこに店舗があるのか、とてもわかりにくいです。僕もここでいいのか?と迷ってしまいました。

 上の写真にある建物の右端部分が「笠庵 賛否両論」です。ちなみにこの建物は土足禁止となっているため、建物入口でまずは靴を脱がなくてはいけません。そして建物内を進むと、「笠庵」と書かれた暖簾が見えてきます。

 平日の少し早い時間ということで、待ち時間なく入店することができました。しかし、12時くらいになると観光バスで来た40人近い団体客の利用があったため、店内は一気に賑やかになりました。と言ってもまだ空席があったので、やはり平日であれば利用しやすいようです。

 入店後、メニューを見ながら何を注文しようかとちょっと悩みましたが、店員さんがおすすめする1日限定10食の『東紀州御膳』を注文しました。限定という言葉にはめっぽう弱い方です…

 見た目にも美しい御膳で、どれも美味しそうなものばかりです。色々な種類の料理が少しずつ何種類もいただけるのがいいですね。メインの焼八寸、揚物、蒸物、小鉢3種、鯛めしや赤だしの食事と、みかんを使ったゼリーもあります。使われている食材は東紀州産にこだわっているのでしょうかね。焼八寸の切り身魚も美味しい味付けでしたが、揚物の海老真丈が絶品でした。時間的にも余裕があり、ゆっくり時間をかけていただくことができ、今回も大満足の昼食となりました。

本草湯で入浴

 お腹を満たしたところで、次は同じ建物内にある本草湯で入浴を楽しむことにしました。ちなみに、本草湯ではレンタルでタオルの貸出しを行っているため、手ぶらでも入浴可能です。僕も今回は、事前にタオル類を用意していなかったので、貸出しのタオルを利用することにしました。

 受付で料金を支払ってタオルを受け取り入場すると、上の写真のような、とてつもなく広い湯上がりスペースが現れます。しかも竹をモチーフにしたようなオブジェが天井近くまで高くそびえており、まるで竹林の中に身体を置いているような感覚になります。小上がりの床は畳敷きで、ここで寝っ転がれば気持ちいいこと間違いありません。まさに癒やしの空間です。とは言ってもまだ入浴前なので、ここは素通りしてそのまま脱衣場に向かいました。

 男湯の暖簾をくぐると、脱衣場だけでなく、内湯も外湯も誰もおらず、僕だけの貸切状態でした。これだけ大きな浴場を独り占めできるのはもちろんうれしいですが、人がいなさすぎてかえって落ち着かないような気もします。本草湯には2種類の湯(水鏡の湯と光陰の湯)があり、それぞれに外湯と内湯があります。この「水鏡の湯」と「光陰の湯」は毎日男女が入れ替わりになっているようで、この日は「水鏡の湯」が男湯でした。薬草湯ということですが、それほどクセのある感じはなく、マイルドでやわらかなお湯といった感じです。外湯と内湯、ともに新しくて清潔感もあり、特に外湯は緑の山々を眺めながら入浴することができて気持ちいいものでした。普段は、どちらかといえば入浴時間が短めの僕ですが、内湯→外湯→内湯→外湯とはしごしてしまい、ついつい長湯してしまいました。

 入浴後は、先ほどの湯上がりスペースでぼーっとしながらひと休みです。広くて静かな空間に一人で佇んでいると、時間の流れが止まってしまったかのような不思議な感じがしてきます。何も考えずにただそこにいるだけで、心が落ち着いて来るのが分かります。本草湯では、本当に素敵な時間を過ごすことができました。

Confiture H (コンフィチュール アッシュ)でスイーツ

 本草湯を後にして、せっかくなのでVISONの敷地内を色々と散策しました。地図を見ると、さらに進んだところにオーガニック農園などの施設があるようですが、かなり距離がありそうだったので、サンセバスチャン通りや和ヴィソンエリアなどを見て回りました。

 先ほど下車したバス停側にもいつくかお店があるようだったので、まほろ橋を渡ってマルシェヴィソンエリアも見学しました。

 そしていつものように、VISONでもスイーツをいただくことにしました。ちょうどスウィーツヴィレッジと呼ばれるエリアにチョコレートやケーキを取扱うお店があり、今回はこれらの中からスイーツカフェの「Confiture H(コンフィチュール アッシュ)」を利用することにしました。ちなみにお店の外観は、こんな感じです。

 見た目では、スイーツカフェらしい感じがしませんが、正真正銘のカフェです。そしてこのお店は、パティシエとして有名な辻口博啓氏のパティスリーということで、味だけでなく、地産地消にこだわりを持った素材を使用しているのだそうです。また、見た目の美しさやその香りに至るまで、厳選された魅力あふれるスイーツ類が提供されるということで、自ずと期待も膨らみます。

 入店してショーケースの中に置かれたケーキを見ていると、その一つ一つが芸術作品のようで、どれにしようか本当に迷いました。迷い抜いた結果、プランセスというカシスのケーキに決めました。

 ご覧のとおり、見るからに美味しそうなケーキです。せっかくなので、一緒にりんごジュースも注文しましたが、ケーキとドリンクがよく合います。食レポは苦手な僕なので、詳細な表現はできませんが、上品でありながら味は濃厚でバランスがよく、このまま何個でも食べられるような感じです。贅沢してるな〜と自分でも感じながら、至福のひとときを過ごすことができました。

 この後は往路と同じく、路線バスに乗車して松阪駅に戻りました。帰りのバスも乗客が少なく、始発のVISONから乗車したのは僕一人でした。前のところで、VISONはペット連れの方も多いと書きましたが、そもそもVISONに来られる方の大半は自家用車なんでしょうね。

 

伊勢中川駅から汎用特急に乗車

 乗車した路線バスはほぼ定刻に松阪駅に到着しました。ここからは再び近鉄線を利用して名古屋に戻る訳ですが、ちょっと訳あって、松阪から伊勢中川までは急行列車を利用し、伊勢中川から近鉄名古屋まで特急を利用します。もちろん、松阪駅から特急に乗車することもできるのですが、たまたま近鉄のインターネット予約・発売サービス内のポイントが約1,200ポイントあり、これを特急券に交換して乗車しようと考えたからです。僕が保有していた約1,200ポイントでは、松阪―近鉄名古屋間の特急券に交換することはできませんが、これよりも距離が短い伊勢中川―近鉄名古屋間であれば、特急乗車区間が80km以内となり、ポイントの範囲内で特急券に交換することができるという訳です。一部のポイントが失効してしまう前に利用できてよかったです。

 ということで、まずは松阪から伊勢中川に移動します。改札を入ってホームに向かうと、ちょうど大阪難波行きの急行列車が入線してきたところでした。これに乗車して、特急乗車駅である伊勢中川に移動しました。伊勢中川駅で特急列車の到着を待っていると、名古屋行きの汎用特急が入線してきました。

近鉄の汎用特急である12400系:伊勢中川駅 2023/10/27

 僕としては、ACE(22000系)かAce(22600系)に乗車したいなと思っていましたが、結果としては12400系となりました。以前の汎用特急やビスタカーは、オレンジと紺の2色で塗装されており、これが近鉄特急を代表するカラーリングとして親しまれてきましたが、現在の新しい塗装は、クリスタルホワイトを基調としてブライトイエローが配され、ゴールドのラインが引かれたものとなっています。

 乗車中の車内の様子です。伊勢中川発車時点では、多くの窓側座席が埋まるくらいの乗車率でした。この後、津、白子、近鉄四日市、桑名、近鉄名古屋の順に停車していきますが、このうち津駅でたくさんの乗車があり、通路側座席もほとんどが埋まるくらいとなりました。乗客の方を見ると、往路とは異なりスーツ姿の方が多く、ビジネスでの利用と思われる方が目立ちました。そしてちょっと驚いたのが、近鉄四日市駅でも多くの乗車があったことです。自分が近鉄特急を利用するのは主に旅行時で、普段使いしていないため知らなかったのですが、時間帯によっては、短区間での利用がそれなりにあるんですね。

 12400系は車齢を重ねた車両ということで、正直に言って車内設備もACEやAceと比べると見劣りしてしまいますが、清掃などのメンテナンスが行き届いているようで、清潔感に欠けるようなことは全くありません。さすがは近鉄特急です。さらに座席のモケットは鮮やかなブルーで、車内も明るい感じにまとめられています。ちなみにこの座席、小田急ロマンスカーと同じで座席間に肘掛けがありません。座席幅が広く感じられるメリットもありますが、他の乗客と相席になる場合には、肘掛けで座席を区切りたい場合もあると思います。僕としても、どちらかといえば肘掛けがあった方がありがたいですね。

 往路と同じく約1時間の乗車で、無事に近鉄名古屋駅に到着しました。先頭車両の行先表示幕は、すでに回送になっています。今回は往復で異なるタイプの特急列車に乗車でき、充実した楽しい乗り鉄旅となりました。

 

乗車券類の紹介

 それでは、今日の乗り鉄旅で使用した乗車券類を紹介します。まずは発車直前に近鉄名古屋駅の窓口で購入した「VISON往復きっぷ」です。

 実際には往復乗車券のほか、松阪駅前↔VISONのバス乗車券、VISONの対象施設で利用できる10%割引券(3枚)、本草湯の入浴割引券がセットになっています。なお、この企画乗車券には特急料金は含まれていないので、特急列車を利用するには別に特急券を購入する必要があります。

 往路で「伊勢志摩ライナー」に乗車した際の特急券です。いつものようにインターネット予約・購入サービスを利用して手配したものを駅の窓口で換券してもらいました。そして復路では汎用特急に乗車しましたが、こちらはポイントを交換して利用したため、紙の特急券はありません。

 今回は、VISONを訪れる乗り鉄旅の様子を紹介させてもらいました。食事も入浴もスイーツもすべて楽しめる施設で、さらに近鉄特急にも乗車するという、僕にとっては理想的なお出かけとなりました。気づけば早いもので、今年も残すところ約2か月です。引き続き、楽しい乗り鉄旅を計画していきたいと思います。

大阪“グルメ”旅に行ってきました(今年3回目)

 最近はようやく残暑も収まり、朝夕は涼しく過ごしやすくなりました。一般的には、秋に向けて徐々に暑さが和らいでいくものだと思うのですが、今年はわずか数日のうちに気温が急激に低下したような印象があります。10日前まで暑さに閉口していたにも関わらず、最近はこたつがあってもいいかなと思う日もある程です。日本では、日常生活の中で春夏秋冬を感じることは当たり前のことだと考えがちですが、近年はこうした四季の移ろいが感じにくくなったような気がします。

 前置きはこれくらいにして、今回は秋の乗り鉄旅第1弾ということで、今年3回目となる大阪“グルメ”旅に行ってきました。最近は、自分でも大阪に行く機会が多いなと思っていますが、3連休を利用してどこかに出かけようと思ったときに、僕の中で大阪が思いついたということで、あまり深い意味はありません。そして前々回と前回の大阪旅行に続き、今回もグルメ中心の旅を計画しました。健康診断の結果、コレストロール値が気になるところですが、まあ何とかなるでしょう。食欲の秋ということで、観光だけでなくグルメも楽しんできましたので、いつものようにその内容を紹介したいと思います。

 

 

名古屋駅から東海道新幹線に乗車

 いつものように名古屋までは名鉄線を利用し、名古屋駅から東海道新幹線に乗車します。9月下旬に九州乗り鉄旅に出かけたところですので、約2週間ぶりになります。今日は天気もよく気候も穏やかで、絶好の乗り鉄日和です。天気予報によると、3連休のうち日曜日と月曜日は雨の可能性があるようなので、出発日として土曜日を選んで正解でした。名古屋駅にはちょっと早めに到着しましたので、旅のスタートに桜通口側から見た駅舎をパシャリ📸

 そのまま中央コンコースを抜けて新幹線改札口に向かいますが、3連休初日ということもあってか、名古屋駅は非常に混雑しています。高島屋側にある金時計は、名古屋駅での定番の待ち合わせ場所となっていますが、多くの方々で賑わっていました。そして名古屋駅にはもう一つ、有名な待ち合わせ場所として知られている銀時計がありますが、この付近も人が多く、学生さんと思われる団体やツアー旅行に出かけられるであろうグループの方が出発を待っておられました。

 少し早いですが、新大阪方面の下り線ホームに移動しました。改札口の前と比べるとホームはそれほど混雑していませんが、大きなキャリーケースを持った方が多くいらっしゃいます。3連休ということで、九州など遠方に出かけられる方が多いのかもしれません。

 僕は今回、新大阪行きの「ひかり」に乗車します。「ひかり」ではありますが、名古屋から新大阪までの各駅に停車するため、実質的には「こだま」と変わりありません。新大阪までの乗車時間は約1時間10分で、50分を切る「のぞみ」と比較すると時間がかかりますが、特に時間を気にする旅ではないので、まったく気になりません。

東海道新幹線で活躍しているN700系名古屋駅 2023/10/7

 16番線に停車中の車両と入線中の車両をそれぞれ撮影しました。上の写真は僕が実際に乗車した「ひかり」ですが、下の写真はひとつ前に発車した「のぞみ」です。名古屋駅での撮影は、どうしてもホームの安全柵が被ってしまいますが、雰囲気ということでご理解ください。

 「ひかり」631号は後続の「のぞみ」5号に先を譲り、名古屋駅を発車しました。次の停車駅である岐阜羽島で6分停車して後続の「のぞみ」に追い越され、さらに米原でも9分停車して「のぞみ」に先を譲ります。こうして各駅停車の新幹線に乗車していると、「のぞみ」の運転本数の多さをあらためて感じるとともに、東京―新大阪間の膨大の輸送量にも驚かされるばかりです。

 今回はグリーン車を利用しました。これまで東海道新幹線に乗車した際、東京や新横浜まで乗車するときにはグリーン車を利用したことがありますが、名古屋―新大阪という比較的短区間グリーン車を利用するのは初めてです。新大阪行きの「ひかり」のグリーン車ということで乗客は多くなく、静かな落ち着いた空間で乗り鉄旅を楽しむことができました。やっぱりグリーン車には、追加料金を支払うだけの十分な価値があります。

水陸両用バスに乗車する「大阪ダックツアー」に参加

 東海道新幹線を新大阪で下車し、大阪メトロ御堂筋線谷町線を乗り継いで、天満橋に向かいます。大阪には「○○橋」という名前の地名がたくさんあり、僕のような慌てん坊は気を付けないと間違えてしまいそうです。天満橋駅から歩いてすぐのところに「川の駅はちけんや」という施設があり、今回はここから水陸両用バスに乗車する「大阪ダックツアー」に参加します。

 水陸両用バスを使用したダックツアーは日本各地にあり、僕も以前、お台場や横浜で同様のツアーに参加したことがあります。ときにはバスとして公道を走行し、そしてときには船舶として川や海上を航行するという、何とも珍しい乗り物です。どうしてバスのような重量のある乗り物が水に浮くのか、なぜエンジンや車内に水が入り込まないのか、僕の小さな頭では到底理解できませんが、とにかくスゴイ乗り物だということは分かります。そして乗客は、陸上を走行していたバスがそのまま海や川に入っていくという、まるでテーマパークのアトラクションのような感覚も楽しむことができるわけですが、そんな水陸両用バスに乗車できるダックツアーが大阪にもあることを最近知り、今回の旅行で乗車してみることにしました。

 上の写真は、大阪ダックツアーが発着する「川の駅はちけんや」です。「道の駅」という施設は最近よく聞きますが、「川の駅」というのは初めて知りました。この「はちけんや」は、水都大阪の交流拠点として誕生した、関西初の常設となる川の駅なんだそうです。

 僕は今回、10:45発の第2便に乗車します。僕は事前にWebページから予約しておいたのですが、「はちけんや」の階下にある窓口で受付を済ますと、すでに2便は満席となっていました。最近は訪日外国人も徐々に増加し、インバウンド需要も順調に回復してきているようですので、そういった影響があるのかもしれませんね。

 こちらが今回乗車する水陸両用バスです。見た目はかなりゴツイ印象で、バスにも船にも見える外観です。迷彩色に塗装すれば、自衛隊の車両にもなりそうな感じです。車体には、大阪観光シンボルキャラクターである「関ジャニ∞」が大きく描かれています。例の問題でジャニーズのタレント起用には色々と意見があるようですが、大阪府の吉村知事は、大阪・関西万博のPRに引き続き「関ジャニ∞」を起用する方針のようですね。

 そして車内は、青色のベンチタイプの座席がずらりと並んでいます。座席幅は通常の路線バスと同じくらいで、シートピッチも決して余裕があるとは言えません。まあ、乗り心地や快適さを追求したバスではありませんからね。

 ちなみに車内の座席はすべて指定されており、乗客側から座席位置を希望することもできません。前の方になるのか後ろの方になるのか、そして窓側になるのか通路側になるのかもすべて運次第です。せっかくなので景色を見やすい窓側に当たることを期待しつつ乗車すると、希望どおりに窓側の座席でした😊 しかも車両中央にある非常出口付近の座席ということで、前席との間隔がめちゃくちゃ広いです。おそらく40席ある座席の中で一番のアタリ席と言っていいでしょう。Webページから事前に予約しておいたことが功を奏したのか、それとも当日早めに受付を済ませたことがよかったのか分かりませんが、強運に恵まれました。

 バスは予定どおりに「川の駅はちけんや」を出発しました。旧大阪市公館前を通って桜宮公園に向かいます。車両にガラス窓がないので写真撮影には向いていますが、手や顔を車外に出さないよう注意しなくてはいけません。

 入水ポイントがある桜宮公園に到着しました。ここでバスの運転士さんから船の船長さんに交代します。そしていよいよバスは大川へとダイブ🌊します。やっぱりこの瞬間が一番盛り上がりますね。車内でも歓声が上がっていました。

 川の水位によっては、普段とは異なるサブルートで運行される日もあるそうですが、今日は通常ルートでの運行です。ほどなくして進行方向右手に造幣局が見えてきました。川岸よりも低い視点から眺めることになるため、建物が木の陰に隠れてしまい、ちょっと見づらいです😓

 そして天満橋の下も通過します。普段は橋を渡る時に特に意識はしませんが、水上から見上げると巨大な構造物だということがよく分かります。

 水上から「川の駅はちけんや」が見えてきたら、そろそろ折り返しです。こうして眺めてみると、川幅がかなり広いですね。高層ビル群に囲まれて水都大阪を感じる風景です。

 桜宮公園に戻って、先ほどダイブしたポイントから上陸します。ここからは再び陸上を走行するバスとして大阪中心街を周遊し、「川の駅はちけんや」に戻ります。走行中の車内からは、関西テレビの社屋や天神橋筋商店街大阪市役所、日本銀行大阪支店の各庁舎などを見ることができました。

 

とんかつepaisでヘレカツ

 バスを下車したところでちょうど正午になり、次は昼食をいただくことにしました。午後に梅田である人と会う約束になっていたので、天満橋から梅田に移動し、梅田にあるお店でランチを楽しむことにします。実は、ちょっと前から次に大阪に行く機会があれば是非とも立ち寄りたいと思っていたお店があり、それが今回初めて訪問する「とんかつepais(エペ)」さんです。その名のとおり、とんかつをメインに提供されているお店で、本店は北新地にありますが、梅田の阪神百貨店地下2階にある阪神バル横丁にも出店されています。僕は、梅田に近い阪神百貨店の方を利用することにしました。

 本店もそうですが、かなりの人気店ということで、平日でも入店待ちの行列ができるんだそうです。相当の混雑も覚悟してお店に向かったところ、やはり入店を待つ方が数名、店先に並んでいました。どのくらいの待ち時間になるか分かりませんでしたが、今回はどうしてもこのお店でとんかつをいただきたかったので、最後尾に並びました。思ったように列は進みませんが、40分くらい待ったところで席に案内されました。店員さんが気を利かせて事前にメニューを配りながら注文も受けてくれていたため、席についてからしばらくすると、それほど待たずに提供されました。今回いただくのは、一度は食べてみたいと思っていた特選ヘレカツです。

 豚のヒレ肉を使ったカツは一般的に「ヒレカツ」と言われていますが、大阪では「ヘレカツ」と呼ばれているようです。「ヒレカツ」自体はもちろん僕も食べたことがあり、特に珍しいものではありませんが、epaisさんでは低温調理によるレアな状態の「ヘレカツ」が提供されます(もちろん中まで火が通っています)。僕はこれまで低温調理された「ヘレカツ」を食べたことがなかったので、一度食べてみたいと思っていました。

 上の写真のとおり、お肉の断面の色艶が最高です。ソースをつけていただくこともできますが、オススメは右下にあるボルチーニ塩で、この塩がお肉の旨味を一層引き立ててくれます。肉質はしっとりとしていますが非常にジューシーで、こんな食感の豚肉をいただくのは初めてです。いつも行列ができる人気店というのも納得です。

 

夜パフェ専門店Parfaiteria PaL心斎橋でパフェ

 梅田での用事を終えた後、もう一度、大阪メトロ御堂筋線で心斎橋に向かいました。ところで皆さんは、「夜パフェ」というものをご存じでしょうか? 僕はつい最近まで知りませんでした。何でも、お酒や食事を楽しんだ後に1日の締めとしていただくパフェのことなんだそうです。インターネットで調べると、夜パフェの発祥は札幌のようですが、最近は各地に夜パフェを提供するお店があるようで、大阪・心斎橋にもParfaiteria PaLという夜パフェ専門店があります。僕の大阪グルメ旅では、これまで「クレープリー・アルション」や「幸せのパンケーキ」などを訪れてデザートを楽しんでいますが、今回もやはりスイーツは欠かせないということで、Parfaiteria PaLさんにお邪魔し、夜パフェをいただくことにしました。

 Parfaiteria PaLさんは心斎橋にある商業ビルの3階で営業しています。ビル入口付近に置き看板がありますが、一見するとスイーツを提供する飲食店があることに気が付きません。僕も最初はこれを見落とし、店舗前を素通りしてしまいました。

 今日は土曜日ということで夕方16時からの営業です。夜パフェにはちょっと早い時間ですが、15時50分くらいにエレベーターで3階に上がると、店舗前にはすでに開店を待つ方々の行列ができていました。僕は事前に電話予約しておいたので、行列に並ばなくても確実に入店できます。ほどなくして開店し、予約してある旨を告げると1番に店内に案内されました。

 窓際の席に着席してメニューを見ると、パフェ単体とパフェにドリンクの付いたセットがありました。ちなみにパフェは6種類で、時期によって内容が変わるようです。どのパフェも魅力的でちょっと悩みましたが、今回はシャシンマスカットが盛り付けられた『ぶどう農林21号』というパフェと、ブラッドオレンジジュースのセットを注文しました。

 ちょっと変わったネーミングのパフェですが、全体でシャインマスカットの房をイメージして飾り付けられています。シャインマスカットの葉はジェラート抹茶のラングドシャ、ヘタは飴細工で作られています。ちなみにジェラートには日本酒の大吟醸ジュレには白ワインが使用されており、アルコール分を含む大人のパフェとなっています。他にもゼリーやムース、フロマージュなど、新鮮なシャインマスカットと相性の良い食材がふんだんに使われており、非常に贅沢なパフェです。もちろん見た目にも美しく、ほとんどの方は自身が注文したパフェを写真に収めていました。心も豊かになる一皿をいただくことができ、いつも以上に大満足のデザートとなりました。

 

ぼてぢゅうで2色とん玉

 新大阪駅に戻ってきました。今回の旅行は、全体的に時間に余裕のある行程にしたため、乗車予定の新幹線の発車時刻まで、まだ2時間近くあります。ちなみに夕食は駅でお弁当を購入し、車内でいただこうと思っていたのですが、新大阪駅構内をぶらぶらしていると、「元祖お好み焼き ぼてぢゅう」さんを見つけました。夕食にはちょっと早いですし、先ほど夜パフェをいただいたばかりだったので一度は素通りしたのですが、店頭にあったお好み焼きやモダン焼きのサンプルに惹きつけられ、思わず入店を待つ列の最後尾に並んでしまいました。誘惑にはめっぽう弱い男です。

 少し待って席に案内されました。メニューは豊富で、どれにしようか迷いに迷ってしまいましたが、ここは一番最初に目に留まった「2色とん玉」を注文しました。ぼてぢゅうさんでは、豚肉入りのお好み焼きを「とん玉」と呼んでおり、2色とん玉は、ソースにかつお節がかけられたものと、旨味醤油タレに九条ねぎがのせられたものが、それぞれ半分ずつ提供されるため、一度に2種類の味を楽しむことができます。オリジナルマヨネーズも添えられており、食べごたえも十分です。最初予定していたよりも早い時間に夕食をいただくことになりましたが、美味しいものはいくらでもお腹に入っていきますね。本当に今日は、よく食べました😋

 

新大阪駅から東海道新幹線に乗車

 楽しい時間が過ぎるのは早いもので、そろそろ帰路に着きます。今まで何度も新大阪駅を利用していますが、乗り換えでの利用がほとんどで、駅舎外から新大阪駅の姿を眺めたことはほとんどありません。今回は時間に余裕があったので、無事に旅を終えられるように願ってパシャリ📸

 少し早い目に新幹線ホームに移動しました。復路で乗車するのは往路と同じく「ひかり」です。往路の「ひかり」は名古屋ー新大阪間が各駅停車となる実質「こだま」でしたが、復路で乗車する「ひかり」は名古屋までの間に京都にのみ停車するタイプで、所要時間も往路より15分以上短くなります。発車は26番線ですが、僕が乗車する「ひかり」520号の入線直前まで新大阪止まりの「のぞみ」が停車していました。

 土曜日の夕方ということで車内は混雑するかと思っていましたが、少なくとも僕が乗車していた号車については、予想していたよりも空席が多かったです。新大阪から上りの新幹線に乗車される方ですと、東京や新横浜、それに名古屋に向かう方が多いでしょうから、やはり「のぞみ」を利用されるパターンが圧倒的に多く、停車駅が少ないタイプと言えども「ひかり」を利用される方は少ないのかもしれません。

東海道新幹線で活躍しているN700系新大阪駅 2023/10/7

 上の写真は、僕が乗車した「ひかり」ではなく、それ以前に26番線に入線してした列車を撮影したものです。いつ見ても、どの角度から見てもN700系はかっこいいですね。「ひかり」520号は定刻に新大阪を発車し、無事に名古屋に到着しました。ちなみに復路で利用したのは普通車指定席です。往路はグリーン車を利用したので、往復でそれぞれの座席種別を楽しむことができました。

 

乗車券類の紹介

 今回もいつものように、名古屋ー新大阪間の東海道新幹線での移動にJR東海ツアーズの日帰り旅行商品を利用しました。実際に使用した乗車票は次のとおりです。

 上2枚は往路で、下2枚は復路で使用したものです。すでに紹介したとおり、往路ではグリーン車を利用していますが、これは旅行商品を購入する時点で普通車がすでに終売となっていたため、グリーン車としました。後から落ち着いて考えれば、JR東海ツアーズ以外の旅行商品(例えば日本旅行JTBなど)の利用も検討すべきでした😓 まあ、正規運賃や特急料金と比べて割安で乗車できた訳ですから、これはこれでよしとします。ちなみにこの乗車票は大阪駅まで利用できますが、新大阪で途中下車することができます。大阪市内発着の通常の乗車券では、ゾーン内の駅で途中下車できませんので、そういった意味では、通常の乗車券よりも使い勝手がいいものとなっています。

 以上、今回の大阪グルメ旅の紹介でした。次回以降も僕の乗り鉄旅をお伝えしていきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いします🙇